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第十一章 四国連合会議
48本目
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突然のアレウス様ご訪問のあとも、ちょいちょいお店にやって来るようになった。ちょっと、王子様って暇なの? 王都とこの街の距離は2~3日くらいあるよね?
わたしも開き直ってさりげなく第二王子の事を聞いたりしたんだけど、聞き方が遠回り過ぎたのか良い情報を得る事は出来なかった。
「もう、何でガート堅いんだろう……はっ、もしかして大事な弟に悪い虫が付かないように警戒されているの?」
わたしって無害な女の子だと思うんだけどなぁ。やっぱり商人って印象良くないのかな……でもわたしには今の所、商人しかまーくにん近づく手段が無いんだもん。このまま進み続けるしか無いよ!
そして『四国連合会議』の為に王都へ旅立つ日がやって来ました……あ、わたしは会議に参加するわけじゃ無いよ。
知っているかもしれないけど、会議後の交流会に出すスィーツを提供しているだけで、本命は開催日と同時にオープンするカフェの最終調整に向かうんだ。
「お嬢、準備が出来ていますよ」
「うん、いま行くね」
マリナを伴って向かった先はお店入り口、そして既に馬車が待ち構えている。馬車の前にはお馴染みで幼馴染みの護衛ドランとケニーとお目付役のオーレスさん。
「今度こそ王都の強い奴に会いに行く」
どこの格闘家なの? お願いだから目的忘れないでね。
「知力を下げるデバフの魔法を覚えたんです。かけた相手は数字を数える時に3と3の倍数の時に凄い事になります」
どこの芸人さんなの? お願いだからわたしにはかけないでね。
「今回もご依頼ありがとうございます。お陰でこいつらの評価も良い感じですよ」
オーレスさんの言った評価についてだけど、ギルドに依頼を出すと一緒に評価スタンプを渡される。
それを依頼終了時に完了証明として依頼書に押すのだけど、わたしはいつも最高の評価『たいへんよくできました』を押している。
ちなみに評価は4段階あって『たいへんよくできました』→『よくできました』→『もうすこしがんばりましょう』→『がんばりましょう』と、評価が下がっていく。
だからみんな依頼主から『たいへんよくできました』スタンプを貰えるように頑張るんだよ……って、嘘じゃないからね、本当にそのシステムなんだから。
「お前達、今日も『たいへんよくできました』を貰う為に頑張るんだぞ」
「まかせておけ、俺はいつもたいへんよくできているぜ!!」
「僕ががんばりましょう等と言われる事はあり得ません」
ほら、本当でしょう? でも、みんな真顔で言っているから、いつも笑いを堪えるのに必死になっちゃうんだよ。
そんな感じで挨拶が終わるとわたし達は馬車に乗り込んだ。
門を抜けるのに少し並んでいる……やっぱり王都へ向かう馬車は多い。会議に関係ない庶民の人達にとってはお祭りのようなものだ。
他国からの旅行客で賑わい、一般市民は純粋に祭りを楽しみ、商人はここぞとばかりに商売に精を出す。職人は自分の技術を他国の人に見せつける為に奮闘する。
戦争の無い平和な世界だからこそのイベントと言えるよね。異世界転生で平和な世界にこれて良かった。今にしてみれば神様に感謝してもいいくらいだよ。あとはまーくんと再会できれば言う事無いんだけどな~かみさま。
「お嬢、どうしてお空をチラッ、チラッっと見ているんですか? 普通に見れば良いじゃないですか」
「……なんでもないから気にしないで」
どうしてマリナは変な事を考えている時に適確にツッコミを入れてくるんだろう? もしかしてわたしの心を読んでるの?
ともあれ、神頼みが当てに出来ないからわたし自身が頑張って目的を達成しないとね。
……こうして馬車はゆっくりと王都に向けて走り出すのでした。
わたしも開き直ってさりげなく第二王子の事を聞いたりしたんだけど、聞き方が遠回り過ぎたのか良い情報を得る事は出来なかった。
「もう、何でガート堅いんだろう……はっ、もしかして大事な弟に悪い虫が付かないように警戒されているの?」
わたしって無害な女の子だと思うんだけどなぁ。やっぱり商人って印象良くないのかな……でもわたしには今の所、商人しかまーくにん近づく手段が無いんだもん。このまま進み続けるしか無いよ!
そして『四国連合会議』の為に王都へ旅立つ日がやって来ました……あ、わたしは会議に参加するわけじゃ無いよ。
知っているかもしれないけど、会議後の交流会に出すスィーツを提供しているだけで、本命は開催日と同時にオープンするカフェの最終調整に向かうんだ。
「お嬢、準備が出来ていますよ」
「うん、いま行くね」
マリナを伴って向かった先はお店入り口、そして既に馬車が待ち構えている。馬車の前にはお馴染みで幼馴染みの護衛ドランとケニーとお目付役のオーレスさん。
「今度こそ王都の強い奴に会いに行く」
どこの格闘家なの? お願いだから目的忘れないでね。
「知力を下げるデバフの魔法を覚えたんです。かけた相手は数字を数える時に3と3の倍数の時に凄い事になります」
どこの芸人さんなの? お願いだからわたしにはかけないでね。
「今回もご依頼ありがとうございます。お陰でこいつらの評価も良い感じですよ」
オーレスさんの言った評価についてだけど、ギルドに依頼を出すと一緒に評価スタンプを渡される。
それを依頼終了時に完了証明として依頼書に押すのだけど、わたしはいつも最高の評価『たいへんよくできました』を押している。
ちなみに評価は4段階あって『たいへんよくできました』→『よくできました』→『もうすこしがんばりましょう』→『がんばりましょう』と、評価が下がっていく。
だからみんな依頼主から『たいへんよくできました』スタンプを貰えるように頑張るんだよ……って、嘘じゃないからね、本当にそのシステムなんだから。
「お前達、今日も『たいへんよくできました』を貰う為に頑張るんだぞ」
「まかせておけ、俺はいつもたいへんよくできているぜ!!」
「僕ががんばりましょう等と言われる事はあり得ません」
ほら、本当でしょう? でも、みんな真顔で言っているから、いつも笑いを堪えるのに必死になっちゃうんだよ。
そんな感じで挨拶が終わるとわたし達は馬車に乗り込んだ。
門を抜けるのに少し並んでいる……やっぱり王都へ向かう馬車は多い。会議に関係ない庶民の人達にとってはお祭りのようなものだ。
他国からの旅行客で賑わい、一般市民は純粋に祭りを楽しみ、商人はここぞとばかりに商売に精を出す。職人は自分の技術を他国の人に見せつける為に奮闘する。
戦争の無い平和な世界だからこそのイベントと言えるよね。異世界転生で平和な世界にこれて良かった。今にしてみれば神様に感謝してもいいくらいだよ。あとはまーくんと再会できれば言う事無いんだけどな~かみさま。
「お嬢、どうしてお空をチラッ、チラッっと見ているんですか? 普通に見れば良いじゃないですか」
「……なんでもないから気にしないで」
どうしてマリナは変な事を考えている時に適確にツッコミを入れてくるんだろう? もしかしてわたしの心を読んでるの?
ともあれ、神頼みが当てに出来ないからわたし自身が頑張って目的を達成しないとね。
……こうして馬車はゆっくりと王都に向けて走り出すのでした。
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