54 / 127
第十二章 あなたを探して……
54本目
しおりを挟む
まーくんが攫われた!?
わたしは第二の人生で二番目の衝撃を受けた。気が動転しながらも何をやるべきかはすぐに思い浮かび、急いでドロシー様へ先触れを出して会いに行った。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
「情報規制は敷かれていても王家が必死に捜索をしていますから、情報は漏れてしまったんです」
「それじゃあ噂は真実だったんですね」
わたしはドロシー様に会うとすぐに噂の真相を確認した。本来なら庶民である私に教える事は出来ない情報なのだが、これまでの信頼と実績で話してくれた。
各貴族にも自分の領地を通行する馬車を念入りに調査するよう王家からの通達があったようだ。
「アーリャさんはこの情報を聞いて一体どうされるおつもりですか?」
「それは……」
どう説明すれば良いんだろう? まさか前世の話をするわけにはいかない。ここは成り上がりたいと説明している通り初志貫徹な理由ならおかしくも無いはず?
「もちろん王家の方々をお助けする事によってわたしの評価は更に高まるからです」
「……そうでしたね。でもあなたを見るとそれだけじゃ無いように見えます。いつかそれを教えてくれる日が来る事を願っていますね」
「ドロシー様」
ううっ、嘘をついているわけじゃ無いけれど何だか後ろめたいよ~。前世なんて突拍子も無い話、いつか出来る日が来るのかな? わたしがドロシー様と同じ貴族の立場になったら話してもよいのかな? ううん、未来の話より今はまーくんを探さなきゃ!
そもそもまーくんがいなきゃ貴族になる意味なんか……生きていく意味なんか無いよ!!
「私の領地を通る馬車は全てどのような身分であろうと中を確認しています……今の所は見つかっていません」
今は戦争が無いとは言え街道沿いを外れるのは危険だ。道なき道を行けば馬車の通行もままならない所もあるし何より魔物もいる。魔物はいくら倒しても自然と湧いてきてしまう。
馬車を使わないと言う方法は……それも難しいはず。誘拐犯が何人かわからないけれど、子供を逃げられないように拘束しつつ馬に二人乗りで走るのは目立つから人目のある街を出る前に目撃者がいるはずだ。だから目隠しになる馬車を使わない移動方法は考えられない。
もうどうしたら良いのかわかんない、わたしのまーくんを何で攫うの!!
「……そもそもどうして第二王子様が攫われてしまったのでしょうか?」
「それは……」
そうだよ、どうして危険を冒してまでまーくんを攫うの? わたしも一時誘拐を恐れていた事があったけど、わたしはギフトジョブが……
「……第二王子様のギフトジョブが危険を冒してまで欲しいものなのですか?」
「アーリャさん、あなたという人は……隠しても何 れは真実に辿り着いてしまいそうですね」
どうやらわたしの考えは的を得たようだ。よし、ドロシー様の話を聞こう。
「これは貴族でも侯爵家クラスの者しか知り得ぬ事ですが……第二王子マクシス様のギフトジョブは……ミシェル・ド・ノートルダムというらしいです」
「……はい?」
誰? 外人さん? やっぱり異世界転生した人のジョブは意味不明すぎるよ!!
「なにせ初めてのギフトジョブなので当初は可能な限り過去を遡ってジョブの考察がされたようですが見つからなかったそうです」
「そうですか……それで、ジョブの能力もわからず終いなのですか?」
「いえ、おそらく未来予知のような能力みたいです。未来の出来事を何度か言い当てているらしいのです」
「未来を……まるで予言者みたいですね……ん? 予言!?」
あ、思い出したよ、ミシェルなんちゃらって確かノストラダムスの本名じゃ無かったっけ?
もうあやふやだから覚えていないけど前世でまーくんたらノストラダムスの予言が好きで、しょっちゅう「な、なんだってー!?」とか言ってた気がする。
あれ、それはノストラダムスじゃないっけ? とにかく、まーくんのジョブの能力はたぶん予言……それで、その能力を欲しがっている人が誘拐した?
「予言のお陰で王家に恩恵があったりしたんですか?」
「森の大火災を止めたり、雨期のシーズンに川の氾濫を防いだりしたと聞いています。あと……」
「あと?」
「アーリャさんと王家を繋ぐ切っ掛け……サクラの木の実物を見る前に決めたそうです。そのお陰で文化交流で大きな利益となりました」
「……!?」
最初からまーくんがわたしと繋がる思い出……桜の木を見つけてくれたんだ。まーくんのギフトジョブでわたし達は繋がったんだ!!
そう思った途端にわたしの胸は一杯になって涙がこみ上げそうになってきた。でもだめ、まだだめだ。
……わたし、絶対にまーくんを見つけてみせるんだから!!!
わたしは第二の人生で二番目の衝撃を受けた。気が動転しながらも何をやるべきかはすぐに思い浮かび、急いでドロシー様へ先触れを出して会いに行った。
□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □
「情報規制は敷かれていても王家が必死に捜索をしていますから、情報は漏れてしまったんです」
「それじゃあ噂は真実だったんですね」
わたしはドロシー様に会うとすぐに噂の真相を確認した。本来なら庶民である私に教える事は出来ない情報なのだが、これまでの信頼と実績で話してくれた。
各貴族にも自分の領地を通行する馬車を念入りに調査するよう王家からの通達があったようだ。
「アーリャさんはこの情報を聞いて一体どうされるおつもりですか?」
「それは……」
どう説明すれば良いんだろう? まさか前世の話をするわけにはいかない。ここは成り上がりたいと説明している通り初志貫徹な理由ならおかしくも無いはず?
「もちろん王家の方々をお助けする事によってわたしの評価は更に高まるからです」
「……そうでしたね。でもあなたを見るとそれだけじゃ無いように見えます。いつかそれを教えてくれる日が来る事を願っていますね」
「ドロシー様」
ううっ、嘘をついているわけじゃ無いけれど何だか後ろめたいよ~。前世なんて突拍子も無い話、いつか出来る日が来るのかな? わたしがドロシー様と同じ貴族の立場になったら話してもよいのかな? ううん、未来の話より今はまーくんを探さなきゃ!
そもそもまーくんがいなきゃ貴族になる意味なんか……生きていく意味なんか無いよ!!
「私の領地を通る馬車は全てどのような身分であろうと中を確認しています……今の所は見つかっていません」
今は戦争が無いとは言え街道沿いを外れるのは危険だ。道なき道を行けば馬車の通行もままならない所もあるし何より魔物もいる。魔物はいくら倒しても自然と湧いてきてしまう。
馬車を使わないと言う方法は……それも難しいはず。誘拐犯が何人かわからないけれど、子供を逃げられないように拘束しつつ馬に二人乗りで走るのは目立つから人目のある街を出る前に目撃者がいるはずだ。だから目隠しになる馬車を使わない移動方法は考えられない。
もうどうしたら良いのかわかんない、わたしのまーくんを何で攫うの!!
「……そもそもどうして第二王子様が攫われてしまったのでしょうか?」
「それは……」
そうだよ、どうして危険を冒してまでまーくんを攫うの? わたしも一時誘拐を恐れていた事があったけど、わたしはギフトジョブが……
「……第二王子様のギフトジョブが危険を冒してまで欲しいものなのですか?」
「アーリャさん、あなたという人は……隠しても何 れは真実に辿り着いてしまいそうですね」
どうやらわたしの考えは的を得たようだ。よし、ドロシー様の話を聞こう。
「これは貴族でも侯爵家クラスの者しか知り得ぬ事ですが……第二王子マクシス様のギフトジョブは……ミシェル・ド・ノートルダムというらしいです」
「……はい?」
誰? 外人さん? やっぱり異世界転生した人のジョブは意味不明すぎるよ!!
「なにせ初めてのギフトジョブなので当初は可能な限り過去を遡ってジョブの考察がされたようですが見つからなかったそうです」
「そうですか……それで、ジョブの能力もわからず終いなのですか?」
「いえ、おそらく未来予知のような能力みたいです。未来の出来事を何度か言い当てているらしいのです」
「未来を……まるで予言者みたいですね……ん? 予言!?」
あ、思い出したよ、ミシェルなんちゃらって確かノストラダムスの本名じゃ無かったっけ?
もうあやふやだから覚えていないけど前世でまーくんたらノストラダムスの予言が好きで、しょっちゅう「な、なんだってー!?」とか言ってた気がする。
あれ、それはノストラダムスじゃないっけ? とにかく、まーくんのジョブの能力はたぶん予言……それで、その能力を欲しがっている人が誘拐した?
「予言のお陰で王家に恩恵があったりしたんですか?」
「森の大火災を止めたり、雨期のシーズンに川の氾濫を防いだりしたと聞いています。あと……」
「あと?」
「アーリャさんと王家を繋ぐ切っ掛け……サクラの木の実物を見る前に決めたそうです。そのお陰で文化交流で大きな利益となりました」
「……!?」
最初からまーくんがわたしと繋がる思い出……桜の木を見つけてくれたんだ。まーくんのギフトジョブでわたし達は繋がったんだ!!
そう思った途端にわたしの胸は一杯になって涙がこみ上げそうになってきた。でもだめ、まだだめだ。
……わたし、絶対にまーくんを見つけてみせるんだから!!!
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる