劇ではいつも『木』の役だったわたしの異世界転生後の職業が『木』だった件……それでも大好きな王子様のために庶民から頑張って成り上がるもん!

ハイフィールド

文字の大きさ
46 / 127
第十一章 四国連合会議

46本目

しおりを挟む
「あれ? ボクの勘違いかな?」

 王子様のまさかの来訪とまさかの指摘にわたしは心穏やかに張られないよ……落ち着くんだよアーリャ、仮に王子様の指摘を肯定したらどうなのか?
 少なくとも第一王子様であるアレウス様は表向きは好意的。平民のしかも商人の娘の分相応な目標を聞いて馬鹿にしたり邪魔したりは考えづらい。少なくとも王家にとってメリットを提示しているわたしを無下にする事はないかと思う。

 逆に否定するとわたしへの興味が無くなるだけかな? たぶん……それならばアレウス様とは親しくなって味方になってもらった方が良いのかも?

「さすが第一王子様の慧眼に驚かされるばかりです。
 たしかにわたしは自分の力が何処までの物なのかを試したく思っていました。
 そのわかりやすい目標が貴族という事になるかも知れません」

「やっぱりそうか。面白い、ベイビーは凄く面白いよ」

「いえ、女の身で何を言っているのかと笑われるかと思います」

「たしかに王宮の頭の固い大臣なら言いそうだな~。でも能力に男女なんて関係ないのにね」

 男女平等のような発言……アレウス様はこの時代から大分進んだ考えを持っているようだ。

「本日はそれを聞くためにいらっしゃったのですか?」

「うーん、そういうわけじゃ無いけど、僕の予測が当たって良かった。将来王位を継承した時に優秀な家臣は欲しいからね。そこに性別が理由で能力ある者がないがしろにされるのは避けたいんだ」

 うーん、アレウス様ってたしか13だか14歳くらいだよね? わたしは前世補正があるからだけど、年齢にしては賢すぎない? もしくはこれが王族の教育なのかもしれないね。

「気にかけて頂いてありがとうございます。わたしもアレウス様に負けぬよう頑張りたいと思います」

「う~んお堅いね~。こういう人目の無い場ではベイビーはもっと気軽に接して欲しいな」

「ど、努力します」

 第一王子様が仲良くしてくれるのは良いんだけど、あまり仲良くしすぎると周りにあらぬ誤解を与える可能性があるからあくまで控えめに接します。


 それからアレウス様とお喋りしながら新作のチョコレートを試食してもらったりして時間は過ぎていった。


「今日は楽しかったよベイビー。時間を忘れて話してしまった」

 微妙に地味な装飾の馬車が店の前に止まっている……お見送りの時間だ。

「わたしにとっても、とても楽しい時間でした。また機会があればいらして下さい」

 社交辞令ですよ~本当に来ないで欲しいなぁ。

「ははは、それは嬉しいな。それじゃあそろそろ帰らないと城の者も心配してしまうな」

「お気を付けて下さいね」

「ありがとう……あ、そうだ……」

 何かに気付いたようにアレウスさまがわたしに顔を寄せてくる……え、なに?

………………………………………………………………………………僕を信頼してくれたらベイビーの本当のギフトジョブを教えて

「え?」

「それじゃあベイビーまた会おうね」

 呆然としたわたしを置き去りにしてアレウス様は馬車に乗り込んでいった。思考停止してしまったわたしが我に返ったのは馬車が見えなくなった後だった。



「アーリャ、大丈夫だったか? 何か無礼を働いたりはしなかったかい?」

「だいじょぶだよお父さん、わたしも何度か貴族様とお話ししているし」

 店に戻ると心配そうにお父さんが迎えてくれた。マリナも一緒にわたしを待っていたようだ。

「それで何の用だったんだい?」

「それがなんでも無かったんだ。チョコレートの話をしたかったみたい」

 お父さんには心配させまいと半分だけ本当の事を言った。

 うーん、それにしてもなんでわたしが林業師じゃ無いってバレたんだろう?
 もちろん王宮にはお抱えの林業師がいると思うんだけど、わたしが何をしたかを身内以外に見せていないから比較出来ないとも思うんだけどな。
 ま、考えてもしょうがないよ、とにかく王族の王子様が味方のようなポジションになってくれたと喜んでおこう。



 ……はぁ、どうせなら弟さんを紹介してくれるともの凄い嬉しいんだけどな~。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

処理中です...