26 / 127
第七章 アーリャ十歳になりました
26本目
しおりを挟む
美しいエメラルドグリーンの如く輝くブドウ……ブドウの女王と呼ばれる『マスカットオブアレキサンドリア』
エジプトのアレキサンドリア港から世界に広がったやらなんやらの一房3000円くらいする高級なブドウ。わたしも中学校の校外学習で、岡山県のブドウ農家で食べたっきりってくらいの果物だよ。
その時に何気なく触れた木がいま目の前にもの凄い数になって並んでいた……ブドウ農家の人達、ごめんなさい。でも異世界だからゆるしてね。
「やばい、なんか良い匂い……ますます腹減ってきた」
「くっ、これはドランを馬鹿に出来ないくらい僕も気になってしまいます」
「もう、仕方ないな……みんなで一房だよ」
マリナに一房とってもらい、軽く拭いた後にみんなでそれをつまんで手に取ってもらう。
「皮ごと食べられるからパクッといっていいよ……種も無いから」
「ブドウなのに種がないのですか?」
「これはちょっと特別だからね」
本来は種があるブドウなんだけど、ジョブの能力で強引に種なしに品種改良しているのでした。
これで種を使ってブドウを育てるなんて事は出来ないよ……まぁ、ブドウって種から育てるのはもの凄い難しいみたいだから、知識も無しにこの味のブドウを育てる事は不可能だと思うけどね。
それに土地も本来なら乾燥した場所で育つ果物だから、わたしみたいにジョブ能力で強引に育てたりできない限り無理だし。
「うまっ!! 凄い甘い!! もう一個!!」
すぐに二個目に取り掛かるドラン。
「甘い、丸い、大きい、うまい!!」
それは別の果物だよケニー。
「これは凄い……こんな粒の大きくてみずみずしいブドウなんて初めてだ」
「お嬢のやる事はいつも驚かされます……おいしい」
「うーん、やっぱり美味しい。幸せ~」
大成功だ……本当は一気にここまで育てる事も出来るんだけど、一応林業師としてのポーズもあるからこうやって時間を空けて来たわけだけど……身内にはもうバレてるのかも?
とりあえずこのブドウは美食ブームで大注目される事に間違いないよ……そして、隠し球はまだまだあるんだよ。
ブドウを食べ終えたわたし達は、ぶどう園の近くにある倉庫に向かった……倉庫には地下室があり、階段を降りていくとそこには沢山の樽が並んでいる。
「マリナ、おねがいね」
「わかりました……役得役得」
マリナは樽についている……蛇口下に木製グラスを持って行き、蛇口を捻ると透き通った薄黄緑色の液体が注ぎ込まれていった。
「マスカットオブアレキサンドリアを使ったワインだよ……マリナとオーレスさんで飲んでみて下さい」
グラスを受け取ったオーレスさんはその香りを嗅ぐと驚愕の表情でそれを見る。
「なんて甘い香りだ……こんなワイン初めてだよ」
「アルコール濃度が低いから成人したての私でもクイッと飲めます」
「いいなぁ~、ちょっとだけ飲んでも良いだろう?」
「駄目、子供には早いよ」
わたしはこっそり試したけどね……制作者として必要なのです。
「その子供がお酒を造るのもどうなんでしょうね?」
「ブドウを作る過程でたまたま出来ちゃっただけだもん」
嘘です……スキルを使って香りと甘みに拘った醸造で作られています。多めのWP を使うけど、何年も寝かしたワインなんかも作れちゃうよ。
「こんな物を作れるお嬢様なら確かに護衛は必要ですね……今回は尾行する馬車などは無かったとは言え油断は出来ません」
「一応、二人の領主様の後ろ盾があるので、そうそう手出しを出来ない筈なんですけど、念には念を入れてです」
これまで何人かの良からぬ事を考える貴族から接触もあったようだけど、ちょっとドロシーお嬢様とかにお話しするとあーら不思議、そんな人はいなくなります。
「悪い奴が来ても俺が倒す!! 悪くなくてもアーリャに近づく奴は倒す!!」
ちょっと、倒す相手は選んでよね。
「たとえアーリャが打たれようと切られようと、僕が完璧に治します」
ちょっと、痛いの嫌なので被害を受けない方向で頑張ってよね。
