劇ではいつも『木』の役だったわたしの異世界転生後の職業が『木』だった件……それでも大好きな王子様のために庶民から頑張って成り上がるもん!

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第十三章 対決

65本目

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 王都の門で先程の検問と似たようなやりとりがあり、わたし達の馬車は街中を走っている。
 先程の検問の時と違う所は、先触れの馬が王城に先行して行き、わたし達の馬車を騎兵が守るように併走しているって事。

 まーくんは未だに目覚めない。さっきまで怖かったはずなのに今は目覚めて欲しいといおう気持ちが強くなっている。

 目の前にだいすきなあなたがいるのに、あなたはわたしに気付かない。

 わたしはこみ上げてくる涙を堪える。だって今はお城へ連れて行く方が先だ。ケニーの魔法で身体の怪我は治っているのに目覚めないのはさすがにおかしい。
 もしかしたら他の原因があるかも知れないとケニーも言っている。

 わたしの気持ちよりまーくんの身体の方が大事だよ。

 やがて王城に着くと兵士や神官のような格好の人達が馬車の前に待機していた。扉を開けると眠っているまーくんを抱きかかえて運んでいった。その時に何かまーくんの服から落ちたがみんな気付かなかったようだ。わたしはに気付いてビックリしてしまった。

「其方達には話を聞かねばならない、ご同行願う」

 騎士団長さんかな? 立派なお髭を生やした鎧の騎士さんがわたし達を呼んでいる。わたしは咄嗟にまーくんの落とした物を拾って騎士さんについて王城へ歩いて行った。


□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □


「すると其方達はアルダーク領までこの短い日数で追いついてマクシス様をお助けしたと?」

「はい、それは捕らえた誘拐犯の方にお話を聞いて頂ければわかるかと思います」

「今、魔道具を使って自白させている。しかし馬車を長時間全力疾走させる魔道具があったとは……シャリーナ家はそのような物を……」

 とりあえず無茶な追跡が出来た理由をシャリーナ家のお陰にしてしまった。ううっ、ドロシー様ごめんなさい、どうか王家から問われても上手く誤魔化しておいて下さい。


「何にせよ其方達の此度の行いに王家は相応の礼を以て遇するだろう」

「王国の国民として当然の事をしたまでです」

「……しかし、其方は年の割にずいぶんしっかりしているな」

「……はい、恐縮です」

 久しぶりに年齢不相応ムーブしちゃったかな? でも今回はそんな事を言っていられなかったから仕方がないよね……問題なしと見なされてお話は終了となりそのまま帰る事になりました。


 兵士さんに先導されてお城の出口に向かう途中……

「ベイビー!!」

 突然、聞き覚えのある声が聞こえたと思うとギュッと抱きしめられる。

「ふ、ふわわわわっ!?」

「おっと、失礼した、つい感激のあまり不躾な真似をしてしまったね」

 特徴的な喋り方の第一王子様アレウス様だった。抱擁は解いたけどわたしの両手をギュッと握ったままだ。

「ベイビー、本当にマイブラザーを助けてくれてありがとう。よく見つけてくれて、そしてここに連れてきてくれたよ」

「と、当然の事をしたまでです」

「このお礼は必ずするからね……もちろん王家からのとは別に個人的にだよ」

「ありがとうございます」

 凄い勢いで捲し立てられていく。そしてあっという間にお礼を言って去って行ってしまった。

「いつも嵐のように現れて去って行くお人ですよね」

「そうだね」

 わたし達は悠々と去って行く背中を見送った。


□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □


「お嬢、今日は明らかに無理をしたんですからしっかりと休んで下さいね」

「うん、わかった。心配かけてごめんね」

 それから馬車でスィーツカフェに到着して長い一日の終わりが見え始めてきたのでした。

「それでは私達は1度ギルドへ行ってきますので」

「アーリャ、しっかり休めよ」

「もしも辛かったら僕が回復してあげますから」

「うん、ありがとう」

 オーレスさんら冒険者組はギルドへ向かうと言う事で解散となった。わたしは自室に戻りベッドに座った。今日はだいぶWPウッドポイントを消費したのでまた明日から【光合成】しないといけないなぁ~。

 そして思い出したようにわたしはスカートのポケットからを取り出した。は手紙だった。



 ……手紙には日本語で『あーちゃんへ』と書かれていた。
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