劇ではいつも『木』の役だったわたしの異世界転生後の職業が『木』だった件……それでも大好きな王子様のために庶民から頑張って成り上がるもん!

ハイフィールド

文字の大きさ
119 / 127
第二十章 悪役令嬢VS悪役令嬢!?

119本目

しおりを挟む
 いまわたしはまーくんと同じベッドの上に座っています。

 このシチュエーション何度も夢見た事か……ち、違うよ、変なのじゃなくてロマンティックなのだよ? って、わたしはいったい誰に言い訳しているんだか。

「アーリャ、落ち着いたか?」

「はい、お手数をお掛けしました」

「気にするな」

 隣に座ったままじっと見守ってくれている。う~ん前世だったら頭をなでなでくらいしてくれたんだけどね~。今は王子様だからそういうスキンシップはしないのかな?

「それにしても許せないな。あんな卑劣な真似をするなんて……同じクラスの生徒の仕業とは思いたくないが……」

「同じクラスの生徒では無いと思います。あのクラスは勉強熱心で成績優秀。その上で学院の理念を理解して身分差を拘らない人が集まったクラスだと先生に聞きました」

「確かに俺もそう聞いている……だとすると違うクラスの人間か。教室は8の鐘の時に御用掛が順番に鍵を開けていく……何そこから生徒が来るまでにやったと言う事か」

「今日一番に教室に来た方に聞いてみるしか無いですね」

「あぁ……」

「……」

「……」

 会話が止まっちゃった。どうしよう? いつもなら色々な話題が思い浮かぶのに、これじゃまるで亜里奈前世の時みたいだよ。小中学生の時は平気だったのに高校生になったくらいから言葉が出なくなっちゃったんだっけ?

「なぁ、アーリャ……君はなんで貴族になったんだ?」

「え?」

「いや、すまない、話したくなければ話さないで良いんだ。ただ、俺は記憶を失って……あまりその自覚は無いんだが、その前のアーリャを知らない」

「それは……」

 まーくんと一緒にいるため。まーくんが大好きだから……そう言えたら良いのに……言えないんけど。
 はやく思い出して欲しい、わたしを……亜里奈だったわたしと一緒にアーリャを好きになって欲しいな。

「欲しいものがあるんです。それを手に入れるためにわたしは自分の全てをかけて頑張るつもりです」

「……そうか、それは……いや、なんでもない」

 結局、誤魔化しちゃった。まーくんもそれを察したのか深く聞いてこなかった。でもいつか……いつかこの気持ちを伝えたいな。その為にもわたしは頑張らないと!
 こんな下らない嫌がらせなんかどうでもいいよ、犯人も分かりきっているし。はやく解決してまーくんの隣に並べる人間にならないと!

「マクシス様、ありがとうございました。どうか教室に戻って下さい、わたしはしばらく休んだら戻ります」

「ひとりで大丈夫か?」

「はい、マクシス様にいっぱい元気を頂きましたから」

 わたしは笑顔で両腕をグッと握って見せつけた。それを見たまーくんも一緒に笑ってくれた。

「わかった、無理するなよ? 辛かったら遠慮せず俺に頼るんだ」

「はい、ありがとうございます」

 まーくんはそのままベッドから立ち上がると力強く歩き出し扉の前でチラッとだけこちらを見ると休息室を出て行った。


 しばらく休息室に沈黙が訪れると扉からノックの音が聞こえた。部屋に入ってきたのは養護教員さんだ……わたしが潜り込ませた人だけどね。この休息室でも情報収集をしてもらっている。

「状況は分かりますか?」

「連絡を受けました……鍵を開けた物の証言はもちろん、時間外に鍵を持ち出した者がいないかの確認もしております」

「わかりました、引き続きお願いします……それではわたしは行きますね」

 わたしは休息室を出た。おそらく犯人はすぐに見つかるだろうけど当然キャレルさんでは無い。彼女がギフトジョブ『相棒』を使って生徒を操ったのは間違いないだろう。
 もちろん本当にわたしが気に入らないという生徒の可能性もゼロでは無いけど、そういう生徒は既に監視してもらっていて変な動きはしていないという報告をうけているからね。

 最近のキャレルさんは授業が終わると堂々と護衛を連れて歩くので監視が難しくなっているみたい。だけど生徒を『相棒』のスキルで操っている時点で、その人を捕らえて自白させればキャレルさんだと分かるはずだよ。さすがにこんな手を使ってきたからにはもう容赦はしないよ。



 ……そして次の日、犯人の生徒を見つけて捕まえたのだけど……神託を受けて実行したと意味の分からない事をいって黒幕を掴む事が出来なかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

処理中です...