……でも早くわたしも自分の身は自分で守れるようにならなきゃ。
エジプトのアレキサンドリア港から世界に広がったやらなんやらの一房3000円くらいする高級なブドウ。わたしも中学校の校外学習で、岡山県のブドウ農家で食べたっきりってくらいの果物だよ。
その時に何気なく触れた木がいま目の前にもの凄い数になって並んでいた……ブドウ農家の人達、ごめんなさい。でも異世界だからゆるしてね。
「やばい、なんか良い匂い……ますます腹減ってきた」
「くっ、これはドランを馬鹿に出来ないくらい僕も気になってしまいます」
「もう、仕方ないな……みんなで一房だよ」
マリナに一房とってもらい、軽く拭いた後にみんなでそれをつまんで手に取ってもらう。
「皮ごと食べられるからパクッといっていいよ……種も無いから」
「ブドウなのに種がないのですか?」
「これはちょっと特別だからね」
本来は種があるブドウなんだけど、ジョブの能力で強引に種なしに品種改良しているのでした。
これで種を使ってブドウを育てるなんて事は出来ないよ……まぁ、ブドウって種から育てるのはもの凄い難しいみたいだから、知識も無しにこの味のブドウを育てる事は不可能だと思うけどね。
それに土地も本来なら乾燥した場所で育つ果物だから、わたしみたいにジョブ能力で強引に育てたりできない限り無理だし。
「うまっ!! 凄い甘い!! もう一個!!」
すぐに二個目に取り掛かるドラン。
「甘い、丸い、大きい、うまい!!」
それは別の果物だよケニー。
「これは凄い……こんな粒の大きくてみずみずしいブドウなんて初めてだ」
「お嬢のやる事はいつも驚かされます……おいしい」
「うーん、やっぱり美味しい。幸せ~」
大成功だ……本当は一気にここまで育てる事も出来るんだけど、一応林業師としてのポーズもあるからこうやって時間を空けて来たわけだけど……身内にはもうバレてるのかも?
とりあえずこのブドウは美食ブームで大注目される事に間違いないよ……そして、隠し球はまだまだあるんだよ。
ブドウを食べ終えたわたし達は、ぶどう園の近くにある倉庫に向かった……倉庫には地下室があり、階段を降りていくとそこには沢山の樽が並んでいる。
「マリナ、おねがいね」
「わかりました……役得役得」
マリナは樽についている……蛇口下に木製グラスを持って行き、蛇口を捻ると透き通った薄黄緑色の液体が注ぎ込まれていった。
「マスカットオブアレキサンドリアを使ったワインだよ……マリナとオーレスさんで飲んでみて下さい」
グラスを受け取ったオーレスさんはその香りを嗅ぐと驚愕の表情でそれを見る。
「なんて甘い香りだ……こんなワイン初めてだよ」
「アルコール濃度が低いから成人したての私でもクイッと飲めます」
「いいなぁ~、ちょっとだけ飲んでも良いだろう?」
「駄目、子供には早いよ」
わたしはこっそり試したけどね……制作者として必要なのです。
「その子供がお酒を造るのもどうなんでしょうね?」
「ブドウを作る過程でたまたま出来ちゃっただけだもん」
嘘です……スキルを使って香りと甘みに拘った醸造で作られています。多めのWP を使うけど、何年も寝かしたワインなんかも作れちゃうよ。
「こんな物を作れるお嬢様なら確かに護衛は必要ですね……今回は尾行する馬車などは無かったとは言え油断は出来ません」
「一応、二人の領主様の後ろ盾があるので、そうそう手出しを出来ない筈なんですけど、念には念を入れてです」
これまで何人かの良からぬ事を考える貴族から接触もあったようだけど、ちょっとドロシーお嬢様とかにお話しするとあーら不思議、そんな人はいなくなります。
「悪い奴が来ても俺が倒す!! 悪くなくてもアーリャに近づく奴は倒す!!」
ちょっと、倒す相手は選んでよね。
「たとえアーリャが打たれようと切られようと、僕が完璧に治します」
ちょっと、痛いの嫌なので被害を受けない方向で頑張ってよね。
……でも早くわたしも自分の身は自分で守れるようにならなきゃ。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる