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第六章 お茶会で再開!?
22本目
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礼儀作法の方はクライフから何とかOKを貰ったのでわたしにはもう恐れる物は無くなった。
「ギリギリ及第点だからな……当日失敗したら絶対に許さん」
世の中、赤点じゃ無ければいいんです。ドロシーお嬢様の顔を潰さない程度に事をこなせれば良いのです。
……そしてお茶会当日がやって来た。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
今頃はドロシーお嬢様の挨拶から始まり、各家が直接挨拶を始めている頃のはず……出番まではまだ時間が掛かるみたい。
わたしは会場の控え室に待機していた。だって、さすがにお貴族様に交じって最初から最後までその場にいる度胸なんて無いもん。
そばには会場の進行を指示するためにセルバンさんが部下である執事やメイドに指示を出している。
一息ついたのかセルバンさんが話しかけてきた。
「アーリャさんの出番まではまだしばらく掛かりそうです。何か気付いた事がございましたら仰ってください」
「あ、あの……本日は、王族の方はいらっしゃっているのでしょうか?」
これは肝心な事だ……これがわたしにとっての本題だからね。もしも今日、来ていないのならなんとか次の機会にもつなげないと。
「はい、お年の近い方がいらっしゃっていますが、さすがにお話しする事は難しいかと思います」
「いえいえ、そんなんじゃありません……ただ、緊張して来ちゃいまして」
年の近い王族……このお屋敷に来ているのかな? ……わたしに気付いてくれるかなまーくん。
話をするのは目的じゃ無い……ひと目でも良いから見てくれれば……わたしは祈るように両手を組むと、時間になるのを待ち続けた。
「そろそろですよ……食器やお茶の紹介も済んで一息付いた所なので、タイミングとしては頃合いかと思います」
「は、はい」
うう、なんだか緊張してきた……大丈夫だよね。ただ、事前に用意してある言葉を喋るだけだし。
それだけの割には散々と余計な練習をさせられた気がするけど……。
わたしはセルバンさんに連れられて、控え室から繋がっているお茶会の会場へ続く扉の前まで進んで行った。
そして扉を開けると……カーテンの目隠しがあって会場には見えない……会場から穏やかな会話が聞こえてきた。
「それでは予定通り、合図でお嬢様の隣まで歩いて行き、そこでお客様へのご挨拶をお願いします……王族の方はちょうど対面に座ってらっしゃいます」
わたしが気にしていたのを覚えていたのか、そんな情報を沿えてくれた……まずい、ますます緊張して来ちゃった、どうしよう。
そういえば演劇発表会の時もいつも緊張していたっけ?
別にセリフも何も無い『木』の役なのに……あの時はどうやって乗り越えてきたっけ?
そうだ、結局いつも「わたしは木……わたしは木」とか言ってなりきっていたんだっけ?
「わたしは木……わたしは木……」
「アーリャさん、どうしました?」
「いえ、何でも無いです!」
いけない、変な子だと思われちゃったかも? でも不思議と緊張は解けていた……さすが長年続けてきたルーティーンだけあるよね。
「本日わたしが用意した食器は今流行の『アーリャブランド』木製食器を使っています」
ちょっと、なんで冗談でお父さんに言ったブランド名が使われているの!? いやー!! こんな公衆の面前で偉い人達に発言しちゃったらもう取り返しが付かないよ!!
