15 / 42
第三章 初陣
四
しおりを挟む
誾千代は疾走する馬の背に齧りつき、手綱を握り締め、前方をぐっと、睨み据えた。
ふと自分は笑っているのでは? と誾千代は疑った。胸は高まり、全身に新鮮な血流が駆け巡る錯覚すら、覚えた。
そうだ! 自分は、目下の状況を楽しんでいる。彌七郎の暴走を幸い、戦場に駆けつけるべく、馬を走らせていた。
願わくば、自分が到着するまで、戦いの決着は、つけないで欲しい!
もはや彌七郎の姿すら、誾千代の視界には入ってこなかった。
「誾千代姫! お戻りくだされ! 彌七郎様は、拙者がお止め申し上げますゆえ! 無茶はよしなされ!」
甚兵衛が併走しつつ、顔中を口にする勢いで、喚いていた。誾千代は真っ直ぐ、前を見詰めたまま、口早に答えた。
「五月蝿いっ! 老いぼれは、引っ込んでおるのじゃ!」
口にした瞬間「しまった!」と後悔が押し寄せたが、もう、遅かった。
はっ、となって、甚兵衛を見ると、眉間に皺が寄り、ぎりぎりと歯を食い縛っている。甚兵衛の心から、怒りの津波が誾千代に伝わってきた。
「左様、拙者は老い先短い、老いぼれ侍で御座る! じゃが、道雪様に、姫をくれぐれも頼むと、命令されております!」
息を吸い込み、甚兵衛は必死に己を律しているようだった。誾千代は、言葉短く「許せ!」と叫ぶと、馬の鬣に顔を突っ伏すように、しがみついた。
気まずい沈黙が続くと、甚兵衛が前方を指差し、叫んだ。
「御覧なされ! あれに、彌七郎殿が!」
甚兵衛が指差した方向に、馬の背に囓りついている、小柄な彌七郎の背中が見えた。馬はまだ足を動かしてはいるが、すっかり速度は落ちて、並足に近い。
誾千代と甚兵衛は、楽々と彌七郎に追いついた。甚兵衛は自分の乗馬を輪乗りさせ、かつかつと蹄の音を立て、回り込んだ。ぐい、と腕を伸ばし、彌七郎が乗る馬の手綱をむんずと引き寄せた。
ひひーん……と、力なく嘶いて、彌七郎の馬は、歩みを止めた。馬が停止すると、彌七郎はがくりっ、と前方に上体を泳がせた。
甚兵衛は、優しく問い掛けた。
「彌七郎殿……。御無事で御座りますか?」
「ふあ?」
彌七郎は、奇妙な喘ぎ声を上げ、両目を忙しく瞬かせた。
「彌七郎様っ!」
甚兵衛は、やや強く、彌七郎に話し掛けた。誾千代は、そろりと、彌七郎の心に自分の心を伸ばした。
先ほどまでの、熱狂は欠片もなく、今は眠りから醒めたような、気怠い虚脱感が、彌七郎を支配していた。
その頃になって、誾千代と彌七郎のために道雪がつけてくれた護衛の兵が、ようやく追いついてきた。
護衛兵たちは誾千代らと違い、徒歩で、全員が全力疾走を続けたため、激しく喘いでいた。
その中の、いかにも熟練した様子の足軽が、誾千代を見上げ、笑いながら声を掛けてきた。
「いやあ、きつい早駆けじゃ! このような早駆けをする場合は、前もって命令を下してもらえぬと、敵わんわい!」
全員、急な全力疾走は慣れっこなのか、激しく喘いでいても、まだ余力は残していそうだった。
彌七郎は、ぼうっとした表情のまま、馬の背に身体を預けていた。自分が何を仕出かしたか、すっかり失念しているらしい。
甚兵衛から、軽い懸念が伝わり、誾千代は気を引き締めた。
そうだ、ここは、敵地だ!
気がつくと、かなり秋月方の領地に入り込んでいるようだった。
「何か、聞こえませぬか?」
甚兵衛が、低く呟いた。
誾千代は耳を澄ませた。
一人、二人と、足軽たちが立ち上がり、手を耳に当てている。
遠く、わあわあと、喧騒が木々の林から漏れ聞こえてくる。
足軽の一人が、ぱっと顔を輝かせた。
「戦じゃ! 御味方が、敵勢と出会ったのじゃろう!」
口にするなり、身を翻した。誾千代と彌七郎に、足軽はさっと顔を向け、叫んだ。
「こうしては、おられませぬぞ! 逃げるか、戦うか、御決断を!」
足軽の言葉に、甚兵衛は気色ばんだ。
「控えろ、下郎! 御城主に言上する際は、拙者が取次ぎをいたす!」
足軽は「へっ!」と恐縮した様子で、項に手をやった。顔ほども、恐縮した心理ではないと、誾千代はすでに読み取っていた。
しかし、不快ではない。
誾千代は笑みを浮かべて、足軽に頷いた。
「良い。直答を許す。お主、名は?」
「重蔵と申し上げます。コゲラの重蔵ってのが、通り名で……。姫様には初めて御目文字申し上げます」
重蔵と名乗った足軽は、気軽に誾千代に答えた。誾千代が見せた気さくな態度に、大いに気をよくしている様子だ。
立花城には、沢山の人々が居住している。誾千代は、その中で、自分が名前を承知している人間は、ほんの一欠片だと、改めて思った。
コゲラの重蔵など、誾千代はこのような機会でなければ、一生ずっと知らずじまいだろうと、何となく嬉しく感じた。
「重蔵とやら、其方は、どう思う? 引くか、攻めるか、存念を申せ!」
問い掛けられ、重蔵は朋輩の足軽と顔を見合わせた。
「そりゃあ……なあ!」
朋輩同士の言葉遣いになって、慌てて足軽は自分の口を両手で塞いだ。重蔵の慌てぶりに、誾千代は必死に、笑いを堪えた。
ぱっと地面に這い蹲ると、足軽は真剣な表情になって喚いた。
「姫様に申し上げます! この重蔵、道雪様に付き従い、幾度もの戦を体験いたしました。やつがれ、折角の戦い、槍の腕を、揮いたく存じます。切に、姫様に御味方に参戦なさるよう、お願い申し上げます!」
重蔵は、意外とまともな受け答えをしていた。長い従軍生活が、侍らしい言葉遣いを覚えさせたらしい。
誾千代は、素早く重蔵の仲間たちの心を読み取った。
全員、ふつふつと戦いへの期待で、心が沸き立っている。
甚兵衛は苦い顔だ。甚兵衛の心を読むと、半ば諦めの境地だった。
誾千代は高々と笑い声を上げ、腰の刀を抜き放った。
「其方の願い、叶えてつかわす! 立花城主、誾千代は、これより戦いに臨む!」
誾千代の宣言に、その場にいた足軽たちが一斉に歓声を上げた。
ふと自分は笑っているのでは? と誾千代は疑った。胸は高まり、全身に新鮮な血流が駆け巡る錯覚すら、覚えた。
そうだ! 自分は、目下の状況を楽しんでいる。彌七郎の暴走を幸い、戦場に駆けつけるべく、馬を走らせていた。
願わくば、自分が到着するまで、戦いの決着は、つけないで欲しい!
もはや彌七郎の姿すら、誾千代の視界には入ってこなかった。
「誾千代姫! お戻りくだされ! 彌七郎様は、拙者がお止め申し上げますゆえ! 無茶はよしなされ!」
甚兵衛が併走しつつ、顔中を口にする勢いで、喚いていた。誾千代は真っ直ぐ、前を見詰めたまま、口早に答えた。
「五月蝿いっ! 老いぼれは、引っ込んでおるのじゃ!」
口にした瞬間「しまった!」と後悔が押し寄せたが、もう、遅かった。
はっ、となって、甚兵衛を見ると、眉間に皺が寄り、ぎりぎりと歯を食い縛っている。甚兵衛の心から、怒りの津波が誾千代に伝わってきた。
「左様、拙者は老い先短い、老いぼれ侍で御座る! じゃが、道雪様に、姫をくれぐれも頼むと、命令されております!」
息を吸い込み、甚兵衛は必死に己を律しているようだった。誾千代は、言葉短く「許せ!」と叫ぶと、馬の鬣に顔を突っ伏すように、しがみついた。
気まずい沈黙が続くと、甚兵衛が前方を指差し、叫んだ。
「御覧なされ! あれに、彌七郎殿が!」
甚兵衛が指差した方向に、馬の背に囓りついている、小柄な彌七郎の背中が見えた。馬はまだ足を動かしてはいるが、すっかり速度は落ちて、並足に近い。
誾千代と甚兵衛は、楽々と彌七郎に追いついた。甚兵衛は自分の乗馬を輪乗りさせ、かつかつと蹄の音を立て、回り込んだ。ぐい、と腕を伸ばし、彌七郎が乗る馬の手綱をむんずと引き寄せた。
ひひーん……と、力なく嘶いて、彌七郎の馬は、歩みを止めた。馬が停止すると、彌七郎はがくりっ、と前方に上体を泳がせた。
甚兵衛は、優しく問い掛けた。
「彌七郎殿……。御無事で御座りますか?」
「ふあ?」
彌七郎は、奇妙な喘ぎ声を上げ、両目を忙しく瞬かせた。
「彌七郎様っ!」
甚兵衛は、やや強く、彌七郎に話し掛けた。誾千代は、そろりと、彌七郎の心に自分の心を伸ばした。
先ほどまでの、熱狂は欠片もなく、今は眠りから醒めたような、気怠い虚脱感が、彌七郎を支配していた。
その頃になって、誾千代と彌七郎のために道雪がつけてくれた護衛の兵が、ようやく追いついてきた。
護衛兵たちは誾千代らと違い、徒歩で、全員が全力疾走を続けたため、激しく喘いでいた。
その中の、いかにも熟練した様子の足軽が、誾千代を見上げ、笑いながら声を掛けてきた。
「いやあ、きつい早駆けじゃ! このような早駆けをする場合は、前もって命令を下してもらえぬと、敵わんわい!」
全員、急な全力疾走は慣れっこなのか、激しく喘いでいても、まだ余力は残していそうだった。
彌七郎は、ぼうっとした表情のまま、馬の背に身体を預けていた。自分が何を仕出かしたか、すっかり失念しているらしい。
甚兵衛から、軽い懸念が伝わり、誾千代は気を引き締めた。
そうだ、ここは、敵地だ!
気がつくと、かなり秋月方の領地に入り込んでいるようだった。
「何か、聞こえませぬか?」
甚兵衛が、低く呟いた。
誾千代は耳を澄ませた。
一人、二人と、足軽たちが立ち上がり、手を耳に当てている。
遠く、わあわあと、喧騒が木々の林から漏れ聞こえてくる。
足軽の一人が、ぱっと顔を輝かせた。
「戦じゃ! 御味方が、敵勢と出会ったのじゃろう!」
口にするなり、身を翻した。誾千代と彌七郎に、足軽はさっと顔を向け、叫んだ。
「こうしては、おられませぬぞ! 逃げるか、戦うか、御決断を!」
足軽の言葉に、甚兵衛は気色ばんだ。
「控えろ、下郎! 御城主に言上する際は、拙者が取次ぎをいたす!」
足軽は「へっ!」と恐縮した様子で、項に手をやった。顔ほども、恐縮した心理ではないと、誾千代はすでに読み取っていた。
しかし、不快ではない。
誾千代は笑みを浮かべて、足軽に頷いた。
「良い。直答を許す。お主、名は?」
「重蔵と申し上げます。コゲラの重蔵ってのが、通り名で……。姫様には初めて御目文字申し上げます」
重蔵と名乗った足軽は、気軽に誾千代に答えた。誾千代が見せた気さくな態度に、大いに気をよくしている様子だ。
立花城には、沢山の人々が居住している。誾千代は、その中で、自分が名前を承知している人間は、ほんの一欠片だと、改めて思った。
コゲラの重蔵など、誾千代はこのような機会でなければ、一生ずっと知らずじまいだろうと、何となく嬉しく感じた。
「重蔵とやら、其方は、どう思う? 引くか、攻めるか、存念を申せ!」
問い掛けられ、重蔵は朋輩の足軽と顔を見合わせた。
「そりゃあ……なあ!」
朋輩同士の言葉遣いになって、慌てて足軽は自分の口を両手で塞いだ。重蔵の慌てぶりに、誾千代は必死に、笑いを堪えた。
ぱっと地面に這い蹲ると、足軽は真剣な表情になって喚いた。
「姫様に申し上げます! この重蔵、道雪様に付き従い、幾度もの戦を体験いたしました。やつがれ、折角の戦い、槍の腕を、揮いたく存じます。切に、姫様に御味方に参戦なさるよう、お願い申し上げます!」
重蔵は、意外とまともな受け答えをしていた。長い従軍生活が、侍らしい言葉遣いを覚えさせたらしい。
誾千代は、素早く重蔵の仲間たちの心を読み取った。
全員、ふつふつと戦いへの期待で、心が沸き立っている。
甚兵衛は苦い顔だ。甚兵衛の心を読むと、半ば諦めの境地だった。
誾千代は高々と笑い声を上げ、腰の刀を抜き放った。
「其方の願い、叶えてつかわす! 立花城主、誾千代は、これより戦いに臨む!」
誾千代の宣言に、その場にいた足軽たちが一斉に歓声を上げた。
0
あなたにおすすめの小説
母の下着 タンスと洗濯籠の秘密
MisakiNonagase
青春
この物語は、思春期という複雑で繊細な時期を生きる少年の内面と、彼を取り巻く家族の静かなる絆を描いた作品です。
颯真(そうま)という一人の高校生の、ある「秘密」を通して、私たちは成長の過程で誰もが抱くかもしれない戸惑い、罪悪感、そしてそれらを包み込む家族の無言の理解に触れます。
物語は、現在の颯真と恋人・彩花との関係から、中学時代にさかのぼる形で展開されます。そこで明らかになるのは、彼がかつて母親の下着に対して抱いた抑えがたい好奇心と、それに伴う一連の行為です。それは彼自身が「歪んだ」と感じる過去の断片であり、深い恥ずかしさと自己嫌悪を伴う記憶です。
しかし、この物語の核心は、単なる過去の告白にはありません。むしろ、その行為に「気づいていたはず」の母親が、なぜ一言も問い詰めず、誰にも告げず、ただ静かに見守り続けたのか——という問いにこそあります。そこには、親子という関係を超えた、深い人間理解と、言葉にされない優しさが横たわっています。
センシティブな題材を、露骨な描写や扇情的な表現に頼ることなく、あくまで颯真の内省的な視点から丁寧に紡ぎ出しています。読者は、主人公の痛みと恥ずかしさを共有しながら、同時に、彼を破綻から救った「沈黙の救済」の重みと温かさを感じ取ることでしょう。
これは、一つの過ちと、その赦しについての物語です。また、成長とは時に恥ずかしい過去を背負いながら、他者の無償の寛容さによって初めて前を向けるようになる過程であること、そして家族の愛が最も深く現れるのは、時に何も言わない瞬間であることを、静かにしかし確かに伝える物語です。
どうか、登場人物たちの静かなる心の襞に寄り添いながら、ページをめくってください。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
【時代小説】 黄昏夫婦
蔵屋
歴史・時代
江戸時代、東北地方の秋田藩は貧かった。
そんな中、真面目なひとりの武士がいた。同僚からは馬鹿にされていたが真面目な男であった。俸禄は低く貧しい。娘二人と実母との4人暮らし。
秋田藩での仕事は勘定方である。
仕事が終わると真っ直ぐ帰宅する。
ただひたすら日中は城中では勘定方の仕事をまじめにして、帰宅すれば論語を読んで知識を習得する。
そんな毎日であった。彼の名前は立花清左衛門。年齢は35歳。
娘は二人いて、一人はとめ15歳。もう一人は梅、8歳。
さて|黄昏《たそがれ》は、一日のうち日没直後、雲のない西の空に夕焼けの名残りの「赤さ」が残る時間帯のことを言う。「|黄昏時《たそがれどき)」。 「黄昏れる《たそがれる》」という動詞形もある。
「たそがれ」は、江戸時代になるまでは「たそかれ」といい、「たそかれどき」の略でよく知られていた。夕暮れの人の顔の識別がつかない暗さになると誰かれとなく、「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いという意味で日常会話でよく使われた。
今回の私の小説のテーマはこの黄昏である。
この風習は広く日本で行われている。
「おはようさんです」「これからですか」「お晩でございます。いまお帰りですか」と尋ねられれば相手も答えざるを得ず、互いに誰であるかチェックすることでヨソ者を排除する意図があったとされている。
「たそかれ」という言葉は『万葉集』に
誰そ彼と われをな問ひそ 九月の 露に濡れつつ 君待つわれそ」
— 『万葉集』第10巻2240番
と登場するが、これは文字通り「誰ですかあなたは」という意味である。
「平安時代には『うつほ物語』に「たそかれどき」の用例が現れ、さらに『源氏物語』に
「寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 夕顔の花」
— 『源氏物語』「夕顔」光源氏
と、現在のように「たそかれ」で時間帯を表す用例が現れる。
なおこの歌は、帖と登場人物の名「夕顔」の由来になった夕顔の歌への返歌である。
またこの言葉の比喩として、「最盛期は過ぎたが、多少は余力があり、滅亡するにはまだ早い状態」をという語句の用い方をする。
漢語「|黄昏《コウコン》」は日没後のまだ完全に暗くなっていない時刻を指す。「初昏」とも呼んでいた。十二時辰では「戌時」(午後7時から9時)に相当する。
「たそがれ」の動詞化の用法。日暮れの薄暗くなり始めるころを指して「空が黄昏れる」や、人生の盛りを過ぎ衰えるさまを表現して「黄昏た人」などのように使用されることがある。
この物語はフィクションです。登場人物、団体等実際に同じであっても一切関係ありません。
それでは、小説「黄昏夫婦」をお楽しみ下さい。
読者の皆様の何かにお役に立てれば幸いです。
作家 蔵屋日唱
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
もし石田三成が島津義弘の意見に耳を傾けていたら
俣彦
歴史・時代
慶長5年9月14日。
赤坂に到着した徳川家康を狙うべく夜襲を提案する宇喜多秀家と島津義弘。
史実では、これを退けた石田三成でありましたが……。
もしここで彼らの意見に耳を傾けていたら……。
アブナイお殿様-月野家江戸屋敷騒動顛末-(R15版)
三矢由巳
歴史・時代
時は江戸、老中水野忠邦が失脚した頃のこと。
佳穂(かほ)は江戸の望月藩月野家上屋敷の奥方様に仕える中臈。
幼い頃に会った千代という少女に憧れ、奥での一生奉公を望んでいた。
ところが、若殿様が急死し事態は一変、分家から養子に入った慶温(よしはる)こと又四郎に侍ることに。
又四郎はずっと前にも会ったことがあると言うが、佳穂には心当たりがない。
海外の事情や英吉利語を教える又四郎に翻弄されるも、惹かれていく佳穂。
一方、二人の周辺では次々に不可解な事件が起きる。
事件の真相を追うのは又四郎や屋敷の人々、そしてスタンダードプードルのシロ。
果たして、佳穂は又四郎と結ばれるのか。
シロの鼻が真実を追い詰める!
別サイトで発表した作品のR15版です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる