117 / 127
第二十章 悪役令嬢VS悪役令嬢!?
117本目
しおりを挟む
「「はぁはぁはぁ」」
「大丈夫ですかアーリャさん?」
「キャレル、凄い汗だぞ?」
わたし達二人は授業が始まる前だと言うのに疲れ切ってしまっていた。わたしは孔雀の、キャレルさんは金箔の扇を使って汗を少しでも引かせようとパタパタ扇いだ。
「あ、あんた……こんなにしつこくして……はぁはぁ……見苦しすぎるわよ……」
「はぁはぁ……あら言葉遣いが庶民丸出しですよ……貴族学部に来る前に礼儀のお勉強をするべきではないですか? はぁはぁ……」
「アーリャさん、授業始まるわ」
わたし達は一時休戦となり授業が始まった。教師が拡声の魔道具を使って講堂の後ろにもしっかりと声が届く。
「それでは教科書の三ページ目を開くように……」
既にこの教室の生徒達は全員教科書を所持しているみたい……あ、全員じゃ無かった。
「マクシス様~、私、貴族学部の授業が初めてなので教科書が無いんです。見せて頂いて宜しいですか~?」
「なっ!?」
「もちろんだ、もう少しこちらへ……」
キャレルさんはなんと、教科書持っていないから意中の相手に寄り添って見せてもらおう作戦を実行しようとしている。なんて恥知らずな!! そんな見え透いた浅ましい作戦でまーくんの気を引こうなんて言語道断……なんかブーメラン的な何かがわたしに返ってきた様な気がするけどそれは無視して……わたしは即座に教科書を『複製』した。
ドン!!
まーくんとキャレルの間に本の山が置かれた。
「親切なわたしはキャレルさんのために教科書を用意して差し上げました……どうぞ、この学年の全ての教科書がありますのでお使い下さい。存分に感謝してくれても良いですよ」
「ちょっと、さっきまでこんな物持っていなかったじゃ無い!!」
「そうか、さすがアーリャは用意が良いな。良かったなキャレル」
……あれ? まーくんの『相棒』の効果が切れている? よくわからないけれどラッキー。
「わ、わかりました、アーリャさんあり、あり、ありが……とうございます」
凄い不本意な感じでお礼を言ってくるキャレルさん。教科書を手に取ると一枚の紙がはらりと落ちる。
「これは何ですか?」
「請求書です」
「お金取るの!?」
「当たり前じゃ無いですか。この講堂の生徒も学院で教科書を使っている生徒の方はみんな教材費を払っていますよ? まさか公爵令嬢であらせられるキャレルさんが払えないわけ無いですよね?」
「くっ、あとでちゃんと払うわ」
「それは良かったです」
「あー、もう授業初めて良いか?」
よし、先生には注意されたけど『教科書無いから二人で仲良くひとつの教科書でラブラブ作戦』を潰す事が出来た。これは快挙だよ。だけどまだ油断禁物……泥棒猫なキャレルさんはどんどんまーくんにアプローチをかけてくるに違いないよ。
わたしの予想通りキャレルさんは些細な切っ掛けからもまーくんに近づこうとしてきた。そうはさせないから!!
「マクシス様ここがわからな……」
「ここは五代目の王が作られた法令ですよ」
「あんたには聞いていないわよ」
「マクシス様、ここを見て欲し……」
「あらごめんなさい、ペンが落ちてしまいました」
「なんでこっち側に落ちるのよ!! やだ、インクが飛んでるじゃ無い!!」
「あの、マクシス様……「はいはい先生!! そこの答えはマクシミリアン伯爵が広めたものです!!」」
「アーリャさん、これは別に生徒に回答を求めていないからね」
「くっ……」
今日一日、とにかくわたしはキャレルさんがまーくんに近づこうとした途端ありとあらゆる方法で妨害を行った。やっぱり戦いは相手の背後を取るのが基本だよね。
後ろから観察していて分かったんだけど、キャレルさんのギフトジョブ『相棒』は相手の目を見つめる事で発動するみたい……おそらく五秒くらいだと思う……そしてまーくんは転生者だからなのかすぐにその効果が切れているようで、その度に気付いたキャレルさんが『相棒』を掛け直そうとしているのが分かった。
ふふ、お馬鹿なキャレルさん……今日は自重して能力を見せるべきでは無かったと思うよ。
……こうしてわたしとキャレルさんの戦いは再び始まったのでした。
「大丈夫ですかアーリャさん?」
「キャレル、凄い汗だぞ?」
わたし達二人は授業が始まる前だと言うのに疲れ切ってしまっていた。わたしは孔雀の、キャレルさんは金箔の扇を使って汗を少しでも引かせようとパタパタ扇いだ。
「あ、あんた……こんなにしつこくして……はぁはぁ……見苦しすぎるわよ……」
「はぁはぁ……あら言葉遣いが庶民丸出しですよ……貴族学部に来る前に礼儀のお勉強をするべきではないですか? はぁはぁ……」
「アーリャさん、授業始まるわ」
わたし達は一時休戦となり授業が始まった。教師が拡声の魔道具を使って講堂の後ろにもしっかりと声が届く。
「それでは教科書の三ページ目を開くように……」
既にこの教室の生徒達は全員教科書を所持しているみたい……あ、全員じゃ無かった。
「マクシス様~、私、貴族学部の授業が初めてなので教科書が無いんです。見せて頂いて宜しいですか~?」
「なっ!?」
「もちろんだ、もう少しこちらへ……」
キャレルさんはなんと、教科書持っていないから意中の相手に寄り添って見せてもらおう作戦を実行しようとしている。なんて恥知らずな!! そんな見え透いた浅ましい作戦でまーくんの気を引こうなんて言語道断……なんかブーメラン的な何かがわたしに返ってきた様な気がするけどそれは無視して……わたしは即座に教科書を『複製』した。
ドン!!
まーくんとキャレルの間に本の山が置かれた。
「親切なわたしはキャレルさんのために教科書を用意して差し上げました……どうぞ、この学年の全ての教科書がありますのでお使い下さい。存分に感謝してくれても良いですよ」
「ちょっと、さっきまでこんな物持っていなかったじゃ無い!!」
「そうか、さすがアーリャは用意が良いな。良かったなキャレル」
……あれ? まーくんの『相棒』の効果が切れている? よくわからないけれどラッキー。
「わ、わかりました、アーリャさんあり、あり、ありが……とうございます」
凄い不本意な感じでお礼を言ってくるキャレルさん。教科書を手に取ると一枚の紙がはらりと落ちる。
「これは何ですか?」
「請求書です」
「お金取るの!?」
「当たり前じゃ無いですか。この講堂の生徒も学院で教科書を使っている生徒の方はみんな教材費を払っていますよ? まさか公爵令嬢であらせられるキャレルさんが払えないわけ無いですよね?」
「くっ、あとでちゃんと払うわ」
「それは良かったです」
「あー、もう授業初めて良いか?」
よし、先生には注意されたけど『教科書無いから二人で仲良くひとつの教科書でラブラブ作戦』を潰す事が出来た。これは快挙だよ。だけどまだ油断禁物……泥棒猫なキャレルさんはどんどんまーくんにアプローチをかけてくるに違いないよ。
わたしの予想通りキャレルさんは些細な切っ掛けからもまーくんに近づこうとしてきた。そうはさせないから!!
「マクシス様ここがわからな……」
「ここは五代目の王が作られた法令ですよ」
「あんたには聞いていないわよ」
「マクシス様、ここを見て欲し……」
「あらごめんなさい、ペンが落ちてしまいました」
「なんでこっち側に落ちるのよ!! やだ、インクが飛んでるじゃ無い!!」
「あの、マクシス様……「はいはい先生!! そこの答えはマクシミリアン伯爵が広めたものです!!」」
「アーリャさん、これは別に生徒に回答を求めていないからね」
「くっ……」
今日一日、とにかくわたしはキャレルさんがまーくんに近づこうとした途端ありとあらゆる方法で妨害を行った。やっぱり戦いは相手の背後を取るのが基本だよね。
後ろから観察していて分かったんだけど、キャレルさんのギフトジョブ『相棒』は相手の目を見つめる事で発動するみたい……おそらく五秒くらいだと思う……そしてまーくんは転生者だからなのかすぐにその効果が切れているようで、その度に気付いたキャレルさんが『相棒』を掛け直そうとしているのが分かった。
ふふ、お馬鹿なキャレルさん……今日は自重して能力を見せるべきでは無かったと思うよ。
……こうしてわたしとキャレルさんの戦いは再び始まったのでした。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
悪役令嬢は永眠しました
詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」
長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。
だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。
ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」
*思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます
山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。
でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。
それを証明すれば断罪回避できるはず。
幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。
チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。
処刑5秒前だから、今すぐに!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる