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第八章 スィーツコンテスト
30本目
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参加者の自己紹介も済み、わたし達は規定の時間である15の鐘が鳴るまでにスィーツを作り上げることになる。
この間、見物客達は会場各所に開かれた屋台などでさまざまなスィーツを楽しめるようになっている……もちろんお金が掛かるけど……普段食べられないようなお菓子などもたくさん出ていて、コンテストに参加出来ない人はここで自分のスィーツをみんなに発表する場でもあるのだ。
興味はあるけれど当然参加者であるわたしは見に行く事は出来ずに、審査員に振る舞うためのスィーツを作る事になる。
審査員は10人いるため10人分作れる訳なんだけど、それだと2台分作れば良いかな?
「お嬢、準備が出来ました」
「ありがとう、それじゃあ始めよう」
クライフが来た後も練習してクオリティも上げてきた……きっと大丈夫だ。わたし達は練習通りお菓子作りに取り掛かった。
生地を作り終わり断熱性の高い木で作った自前の冷蔵庫……箱の中に氷を入れて冷やす簡単な物……の中で休ませて一息していると……
「アーリャさん、調子はどうかしら?」
「ドロシー様? どうしてここへ?」
……ひと目で貴族と分かる高貴なお嬢様が二人の執事を従えてやって来た。
「もちろんアーリャさんの応援です。あなたがこのコンテストの参加者を驚かすのが楽しみでなりませんよ」
「これもドロシー様のご協力があったからこそです」
当然クライフがレシピを知っているのでドロシー様は新しいスィーツを楽しんでいるのだろう。
「クライフに色々なアレンジをした物を食べさせて貰っていますが、やはりアーリャさんの用意したフルーツで作る物が一番美味しいですね」
「あはは、そんな大げさですよ」
そんな大した事は……あるかも? わたしも一応この世界で採れるフルーツで試したりはしたけど、やはり品種改良を重ねた現代の物と比べると味が比べものにならない……このチート過ぎる素材を使えるわたしは間違いなく有利だと思うよ。
「結果は分かりきっていますが、油断されないよう頑張って下さいね」
「ありがとうございます」
わたしはぺこりとお辞儀をすると3人は去って行った。執事の二人は出しゃばらずに何も喋らなかった……クライフの方が嫌味くらい言うかと思ったのに意外だよ。
「お嬢、そろそろ時間かと思います」
マリナがわたしの作った砂時計を見て教えてくれた。これもアーリャブランドの大人気商品だ。時計の無い世界で時間を正確に測れるのは色々便利なんだよ。
今使っているのは30分の砂時計……他にもいくつか用意しているので用途ごとに使い分けていくんだ。
「それじゃあ牛乳から……」
わたしとマリナは冷蔵庫から取り出した生地に材料を順番にいれていく……ここまでお菓子作りは順調だ。
「それじゃあオーブンに火を入れておきますね」
「うん、お願いね」
会場には事前に申請している人は大がかりなオーブンも使えるようになっている。ただ、火を使うので少し離れた場所にあるようで、先にマリナが火を入れに行ってくれた。
しかし、マリナが一向に帰ってこないので、そのまま型に入れてある生地を持ってオーブンの所へ向かう事にした。
「ですからこのオーブンは私達が申請して使用するオーブンです、勝手に使われると困ります……ほら、これが申請書ですよ」
「平民の女が生意気な口を利くんじゃ無い、俺はリージャル家の料理人だぞ」
マリナが恰幅の良いおじさんと言い争っている。
なにやらわたし達の申請したオーブンで揉めているようだ……おじさんの後ろには若い男が3人ほど立っている。
「何やら揉めているようですが、ここはわたし達が申請して用意して貰ったオーブンですよ? 申請書もあります」
「なんだこのガキは……何度も言っているがこのオーブンはリージャル家が使用する。お前達は俺達の後に使えば良い」
「そうだ、女如きがこんな大きな大会に出るなんて生意気なんだよ」
「平民が貴族に逆らうとどうなるか分かっているんだろう?」
先頭のおじさんの高圧的な言い分を皮切りに後ろの男達も騒ぎ出した……これってWEB小説でも良くある虎の威を借る狐ムーブってやつだよね?
でも、そういう嫌な事をする人には必ず最後にざまぁが待っているって教えてあげるんだから!
この間、見物客達は会場各所に開かれた屋台などでさまざまなスィーツを楽しめるようになっている……もちろんお金が掛かるけど……普段食べられないようなお菓子などもたくさん出ていて、コンテストに参加出来ない人はここで自分のスィーツをみんなに発表する場でもあるのだ。
興味はあるけれど当然参加者であるわたしは見に行く事は出来ずに、審査員に振る舞うためのスィーツを作る事になる。
審査員は10人いるため10人分作れる訳なんだけど、それだと2台分作れば良いかな?
「お嬢、準備が出来ました」
「ありがとう、それじゃあ始めよう」
クライフが来た後も練習してクオリティも上げてきた……きっと大丈夫だ。わたし達は練習通りお菓子作りに取り掛かった。
生地を作り終わり断熱性の高い木で作った自前の冷蔵庫……箱の中に氷を入れて冷やす簡単な物……の中で休ませて一息していると……
「アーリャさん、調子はどうかしら?」
「ドロシー様? どうしてここへ?」
……ひと目で貴族と分かる高貴なお嬢様が二人の執事を従えてやって来た。
「もちろんアーリャさんの応援です。あなたがこのコンテストの参加者を驚かすのが楽しみでなりませんよ」
「これもドロシー様のご協力があったからこそです」
当然クライフがレシピを知っているのでドロシー様は新しいスィーツを楽しんでいるのだろう。
「クライフに色々なアレンジをした物を食べさせて貰っていますが、やはりアーリャさんの用意したフルーツで作る物が一番美味しいですね」
「あはは、そんな大げさですよ」
そんな大した事は……あるかも? わたしも一応この世界で採れるフルーツで試したりはしたけど、やはり品種改良を重ねた現代の物と比べると味が比べものにならない……このチート過ぎる素材を使えるわたしは間違いなく有利だと思うよ。
「結果は分かりきっていますが、油断されないよう頑張って下さいね」
「ありがとうございます」
わたしはぺこりとお辞儀をすると3人は去って行った。執事の二人は出しゃばらずに何も喋らなかった……クライフの方が嫌味くらい言うかと思ったのに意外だよ。
「お嬢、そろそろ時間かと思います」
マリナがわたしの作った砂時計を見て教えてくれた。これもアーリャブランドの大人気商品だ。時計の無い世界で時間を正確に測れるのは色々便利なんだよ。
今使っているのは30分の砂時計……他にもいくつか用意しているので用途ごとに使い分けていくんだ。
「それじゃあ牛乳から……」
わたしとマリナは冷蔵庫から取り出した生地に材料を順番にいれていく……ここまでお菓子作りは順調だ。
「それじゃあオーブンに火を入れておきますね」
「うん、お願いね」
会場には事前に申請している人は大がかりなオーブンも使えるようになっている。ただ、火を使うので少し離れた場所にあるようで、先にマリナが火を入れに行ってくれた。
しかし、マリナが一向に帰ってこないので、そのまま型に入れてある生地を持ってオーブンの所へ向かう事にした。
「ですからこのオーブンは私達が申請して使用するオーブンです、勝手に使われると困ります……ほら、これが申請書ですよ」
「平民の女が生意気な口を利くんじゃ無い、俺はリージャル家の料理人だぞ」
マリナが恰幅の良いおじさんと言い争っている。
なにやらわたし達の申請したオーブンで揉めているようだ……おじさんの後ろには若い男が3人ほど立っている。
「何やら揉めているようですが、ここはわたし達が申請して用意して貰ったオーブンですよ? 申請書もあります」
「なんだこのガキは……何度も言っているがこのオーブンはリージャル家が使用する。お前達は俺達の後に使えば良い」
「そうだ、女如きがこんな大きな大会に出るなんて生意気なんだよ」
「平民が貴族に逆らうとどうなるか分かっているんだろう?」
先頭のおじさんの高圧的な言い分を皮切りに後ろの男達も騒ぎ出した……これってWEB小説でも良くある虎の威を借る狐ムーブってやつだよね?
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