劇ではいつも『木』の役だったわたしの異世界転生後の職業が『木』だった件……それでも大好きな王子様のために庶民から頑張って成り上がるもん!

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第十章 謎の手紙

41本目

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「なっ、一体何を根拠に!?」

 転生者である事を否定したわたしの言葉に大いに戸惑うバロウさん。

「最初に言いましたよね? 詳しい事情を書かずに呼び出すなんて、身元を知られたくないんじゃ無いかって……だからわたし調べたんです、バロウさんの事を」

「調べた!?」

 それはそうだよ、いちど誘拐されかけた事もあったんだから、こんな人気の無い場所にのこのこと来たりしないよ。

「まずこの倉庫の持ち主に確認をとりました。
 今は収穫時期じゃ無いですから小麦倉庫は空っぽですし、誰に貸したか確認しました……驚いた事に誰にも貸していなかったそうです。
 バロウさん……この倉庫、無断で使用しましたね?」

「うぐっ」

「安心して下さい、わたしが代わりに借りる約束を取り付けておきました。掃除してくれればお金はいらないと快諾してくれました。
 そうすると次は一体誰がここを無断で使ったのでしょうか? それも調べました」

 無断で倉庫を使用していたという事実が信用が出来なかったふたつ目の理由だよ。

「収穫シーズンでも無い倉庫方面に出る馬車の数は少ないです。
 街の衛兵さんに確認を取って街への出入りについて確認しました。
 さすがに偉い身分の人のは無理でしたけど、積み荷が何かも確認しました。
 誰が隣町まで行って、誰が日帰りで帰ってきたかも確認しました。
 確認したお陰で2人まで候補者を絞る事が出来ました」

「そ、そこまで!?」

「候補者が絞れたのであとはどちらかを特定するために2人の身元を冒険者ギルドに依頼して調べました。
 すぐに身元の確認は取れて一人は小麦農園のオーナーの一人でした。
 ただ、この方は毎年同じ時期に日帰りで農園を見に行く事が確認出来たので除外です。
 もう一人がバロウさんです……商人になられたのは5年、お年の割には駆け出しと言える仕事歴ですよね?」

 依頼料などで多少の出費はあったけど、安全のためなら必要経費だからね。

「あの、私は……「さすがに……」」

 何かを言おうとするバロウさんを遮ってわたしは続ける。

「……さすがに偽名では無かったのは良かったです、ここで名前を偽っていたら話し合う気もしなかったですから」

 まぁ、でも既にこの時点で商人としては信用は無いって状態だけどね。

「宿屋の次男坊として働いていましたが突然5年前に心機一転、商人になられた。
 理由としては過去に交際していた女性に娘が生まれていて、その女性が亡くなる直前に娘さんのキャレルさんを預けられたからと言う事ですね。
 そして、突然、植物紙を作って売り出した……しかし、後ろ盾が無い状態で売り出してしまったせいで、悪徳商人に圧力をかけられて市場に出せず、最終的に作り方から権利を強引に買い取られてしまった……これが、先程キャレルさんが言った『騙されて人間不信に』という理由なんですね?」

「そ、そうです、前世の記憶を取り戻して紙の作り方を思い出したんです……でも騙されてしまって……」

「そうですか、それでは前世は何て言う星の何という国の何という街に住んでいたんですか?」

「うっ、それは……」

「そこまで話すと思っていなかったので相談していなかったんですね、と」

「っっ!!??」

「……驚いたわ。あなた前世では探偵だったの?」

 さっきまで成り行きを見ているだけのキャレルさんの顔が太々ふてぶてしい表情に変わった。

「見た目は子供、頭脳は大人……ではありません、頭の回転はたぶん転生後に身についたものです。
 確証が無かったのでカマをかけましたが当たりだったんですね」

「してやられたって訳ね、可愛くない小娘」

「小娘はお互い様ですよね」

「私は12歳、あなたより2歳も年上よ」

「前世の分を入れたらどんぐりの背比べですよ」

 お互いに警戒しながら言葉遊びでやりとりをする……キャレルさんはどう出るんだろう? 目的はなんとな~く分かるんだけど。いいや、わたしから聞いちゃおう。

「バロウさんはキャレルさんのギフトジョブで味方に付けたんですね? そして、今回はわたしにそのジョブの力を試そうとして失敗したって所でしょうか?」

「き、気付いていたの!? はっ、それもカマかけね……二回もしてやられるなんて」

 ほっ、引っかかってくれてよかったよ。



 ……さて、ここからは解決編だね、って探偵もののアニメじゃ無いってば。
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