劇ではいつも『木』の役だったわたしの異世界転生後の職業が『木』だった件……それでも大好きな王子様のために庶民から頑張って成り上がるもん!

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第十一章 四国連合会議

53本目

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「やぁベイビー、お店も繁盛しているようで何よりだよ」

「アレゥ……護衛も無しでお一人で何しているんですか」

 十六の鐘が鳴り終わってしばらく、ようやくピークタイムが終わってお店の中も一息というタイミング。
 わたしを訪ねてきた怪しい人物がいるとの事でフロアに出てみればまさかの第一王子アレウス様でした。

 一応変装しているみたいだけど変なかぶり物で変な服を着て、前世で見たアニメ『ミニまるかちゃん』のお釜の中からブワっと出てくるイカサマおじさんみたいな格好だ。まさかこの世界で変装する時はこれが常識じゃないよね?
 あと花々輪くんみたいな喋り方やイカサマおじさんとか、まるかちゃん繋がりを狙っているんじゃないよね?

 しかもなんで一階の庶民フロアの方に来るかなぁ……あ、でもこの格好で二階の裕福層フロアに来られてもこまっちゃうか~。

「心配かけてしまったかなベイビー、でも周りにわからないよう護衛の者はちゃんといるからね」

 いったい何処にいるのか、わたしにはわからないけど安全については問題ないみたい。
 とりあえずフロアは空いているし、護衛の方もいるようなのでこのままお話をする事にした。

「それで、今日はどのようなご用件でしょうか?」

「ベイビーは相変わらずお堅いねぇ~。もちろん『四カ国連合会議』……の後の交流会についてだよ」

「それは聞きたいです!」

 会議に関してはちっとも興味ないけど、交流会で出したわたしのスィーツの評判は聞きたいもんね。わたしの反応を見たアレウス様は満足そうに交流会の様子を教えてくれた。

「結果的に言えば大勝利だね。余所の国に誇れる文化を見せる事が出来てとても誇らしかったよ……本当にありがとうベイビー」

 やった! どうやら文化交流に大いに貢献出来たみたい。わたしの野望は着実に歩みを進めているんだね!

 会議に参加した四カ国全部が自国に欲しいと言ってきたとか。そのうち正式な交渉を王家を通して行うから準備をしておくようにお願いされた。

 チョコレートはもちろんマスカットタルトなどのスィーツの評判はよかったし、あとは木製食器ももの凄く驚かれていたようだ。こちらも大量の輸出の可能性があるらしい。

 よーし、頑張っちゃうよ~! あ、肝心な事を確認しておかないと!

「とことで……アレウスさまのご家族……他の王族の方の評判はどうでした? チョコレートが嫌いな方はいないと思うんですけど(異論は認めます)」

「そうだね、マイシスターはもの凄く喜んでいたよ。新作も是非とも食べたいと力説していたよ」

 妹さん……王女様は喜んでくれたみたいでよかった。それでまーくんさんは? それが大事ですよ!

「そうですか……他には?」

「マイファーザーもマイマザーも美味しさに驚いていたね。ファーザーは仕事の合間に食べるとリラックス出来ると言っていたし、マザーもお茶会には必ず出したいと言っていた」

 ちょっと、わざと!? わざとまーくんを外してない? 実は仲が悪いとかないよね!?

「そ、そうですか……それで他には?」

「あぁ、あとは……」

 その時、アレウスさまの元に誰かがやって来ると「ご無礼致します」と耳打ちをする。それを聞いたアレウス様の顔から血の気が引いたように表情が冷たくなった。

「ベイビーすまない、急用が出来てしまった……この埋め合わせは必ず……」

 そう言い残してアレウス様は店を出て行ってしまった。一体何があったのだろう? わたしはえも言えない胸騒ぎを感じた。



 ……そして数日後、王都である噂が流れた……第二王子様が誘拐されたと。
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