劇ではいつも『木』の役だったわたしの異世界転生後の職業が『木』だった件……それでも大好きな王子様のために庶民から頑張って成り上がるもん!

ハイフィールド

文字の大きさ
20 / 127
第五章 新しい出会い

20本目

しおりを挟む
「それで、条件とは何なのかしら?」

 ここは大事な所だよ、どう立ち回ればわたしの望みが叶いやすくなるか?

「はい、どうかわたしをそのお茶会に立ち会わせて貰いたいのです」

「あなたが、お茶会に……ですか?」

「はい、この食器を融通した商家の娘で、お嬢様と年が近いから仲良くなった等と理由を付けて頂ければと思います。一度でも良いので会場の皆様がわたしを見てくれる機会を作って頂ければと思います」

 そう、わたしがそうだったように、まーくんがお茶会に来てわたしを見てくれればきっとわたしだって分かってくれるはず!!
 第一目標はわたしがこの世界にいるってまーくんに分かって貰う事だ。その後の事はその後の事だよ。

「紹介だけでよろしいの? 有力な方と繋ぎが欲しいとかでは無くて?」

「はい、一度だけでも皆様がわたしを見てくれれば良いです、それ以上は望みません」

「それくらいなら構わないわよ。皆さんに紹介する内容も嘘があるわけでもありませんし」

「それでは必要な食器の種類や数を教えて頂けますか?」

「わかりました、セルバン?」

「はい、畏まりました……それではお嬢さん?」

「アーリャとお呼びください」

 老執事……セルバンさんが懐から取り出した綺麗に折りたたまれた紙を渡してきた。
 うーん、今市場に出回っている紙にしては綺麗だけどわたしの作った物には及ばないね……いやいや、今はそれは関係ないね。

 わたしは紙に書かれた内容を確認する……この位なら問題ないね。

「期限はどの位でお渡し出来れば良いのでしょうか?」

「お茶会自体は1ヶ月ほど先なので、2週……いえ、3週でご用意出来そうですか?」

「ええ、問題ないです。陶器製の食器だったら難しかったかもしれませんが、わたし達の用意している食器なら可能です」

「おお、本当ですか……それは良かったです」

「それでは料金の方ですが……」

 こうして食器の注文の打ち合わせと、どうして従業員とはぐれてしまったかのつじつま合わせなどをして、店に帰る事になった。


□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □


「そう言う事で、危うく誘拐されそうになった所をドロシー様に助けて頂いたんです」

「そうだったのか!? よかった、本当に心配したんだよ」

 帰るなりお父さんの抱擁で出迎えられながら事情を話した。クライフは少しだけ気まずそうに明後日の方向を見ている。

「それでお礼をかねてこの注文の品を作って欲しいの……お願いお父さん」

 わたしはウィンクしながらメモを渡すと、お父さんはそれを察したようだ。

「わかりました、シャリーナ様の分を優先的に作らせるように致します」

「感謝します、どうぞよろしくお願いしますね」

 お互いに事情を隠しながらの商談は無事に終了し、3週間後に商品を取りに来てくれる約束となった……まぁ、実際にはそんなに時間は掛からないんだけど、一生懸命作りましたというポーズは必要だからね。
 あ、でもティーセットのデザインだけはちょっと考えて作らないと。


□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □


 3週間後までに商品を用意して本番に臨むつもりだったわたしの前に、何故かクライフがやってきた。

「馬鹿か、そのままでお前は高貴な貴族の方々が来る、お嬢様のお茶会に出られると思っていたのか? 本当に頭がお花畑な奴だな」

「なんだこいつ、偉そうに」

「随分と高圧的な物言いですね」

 なにこいつ!! なんでこんな嫌味な言い方してくるの!? 一緒にいるドランとケニーが驚いている……って言うか、なんで中庭に通しちゃったの? 危うく食器作成を見られる所だったよ!

「そ、そうですか、それではわたしは一体どうする必要があるのでしょうか?」

「礼儀作法を教えてこいとお嬢様のお達しだ」

「それはご丁寧に……でも、わたくし作法は心得ていてよオホホホホホ」

「それは何処かの成金マダムの真似か? 言っておくが俺が許可を出さなければお嬢様のお茶会に出すわけにはいかないからな」

 ちょっと、立派なお嬢様しゃべりでしょ! 



 ……というか、この人の判断でなんて嫌な予感しかしないよ!! 前途多難すぎるよ~
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

処理中です...