「……先日偶然にも恵まれてその商品をプロデュースしているアーリャさん本人と御縁がありまして……」
落ち着いて、今はもっと大事な事があるんだから……よし、わたしはいつでも大丈夫だよ。
「……皆様にご紹介させて頂きます、アーリャさんいらしてください」
わたしはゆっくりと歩き出す。急ぎすぎず、遅すぎず……歩き方一つから厳しい練習をさせられたのでさすがに間違えたりはしない。
ドロシーお嬢様の手で示した位置まで辿り着くとフワリとお客さんのいる方へ身体ごと振り向いた。
わたしの視線の先には……金髪の青い目をした少年が微笑んでいた。
「ギリギリ及第点だからな……当日失敗したら絶対に許さん」
世の中、赤点じゃ無ければいいんです。ドロシーお嬢様の顔を潰さない程度に事をこなせれば良いのです。
……そしてお茶会当日がやって来た。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
今頃はドロシーお嬢様の挨拶から始まり、各家が直接挨拶を始めている頃のはず……出番まではまだ時間が掛かるみたい。
わたしは会場の控え室に待機していた。だって、さすがにお貴族様に交じって最初から最後までその場にいる度胸なんて無いもん。
そばには会場の進行を指示するためにセルバンさんが部下である執事やメイドに指示を出している。
一息ついたのかセルバンさんが話しかけてきた。
「アーリャさんの出番まではまだしばらく掛かりそうです。何か気付いた事がございましたら仰ってください」
「あ、あの……本日は、王族の方はいらっしゃっているのでしょうか?」
これは肝心な事だ……これがわたしにとっての本題だからね。もしも今日、来ていないのならなんとか次の機会にもつなげないと。
「はい、お年の近い方がいらっしゃっていますが、さすがにお話しする事は難しいかと思います」
「いえいえ、そんなんじゃありません……ただ、緊張して来ちゃいまして」
年の近い王族……このお屋敷に来ているのかな? ……わたしに気付いてくれるかなまーくん。
話をするのは目的じゃ無い……ひと目でも良いから見てくれれば……わたしは祈るように両手を組むと、時間になるのを待ち続けた。
「そろそろですよ……食器やお茶の紹介も済んで一息付いた所なので、タイミングとしては頃合いかと思います」
「は、はい」
うう、なんだか緊張してきた……大丈夫だよね。ただ、事前に用意してある言葉を喋るだけだし。
それだけの割には散々と余計な練習をさせられた気がするけど……。
わたしはセルバンさんに連れられて、控え室から繋がっているお茶会の会場へ続く扉の前まで進んで行った。
そして扉を開けると……カーテンの目隠しがあって会場には見えない……会場から穏やかな会話が聞こえてきた。
「それでは予定通り、合図でお嬢様の隣まで歩いて行き、そこでお客様へのご挨拶をお願いします……王族の方はちょうど対面に座ってらっしゃいます」
わたしが気にしていたのを覚えていたのか、そんな情報を沿えてくれた……まずい、ますます緊張して来ちゃった、どうしよう。
そういえば演劇発表会の時もいつも緊張していたっけ?
別にセリフも何も無い『木』の役なのに……あの時はどうやって乗り越えてきたっけ?
そうだ、結局いつも「わたしは木……わたしは木」とか言ってなりきっていたんだっけ?
「わたしは木……わたしは木……」
「アーリャさん、どうしました?」
「いえ、何でも無いです!」
いけない、変な子だと思われちゃったかも? でも不思議と緊張は解けていた……さすが長年続けてきたルーティーンだけあるよね。
「本日わたしが用意した食器は今流行の『アーリャブランド』木製食器を使っています」
ちょっと、なんで冗談でお父さんに言ったブランド名が使われているの!? いやー!! こんな公衆の面前で偉い人達に発言しちゃったらもう取り返しが付かないよ!!
「……先日偶然にも恵まれてその商品をプロデュースしているアーリャさん本人と御縁がありまして……」
落ち着いて、今はもっと大事な事があるんだから……よし、わたしはいつでも大丈夫だよ。
「……皆様にご紹介させて頂きます、アーリャさんいらしてください」
わたしはゆっくりと歩き出す。急ぎすぎず、遅すぎず……歩き方一つから厳しい練習をさせられたのでさすがに間違えたりはしない。
ドロシーお嬢様の手で示した位置まで辿り着くとフワリとお客さんのいる方へ身体ごと振り向いた。
わたしの視線の先には……金髪の青い目をした少年が微笑んでいた。
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