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第十三章 対決
64本目
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「お嬢、検問です……どうしますか?」
「あれ? わたし寝ちゃってた?」
どうやらWPを沢山使って無茶もしたせいで寝てしまっていたみたい。また懐かしい夢を見ていた気がするよ。
目の前の席でまーくんは未だに目覚める事無く横になっている。検問はアルダーク領手前に敷かれていて行きにも通った場所だ……その時は馬車を存分に確認してもらって問題なく通り抜けた。
もっとも王都から出る馬車のチェックが厳しかったけど反対側のチェックはそれほどでも無いみたい。
さて、どうしよう?
行きと違って社内にはまーくんがいるし、連結馬車には拘束された誘拐犯もいる。 素直に第二王子様を救出したという報告をしても良いんだけど間に変に人を挟んで話がおかしな話になるのも嫌だよね。ちゃんと手柄が欲しいというよりも、まーくんと確実に接触を持てる状況を作る為に、わたし自身でまーくんを送り届けないといけない。
さぁて、一介の商人と侮られるわけにはいかないし、ここは持つべき物は権力だよね。
やがてわたし達の馬車の順番となり武器を構えた兵士がやってくる。反対方面は4~5人の兵士で馬車をチェックしているのに対してこちらには一人しか来ていない。
オーレスさんが馬車を止めると御者席の窓からこちらを見てどうするか目で訴えてきた。わたしはそのまま自分の胸を叩いてコクリと頷いた。
わたしが対応しますという意思表示が伝わったようでオーレスさんが馬車側を指さすと、兵士はこちらに向かってやって来た。
「王命で馬車の中を改めさせてもらいます」
「ご苦労様です、その前に大事な話があるので責任者の方を呼んでもらえますか?」
兵士さんはいきなり子供のわたしが出てきて怪訝そうな顔を見せたけど、シャリーナ家の紋章の入った筒状の文箱を見せると急いでテントの方へ走っていった。しばらくしして隊長さんっぽい人がやって来きた。
「わたしがここの責任者ですがあなた方は一体……」
「わたしは侯爵家であらせられるシャリーナ様から密命を受けて大至急王都に戻らねばなりません」
そういって文箱を渡すと隊長さんはそれを見てギョッとする。
「これは確かに侯爵家の紋章……蝋印がありますが……」
「わたしの身を証明する必要がある時にその者に見せよと頂いている物です」
「わかりました、拝見致します」
侯爵家が後ろに着いているとわかった途端に隊長さんの口調がより丁寧な感じになった。箱の中の封書を開封すると真剣な顔で読み始める。
内容は大雑把にわたしの身元を侯爵家の名の下に保証する旨とわたしの行いに協力するように……的な事が書かれているとドロシー様から聞いているので、侯爵家と身分が同等以上の位の人でないとこれを拒む事は難しいはず。
「この検問が何のために敷かれているかわたしは知っていて、それを解決するために動いています……どうかご協力をお願いします」
「わかりました、このままお通り下さい」
よかった、問題なく進めるようだ……ここからは急いで王都に向かわないと。再び馬車は全速力で走り出し、先程よりも数が増えてきた馬車を次々と追い抜いて行く。
事故を起こすわけには行かないからどうしても行きよりは速度が遅くなる。まーくんは未だに起きる様子を見せない。
できれば王都に着く前にひと目でもわたしを見て欲しい……でも、もしまーくんが目覚めてわたしが亜里奈だとわからなかったらと思うととても怖い。
わたしが一方的に第二王子様であるマクシス様にまーくんの面影を見て盛り上がっているだけなのかもしれない。
まーくんが目を覚まして欲しい気持ちと怖い気持ちがせめぎ合っている。
……そんなわたしの気持ちなど構いもせずに馬車は走り続け、やがて街道の向こうに王都の門が見えてきたのだった。
「あれ? わたし寝ちゃってた?」
どうやらWPを沢山使って無茶もしたせいで寝てしまっていたみたい。また懐かしい夢を見ていた気がするよ。
目の前の席でまーくんは未だに目覚める事無く横になっている。検問はアルダーク領手前に敷かれていて行きにも通った場所だ……その時は馬車を存分に確認してもらって問題なく通り抜けた。
もっとも王都から出る馬車のチェックが厳しかったけど反対側のチェックはそれほどでも無いみたい。
さて、どうしよう?
行きと違って社内にはまーくんがいるし、連結馬車には拘束された誘拐犯もいる。 素直に第二王子様を救出したという報告をしても良いんだけど間に変に人を挟んで話がおかしな話になるのも嫌だよね。ちゃんと手柄が欲しいというよりも、まーくんと確実に接触を持てる状況を作る為に、わたし自身でまーくんを送り届けないといけない。
さぁて、一介の商人と侮られるわけにはいかないし、ここは持つべき物は権力だよね。
やがてわたし達の馬車の順番となり武器を構えた兵士がやってくる。反対方面は4~5人の兵士で馬車をチェックしているのに対してこちらには一人しか来ていない。
オーレスさんが馬車を止めると御者席の窓からこちらを見てどうするか目で訴えてきた。わたしはそのまま自分の胸を叩いてコクリと頷いた。
わたしが対応しますという意思表示が伝わったようでオーレスさんが馬車側を指さすと、兵士はこちらに向かってやって来た。
「王命で馬車の中を改めさせてもらいます」
「ご苦労様です、その前に大事な話があるので責任者の方を呼んでもらえますか?」
兵士さんはいきなり子供のわたしが出てきて怪訝そうな顔を見せたけど、シャリーナ家の紋章の入った筒状の文箱を見せると急いでテントの方へ走っていった。しばらくしして隊長さんっぽい人がやって来きた。
「わたしがここの責任者ですがあなた方は一体……」
「わたしは侯爵家であらせられるシャリーナ様から密命を受けて大至急王都に戻らねばなりません」
そういって文箱を渡すと隊長さんはそれを見てギョッとする。
「これは確かに侯爵家の紋章……蝋印がありますが……」
「わたしの身を証明する必要がある時にその者に見せよと頂いている物です」
「わかりました、拝見致します」
侯爵家が後ろに着いているとわかった途端に隊長さんの口調がより丁寧な感じになった。箱の中の封書を開封すると真剣な顔で読み始める。
内容は大雑把にわたしの身元を侯爵家の名の下に保証する旨とわたしの行いに協力するように……的な事が書かれているとドロシー様から聞いているので、侯爵家と身分が同等以上の位の人でないとこれを拒む事は難しいはず。
「この検問が何のために敷かれているかわたしは知っていて、それを解決するために動いています……どうかご協力をお願いします」
「わかりました、このままお通り下さい」
よかった、問題なく進めるようだ……ここからは急いで王都に向かわないと。再び馬車は全速力で走り出し、先程よりも数が増えてきた馬車を次々と追い抜いて行く。
事故を起こすわけには行かないからどうしても行きよりは速度が遅くなる。まーくんは未だに起きる様子を見せない。
できれば王都に着く前にひと目でもわたしを見て欲しい……でも、もしまーくんが目覚めてわたしが亜里奈だとわからなかったらと思うととても怖い。
わたしが一方的に第二王子様であるマクシス様にまーくんの面影を見て盛り上がっているだけなのかもしれない。
まーくんが目を覚まして欲しい気持ちと怖い気持ちがせめぎ合っている。
……そんなわたしの気持ちなど構いもせずに馬車は走り続け、やがて街道の向こうに王都の門が見えてきたのだった。
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