劇ではいつも『木』の役だったわたしの異世界転生後の職業が『木』だった件……それでも大好きな王子様のために庶民から頑張って成り上がるもん!

ハイフィールド

文字の大きさ
24 / 127
第六章 お茶会で再開!?

24本目

しおりを挟む
 『お茶会で再会!』作戦は失敗に終わったけど、アーリャブランドの売り上げは着々と伸びていった。



 お茶会で多くの貴族の方々に顔を売ったせいか、木製食器の注文もかなりの量が入ってきている……何事も無駄な事は無いんだね。



 お父さんはいらないって言っていたけど、お店のスペースを使わせて貰っている手数料を払っても、わたしの資産は少なくとも駆け出し商人では考えられないくらいの物になっているみたい……今は手元にお金を持つの怖いから預かって貰っているんだよね。



 そんな時にお父さんからとある提案をされた。




「アーリャ、本気で店を継ぐ気は無いか?」



「ええっ!? 突然どうしたの?」



 跡継ぎはお兄ちゃん達って決まっているんじゃ無かったの? 急に何でそんな話をしてくるんだろう?



「アーリャのジョブの凄さはもちろんなんだけど、その年齢とは思えないような行動力や、チャンスを逃さない目利きに判断力は商人として大切な才能だ……もしもアーリャがその気なら二人に話をするつもりだ」



「待ってお父さん!! 駄目……それは駄目だよ」



「どうしてだい?」



「わたしのやっている事は商人としてまっとうな事じゃ無いの……だって、わたしがいなくなったら全ておしまいになっちゃうから!!」



 だって、わたしは商人になりたくてお金を稼いでいるんじゃ無いから。



 もしも、ちゃんと商人になって自分のお店を持って大きくして後生に残すのなら、こんなジョブの能力に頼りきったやり方なんかじゃ駄目なんだよ。



「わたしは、自分の目的を叶えるために、わたしの代だけの、他の人には何にも残らないやり方で商売をしているの……こんな娘を跡取りなんかにしちゃ駄目だよ」



「確かに、アーリャは何だか生き急いでいるようには感じていた。

 そうだね、アーリャがしっかりと考えての返事なんだね? わかった、この話は聞かなかった事にしてくれ……でも、困った事があったらちゃんと相談するんだよ」



「うん、ありがとうお父さん」



 お父さんがわたしの事を考えてくれているのが伝わってきて、心があたたかくなった。



「あ、それはともかく新しい商品を見て」



「今度は何だろうね……ん? これは?」



「そこのくぼみを押すと開くんだよ」



「これか……こ、これは!? 鏡?」



 先日、大きな鏡が従業員の不注意で割れてしまって売り物にならなくなってしまったのを、わたしが何とか再利用出来るように考えるって事で預かってきてたの。

 ちょうど良い手のひらサイズの鏡を四角、丸などの形に加工して貰った物に木を使ったコンパクトにしてみたんだ。



「これは……木とは思えない外見の高級感はもちろんだけど、一番凄いのは発想だよ!!

 鏡と言えば上流階級の人が服をチェックする姿見……中流階級の人なら顔を見れるサイズの置き鏡や手鏡があった。

 でもこれは携帯出来る上に蓋を閉められる事によって割れにくいように工夫してる」



 あれ? 何だか予想外に驚かれているよ……壊れた鏡を再利用してよくやった~くらいに褒められるかなぁって思ってただけなんだけど。



「これは花をあしらった女性用のデザインだけど、男性向けのデザインで作れば性別関係なく売れるだろう……私だって商談前に軽く身だしなみを確認出来るのは助かる……アーリャ、これはどんどん作っても良いよ」



「わかった! 再利用出来そうな鏡を全部使っちゃうね」



「よし、私も置き鏡に使えないようなサイズの物を安く仕入れてこよう」



 喜んでいたと父さんが、ふと何かを考える顔をすると……



「……アーリャ、やっぱり店を継がないか?」



 ……なんてまた言いだしてきた。



「だめです、継ぎません!!」



「……そっか」



 本当に申し訳ないけど、もしかしたらこの先お店に迷惑が掛かるかも知れないし、ある程度の資金が貯まったら独り立ちして王族と関わる身分まで上り詰めないといけないの!!





 それまでノンストップでわたしは走り続けるつもりだよ!!
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

処理中です...