劇ではいつも『木』の役だったわたしの異世界転生後の職業が『木』だった件……それでも大好きな王子様のために庶民から頑張って成り上がるもん!

ハイフィールド

文字の大きさ
122 / 127
第二十章 悪役令嬢VS悪役令嬢!?

122本目

しおりを挟む
 礼拝堂からアーリャが去って行ったのを女神像の目に開けられた覗き穴から確認した。

 予想外に早くここまで辿り着いたのは驚いたけれど、私を止められる理由を思いつけなくて逃げ帰っていったようね。ふん、いい気味だわ。
 ……とはいえ相変わらず頭の回る女だわ、私も慎重に動かないとまたいつ重箱の隅をつつくようなネチっこい追求を受けるかも知れないもの。

 さて、今日はここで終わりにしておこうかしら? 最近は複数の『相棒』を使えるようになった反面、能力を使うために必要なBPバディポイント……と暫定的によんでいる……の消費が大きい。BPバディポイントがゼロになると『相棒』全員の効果が解けてしまう。離れている養父達の効果が切れると面倒なので程々にいておかないといけないわ。

「やっぱりアーリャを排除してからマクシスを『相棒』にした方が良さそうね」

 せっかく侯爵の養女という立場を手に入れたのにアーリャの妨害が酷い。何故かマクシスに能力の効きが悪いのもずっと変わらずだ。こんなんじゃマクシスのハートを手に入れる事も難しいだろう。

「せっかくアーリャよりも高い地位の身分を手に入れたのに……皮肉な事に学院という場所がその身分を活かせない原因なんてね」

 今の地位を手に入れて調べたけどアーリャが王命で学院に来た事もマクシスの記憶を取り戻す協力をしている事も事実だと分かった。学院長の力を使って追い出す事が出来なかったのは本当だった。
 侯爵家の権力を使おうにも学院では難しい。なんとか学院外からアーリャの家を潰してやりたいと思ったけれど、王国はアルダーク領をアーリャが治める事に対して何かしらの意図があるようで、さすがにちょっかいを掛けると侯爵家とはいえまずいと言われている。
 せっかくの侯爵家の身分なのにこれじゃあ学院長を『相棒』にしていた時と変わらないじゃない……なんて腹立たしい!

「とにかく学院のルール内でアーリャを陥れる方法を考えないと」

 幸せな未来を手に入れるために私は作戦を練るべく帰る事にした……って、あら?

「え? なんでドアノブが動かないの?」

 ドアノブが動かないどころか扉もピクリとも動かない。まるで壁に扉の形のオブジェがあるように……まるで扉が壁その物のように動かなかった。

「ちょっと、どういう事よ!! 誰か!! ここを開けなさい!!」

 扉を一生懸命叩いたけれど手が痛くなっただけで誰も気付いてくれない。教会裏の扉に誰も立ち寄らないように雇った護衛を見張らせているはずなのに!!

「はやくここを開けなさい!! なんで気付かないの!!」


 しばらく扉と格闘しているとようやく外の護衛が気付いたようで扉を開けようとしたのだが……

「お嬢様、扉が全く動きません……道具を用意してきます」

「は、早くしなさい!!」

 ……いったい何だって言うの!? なんで扉が開かないの……それに1ミリも動かないなんて異常だ。扉が壁になった何てあり得ない。


 それから護衛が何やら四苦八苦して扉を開けようとしたけれど一向に解決出来なかった。既に1時間以上扉をハンマーか何かで殴りつける音が鳴り響いて頭がおかしくなりそうだ。
 一体何時までかかるのだろう? このままじゃご飯だって食べられないじゃない……それよりも先にもっとまずい事に気付いてしまった。

「お手洗いに行きたい……いやだ、このままだったらまずいわ。ちょっと!! 早く開けなさい!! 早くしないと全員解雇するわよ!!」

 私の切実な叫びも扉を叩く衝撃音にかき消されて伝わっていないようだ。本当になんでこんな事になったの!? まさか……これはアーリャの仕業なの!? あのこのギフトジョブでこんな事が出来るの?

 ううっ、早くしないとまずいわ!! 早くここから出して!!! 誰か助けて!!!! ああああ、はやく~~!!


□ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □ □


「お嬢、朝早くからオーレスさんから報告がありました。これを確認して下さい」

「あら、なにかしら?」

 朝、朝食を済ませて学院へ向かう前の一時、マリナからオーレスさんから受けた報告の内容が書かれたメモを確認する。

「あら大変、キャレルさんたら教会の壁を壊してしまったみたい。運悪く多数の教員に目撃されて教会の使用禁止を言い渡されたみたいね」

「運悪くではなくお嬢が教師陣へ『教会に不審者がいる』という目撃情報を教えたからでは無いのですか?」

「さぁ、どうでしょう?」

 わたしはキャレルさんが『相棒』を使って嫌がらせをしている事を実証出来なかったので、代わりに木造で出来た教会の建物を『強化』して扉を『加工』して壁と一体化させてきました……するとあら不思議、キャレルさんは教会を使う事が出来なくなりました。 



「これに懲りて悪い事をすると女神様から罰を当てられると反省してくれると良いんですけどね……まぁ、期待は出来ないかな?」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

悪役令嬢は永眠しました

詩海猫(8/29書籍発売)
ファンタジー
「お前のような女との婚約は破棄だっ、ロザリンダ・ラクシエル!だがお前のような女でも使い道はある、ジルデ公との縁談を調えてやった!感謝して公との間に沢山の子を産むがいい!」 長年の婚約者であった王太子のこの言葉に気を失った公爵令嬢・ロザリンダ。 だが、次に目覚めた時のロザリンダの魂は別人だった。 ロザリンダとして目覚めた木の葉サツキは、ロザリンダの意識がショックのあまり永遠の眠りについてしまったことを知り、「なぜロザリンダはこんなに努力してるのに周りはクズばっかりなの?まかせてロザリンダ!きっちりお返ししてあげるからね!」 *思いつきでプロットなしで書き始めましたが結末は決めています。暗い展開の話を書いているとメンタルにもろに影響して生活に支障が出ることに気付きました。定期的に強気主人公を暴れさせないと(?)書き続けるのは不可能なようなのでメンタル状態に合わせて書けるものから書いていくことにします、ご了承下さいm(_ _)m

3歳で捨てられた件

玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。 それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。 キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

断罪まであと5秒、今すぐ逆転始めます

山河 枝
ファンタジー
聖女が魔物と戦う乙女ゲーム。その聖女につかみかかったせいで処刑される令嬢アナベルに、転生してしまった。 でも私は知っている。実は、アナベルこそが本物の聖女。 それを証明すれば断罪回避できるはず。 幸い、処刑人が味方になりそうだし。モフモフ精霊たちも慕ってくれる。 チート魔法で魔物たちを一掃して、本物アピールしないと。 処刑5秒前だから、今すぐに!

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

処理中です...