宇宙狂時代~SF宝島~

万卜人

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待っていた男

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 がっちりと牽引ビームに捉えられたまま、《呑竜》は着実に蜘蛛の糸に絡まれた虫けらのごとく、シルバーの宇宙戦艦《鉄槌》に引き寄せられていく。
 近づけば近づくほど向こうの巨大さが際立ってくる。まるで一つの都市が超空間ジェネレーターを備え、宇宙を航行しているといってよかった。引き寄せられている格納庫以外にも大小無数の格納庫が口を開け、そこからは《呑竜》と同じくらいの大きさの宇宙艇や、遙かに大きな駆逐艦クラス、巡洋艦クラスの宇宙船が何かの任務を帯びているのか、さかんに出入りを繰り返している。
 多分、格納庫には人間がいるのだろうが、距離が遠すぎて、姿を確認するには至っていない。
 ジムはヘロヘロに話しかけた。
「ヘロヘロ、船倉のキャシーって女の子、停滞フィールドから出してやれないのか?」
 ヘロヘロは、ぎくりとなった。
「ど、どうして?」
「どうも、シルバーって銀鍍金野郎、あのキャシーって女の子の知り合いらしい。そうなんだろう?」
 問いかけると、渋々とヘロヘロは頷いた。
「今、この船は引き寄せられている最中だ。おれはさっぱり事情が判らねえまま、巻き込まれちまっている。せめて何がどうなってるのか、知りたいじゃないか。だから停滞フィールドから出してやれよ。事情を聞きたいしな。それに、あっちに行ってから停滞フィールドを切ったら、色々まずいんじゃないのか?」
 これには素直に頷いた。
「そうだね、こうなったら……」
 ヘロヘロは船倉へと足を向ける。ジムはその後に続いた。
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