劇ではいつも『木』の役だったわたしの異世界転生後の職業が『木』だった件……それでも大好きな王子様のために庶民から頑張って成り上がるもん!

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第二十章 悪役令嬢VS悪役令嬢!?

123本目

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「マクシス様、今日はわたしと一緒の席でお勉強致しましょう」

「すまない……昨日のうちにキャレルと約束をしてしまった」

「あら、大丈夫ですよ。きっと今日はキャレルさんのご都合がです」

「そうなのか? もしもそうなら構わないが……」

 朝一番、教室でまーくんとをお誘いする。チャンスは最大限に生かしていかないとね。

「ちょおおおおっっと、何勝手に私の都合を決めているの!?」

「あらキャレルさん、おはようございます」

 何やら走って来たのか少し髪が乱れていて顔にも疲れが見える気がする。昨日は大変だったのにしっかりと学院にくるなんて偉いね。

「アンタ!! 人の約束事を勝手に反故にしないでくれない」

「あら、そうなんですか? わたしはてっきり昨日の放課後に教会を破壊……」

「ちょっとっっ!! マクシス様の前で何を言う気!?」

「何をって……ただ昨日の出来事を話題に上げようとしただけですけど? 何かご都合でも悪いんですか?」

 わたしは扇を広げるとそれを優雅にあおぎながら問い返した。キャレルさんは「ぐっ」っと言葉に詰まって説明出来ないようだ。

「あら大丈夫ですか? ご気分が優れないんじゃないですか? 気分が悪すぎて万が一にでも粗そ……」

「シャラップですわよアーリャ!! 一体全体、本当にマクシス様に何を言う気なの!?」

「何をって……ただ昨日の出来事を話題に上げようとしただけですけど? 何かご都合でも悪いんですか?」

 昨日の出来事は学院の間で問題になっている。何せ生徒が教会の壁を破壊するという前代未聞の出来事だ。たとえ侯爵の養女といえど問題をもみ消す事は出来ない。

 身分が関係ないと言われる学院で行われた問題だけに止まらず、世界樹教……教会側からフォートゥレイ侯爵家に抗議が入ったようだ。
 昨日の出来事なのにどうして学院外の教会にまで話が伝わったのかは不思議だけど、きっと熱心な信者がその場にいて情報を伝えたに違いないね……ちなみにわたしも昨日は一時的に熱心な信者な気分だったかもしれない。

「何やらわたしの話を遮っているようですけれど、既に学院で噂になっていますよ?」

「あ、アンタがある事無い事噂を広めたんでしょう!?」

「あらそれこそ酷い言いがかりです、わたしは昨日はあれからすぐに寮に帰りましたから……嘘だと思うのなら受付で確認してもらって構いませんよ」

 そもそもキャレルさんから仕掛けてきた嫌がらせを倍返ししただけですから自業自得でしょう……ちゃんと反省して下さい。

「ふたりとも何かあったのか? 喧嘩しているのか?」

「いいえ、わたしはいつもキャレルさんに対して攻撃的な言動などした事は無いのはマクシス様も知っていますよね? わたしはキャレルさんと仲良くしたくても一方通行みたいでわたしはアンタとかキツい言い方ばかりされて悲しいです」

「あ……アーリャさん、ご、誤解ですよ、私も仲良くしたいと思っているんですよ」

 慌てて取り繕うキャレルさん……隙あらばまーくんを『相棒』にして強引に自分の味方にしようとしているみたいだけど、わたしは巧みな位置取りでキャレルさんの視線を遮ったりまーくんの視線をこちらに向けて彼女の思い通りにはさせない。

「そうなんですか? 嬉しいです~それでは今日はわたしがマクシス様と一緒に座りますね」

「なっ!? 調子に乗ってるんじゃ……」

「あらキャレルさん、もしもわたしたちの席の近くに座るもしかしたらまた粗そ……」

「わーわー!! な、何を言っているの!? くっ……ま、マクシス様……申し訳ございません、今日は気分が優れないので早退させてもらいます」

「そうなのか、無理は良くないな。しっかりと休んで元気になってくれ」

「そうですね、しっかりと身体を休めて下さいね~」

「お、覚えてなさいよ~!!!」

 キャレルさんはやり込められた悪役令嬢の如く捨て台詞を残して走り去って行った。最近は彼女が優勢だったけれど、今回は久しぶりにわたしの完全勝利だよね!

「体調が優れない割には走って行ってしまったな」

「きっと止むに止まれぬ事情があったんでしょう……そんな事よりもそろそろ先生が来ますからお席に着きましょう」

「そうだな、それじゃあホームルームが終わったら一緒に講堂へ向かおう」

「はい」

 わたしは自分の席に戻るとヘレナさんとベスさんが笑顔で待っていてくれた。

「やりましたねアーリャさん。いつも勢いのあるキャレルさんが引くなんて……」

「私達、今日は離れた場所で応援するから今日はマクシス様と仲良くね」

「お二人とも……ありがとうございます」



 二人のお友達に応援されて今日のわたしは幸せハッピーな一日を過ごす事が出来たのでした。
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