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第十一章 四国連合会議
46本目
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「あれ? ボクの勘違いかな?」
王子様のまさかの来訪とまさかの指摘にわたしは心穏やかに張られないよ……落ち着くんだよアーリャ、仮に王子様の指摘を肯定したらどうなのか?
少なくとも第一王子様であるアレウス様は表向きは好意的。平民のしかも商人の娘の分相応な目標を聞いて馬鹿にしたり邪魔したりは考えづらい。少なくとも王家にとってメリットを提示しているわたしを無下にする事はないかと思う。
逆に否定するとわたしへの興味が無くなるだけかな? たぶん……それならばアレウス様とは親しくなって味方になってもらった方が良いのかも?
「さすが第一王子様の慧眼に驚かされるばかりです。
たしかにわたしは自分の力が何処までの物なのかを試したく思っていました。
そのわかりやすい目標が貴族という事になるかも知れません」
「やっぱりそうか。面白い、ベイビーは凄く面白いよ」
「いえ、女の身で何を言っているのかと笑われるかと思います」
「たしかに王宮の頭の固い大臣なら言いそうだな~。でも能力に男女なんて関係ないのにね」
男女平等のような発言……アレウス様はこの時代から大分進んだ考えを持っているようだ。
「本日はそれを聞くためにいらっしゃったのですか?」
「うーん、そういうわけじゃ無いけど、僕の予測が当たって良かった。将来王位を継承した時に優秀な家臣は欲しいからね。そこに性別が理由で能力ある者が蔑ろにされるのは避けたいんだ」
うーん、アレウス様ってたしか13だか14歳くらいだよね? わたしは前世補正があるからだけど、年齢にしては賢すぎない? もしくはこれが王族の教育なのかもしれないね。
「気にかけて頂いてありがとうございます。わたしもアレウス様に負けぬよう頑張りたいと思います」
「う~んお堅いね~。こういう人目の無い場ではベイビーはもっと気軽に接して欲しいな」
「ど、努力します」
第一王子様が仲良くしてくれるのは良いんだけど、あまり仲良くしすぎると周りにあらぬ誤解を与える可能性があるからあくまで控えめに接します。
それからアレウス様とお喋りしながら新作のチョコレートを試食してもらったりして時間は過ぎていった。
「今日は楽しかったよベイビー。時間を忘れて話してしまった」
微妙に地味な装飾の馬車が店の前に止まっている……お見送りの時間だ。
「わたしにとっても、とても楽しい時間でした。また機会があればいらして下さい」
社交辞令ですよ~本当に来ないで欲しいなぁ。
「ははは、それは嬉しいな。それじゃあそろそろ帰らないと城の者も心配してしまうな」
「お気を付けて下さいね」
「ありがとう……あ、そうだ……」
何かに気付いたようにアレウスさまがわたしに顔を寄せてくる……え、なに?
「………………………………………………………………………………」
「え?」
「それじゃあベイビーまた会おうね」
呆然としたわたしを置き去りにしてアレウス様は馬車に乗り込んでいった。思考停止してしまったわたしが我に返ったのは馬車が見えなくなった後だった。
「アーリャ、大丈夫だったか? 何か無礼を働いたりはしなかったかい?」
「だいじょぶだよお父さん、わたしも何度か貴族様とお話ししているし」
店に戻ると心配そうにお父さんが迎えてくれた。マリナも一緒にわたしを待っていたようだ。
「それで何の用だったんだい?」
「それがなんでも無かったんだ。チョコレートの話をしたかったみたい」
お父さんには心配させまいと半分だけ本当の事を言った。
うーん、それにしてもなんでわたしが林業師じゃ無いってバレたんだろう?
もちろん王宮にはお抱えの林業師がいると思うんだけど、わたしが何をしたかを身内以外に見せていないから比較出来ないとも思うんだけどな。
ま、考えてもしょうがないよ、とにかく王族の王子様が味方のようなポジションになってくれたと喜んでおこう。
……はぁ、どうせなら弟さんを紹介してくれるともの凄い嬉しいんだけどな~。
王子様のまさかの来訪とまさかの指摘にわたしは心穏やかに張られないよ……落ち着くんだよアーリャ、仮に王子様の指摘を肯定したらどうなのか?
少なくとも第一王子様であるアレウス様は表向きは好意的。平民のしかも商人の娘の分相応な目標を聞いて馬鹿にしたり邪魔したりは考えづらい。少なくとも王家にとってメリットを提示しているわたしを無下にする事はないかと思う。
逆に否定するとわたしへの興味が無くなるだけかな? たぶん……それならばアレウス様とは親しくなって味方になってもらった方が良いのかも?
「さすが第一王子様の慧眼に驚かされるばかりです。
たしかにわたしは自分の力が何処までの物なのかを試したく思っていました。
そのわかりやすい目標が貴族という事になるかも知れません」
「やっぱりそうか。面白い、ベイビーは凄く面白いよ」
「いえ、女の身で何を言っているのかと笑われるかと思います」
「たしかに王宮の頭の固い大臣なら言いそうだな~。でも能力に男女なんて関係ないのにね」
男女平等のような発言……アレウス様はこの時代から大分進んだ考えを持っているようだ。
「本日はそれを聞くためにいらっしゃったのですか?」
「うーん、そういうわけじゃ無いけど、僕の予測が当たって良かった。将来王位を継承した時に優秀な家臣は欲しいからね。そこに性別が理由で能力ある者が蔑ろにされるのは避けたいんだ」
うーん、アレウス様ってたしか13だか14歳くらいだよね? わたしは前世補正があるからだけど、年齢にしては賢すぎない? もしくはこれが王族の教育なのかもしれないね。
「気にかけて頂いてありがとうございます。わたしもアレウス様に負けぬよう頑張りたいと思います」
「う~んお堅いね~。こういう人目の無い場ではベイビーはもっと気軽に接して欲しいな」
「ど、努力します」
第一王子様が仲良くしてくれるのは良いんだけど、あまり仲良くしすぎると周りにあらぬ誤解を与える可能性があるからあくまで控えめに接します。
それからアレウス様とお喋りしながら新作のチョコレートを試食してもらったりして時間は過ぎていった。
「今日は楽しかったよベイビー。時間を忘れて話してしまった」
微妙に地味な装飾の馬車が店の前に止まっている……お見送りの時間だ。
「わたしにとっても、とても楽しい時間でした。また機会があればいらして下さい」
社交辞令ですよ~本当に来ないで欲しいなぁ。
「ははは、それは嬉しいな。それじゃあそろそろ帰らないと城の者も心配してしまうな」
「お気を付けて下さいね」
「ありがとう……あ、そうだ……」
何かに気付いたようにアレウスさまがわたしに顔を寄せてくる……え、なに?
「………………………………………………………………………………」
「え?」
「それじゃあベイビーまた会おうね」
呆然としたわたしを置き去りにしてアレウス様は馬車に乗り込んでいった。思考停止してしまったわたしが我に返ったのは馬車が見えなくなった後だった。
「アーリャ、大丈夫だったか? 何か無礼を働いたりはしなかったかい?」
「だいじょぶだよお父さん、わたしも何度か貴族様とお話ししているし」
店に戻ると心配そうにお父さんが迎えてくれた。マリナも一緒にわたしを待っていたようだ。
「それで何の用だったんだい?」
「それがなんでも無かったんだ。チョコレートの話をしたかったみたい」
お父さんには心配させまいと半分だけ本当の事を言った。
うーん、それにしてもなんでわたしが林業師じゃ無いってバレたんだろう?
もちろん王宮にはお抱えの林業師がいると思うんだけど、わたしが何をしたかを身内以外に見せていないから比較出来ないとも思うんだけどな。
ま、考えてもしょうがないよ、とにかく王族の王子様が味方のようなポジションになってくれたと喜んでおこう。
……はぁ、どうせなら弟さんを紹介してくれるともの凄い嬉しいんだけどな~。
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