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偉大なる母
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「その二人は、おれが頂く! 脳味噌を抉り出すって話は、待って貰おう」
シルバーは《大校母》に向かって平然と、ずけりと話しかけた。《大校母》は微かに眉を寄せただけで、表情には何も表れていない。
「なぜです、シルバー。わざわざここまで来て、妾の邪魔をするとは、礼儀知らずにも程があります!」
「おいおい」とジムが一歩さっと前へ出た。
シルバーと《大校母》を等分に見て、口を開く。
「あんたら、知り合いか?」
「そうとも!」とシルバーは頷く。じろりと《大校母》を見て、言い足した。
「この《大校母》さまは、おれ様と同じく、宇宙海賊仲間さ! おれなんざ、こいつに比べたら、駆け出しもいいところ──何しろ、五百年間、この宙森で海賊稼業を続けていたんだからなあ!」
シルバーの暴露に、キャシーとジムは呆然として顔を見合わせた。シルバーは再び《大校母》に向かい、昂然と口を開く。
「なあ、こいつらの脳味噌を抉り出す前に、おれに預けちゃくれないか」
《大校母》は首をかしげて尋ねる。
「あなたが、どうして、それ程この原型の二人に執着するのか、さっぱり判りませんね。訳を聞かしてください」
シルバーは、にたりと笑顔を見せた。
「そっちの小僧は要らねえ! 脳味噌を抉り出すなり何でもしてくれ。おれが用があるのは、そっちの娘だ。そいつはキャシーと言って、かのフリント教授の孫だ!」
「フリント教授の孫娘!」
《大校母》の両目が驚きに見開かれ、らんと光った。ずるり──と巨大な肉塊を引き摺るようにキャシーに向き直り、しげしげと眺める。あまりの熱っぽい視線に、キャシーは微かに青ざめ、後じさった。
「どうだい! 面白れえ、話だろう?」
シルバーは得意そうに顎を上げた。《大校母》は頷いた。
「フリント教授は、かつて銀河系を調査し、人類の居住に適する幾多の惑星を発見したそうです。しかし、教授の死後、その位置は判らなくなっていますが……」
《大校母》の言葉に、シルバーは割り込んだ。
「ところが、その娘が、教授の死の直前に、メモリー・クリスタルを受け取っているところを、おれはこの目で、しかと見ている! お前さんの言う人類の居住に適した惑星の座標も、その中に納められているはずだ! それだけじゃないぞ。〝失われた星〟つまり地球の座標も、その中にはある。おれは、それが欲しいんだ」
「地球の座標?」
《大校母》は不審気に呟いた。シルバーを見て尋ねる。
「地球など、どうして大事なのです? あれは汚染され、住めなくなって、人類は逃げ出したのですよ」
「――と確かに言われちゃいるがね、本当にそうかは、判らねえ! ともかく、おれは地球へ行きたい。そこで、取り引きだ。おれは、キャシーが持っていたメモリー・クリスタルの隠し場所を知っている。あんたがおれに協力するって譲歩するなら、居住可能な惑星のデータを渡してもいい」
二人の遣り取りに、ついにキャシーは怒りを爆発させた。
「まったく、もう! さっきから何を勝手なことばかり喋っているのよ! あたしは絶対に、お祖父ちゃんのデータを渡すつもりはありませんからねっ!」
「ちっちっちっちっ……」
首を振り、シルバーは舌打ちをした。
「これは、お前さんがどうこうできるレベルの話じゃない。お前さんが素直にデータを渡してくれれば、脳味噌を抉り出すって話を止めにできる、って筋だ。キャシー、もうあんたの手を離れているんだよ」
キャシーに対する、いつもの丁寧な口調は、シルバーからは完全に掻き消されていた。キャシーは唇を噛み、シルバーに叫んだ。
「あんたが、あたしのメモリー・クリスタルの隠し場所を知っているはずは絶対ないわ! それなら、どこに隠したか、言ってご覧!」
「お安い御用だ」
シルバーは悠然と目を細めた。
「そこに、メモリー・クリスタルを隠してあるんだ!」
シルバーが猛然と指さしたのは、ヘロヘロだった!
シルバーは《大校母》に向かって平然と、ずけりと話しかけた。《大校母》は微かに眉を寄せただけで、表情には何も表れていない。
「なぜです、シルバー。わざわざここまで来て、妾の邪魔をするとは、礼儀知らずにも程があります!」
「おいおい」とジムが一歩さっと前へ出た。
シルバーと《大校母》を等分に見て、口を開く。
「あんたら、知り合いか?」
「そうとも!」とシルバーは頷く。じろりと《大校母》を見て、言い足した。
「この《大校母》さまは、おれ様と同じく、宇宙海賊仲間さ! おれなんざ、こいつに比べたら、駆け出しもいいところ──何しろ、五百年間、この宙森で海賊稼業を続けていたんだからなあ!」
シルバーの暴露に、キャシーとジムは呆然として顔を見合わせた。シルバーは再び《大校母》に向かい、昂然と口を開く。
「なあ、こいつらの脳味噌を抉り出す前に、おれに預けちゃくれないか」
《大校母》は首をかしげて尋ねる。
「あなたが、どうして、それ程この原型の二人に執着するのか、さっぱり判りませんね。訳を聞かしてください」
シルバーは、にたりと笑顔を見せた。
「そっちの小僧は要らねえ! 脳味噌を抉り出すなり何でもしてくれ。おれが用があるのは、そっちの娘だ。そいつはキャシーと言って、かのフリント教授の孫だ!」
「フリント教授の孫娘!」
《大校母》の両目が驚きに見開かれ、らんと光った。ずるり──と巨大な肉塊を引き摺るようにキャシーに向き直り、しげしげと眺める。あまりの熱っぽい視線に、キャシーは微かに青ざめ、後じさった。
「どうだい! 面白れえ、話だろう?」
シルバーは得意そうに顎を上げた。《大校母》は頷いた。
「フリント教授は、かつて銀河系を調査し、人類の居住に適する幾多の惑星を発見したそうです。しかし、教授の死後、その位置は判らなくなっていますが……」
《大校母》の言葉に、シルバーは割り込んだ。
「ところが、その娘が、教授の死の直前に、メモリー・クリスタルを受け取っているところを、おれはこの目で、しかと見ている! お前さんの言う人類の居住に適した惑星の座標も、その中に納められているはずだ! それだけじゃないぞ。〝失われた星〟つまり地球の座標も、その中にはある。おれは、それが欲しいんだ」
「地球の座標?」
《大校母》は不審気に呟いた。シルバーを見て尋ねる。
「地球など、どうして大事なのです? あれは汚染され、住めなくなって、人類は逃げ出したのですよ」
「――と確かに言われちゃいるがね、本当にそうかは、判らねえ! ともかく、おれは地球へ行きたい。そこで、取り引きだ。おれは、キャシーが持っていたメモリー・クリスタルの隠し場所を知っている。あんたがおれに協力するって譲歩するなら、居住可能な惑星のデータを渡してもいい」
二人の遣り取りに、ついにキャシーは怒りを爆発させた。
「まったく、もう! さっきから何を勝手なことばかり喋っているのよ! あたしは絶対に、お祖父ちゃんのデータを渡すつもりはありませんからねっ!」
「ちっちっちっちっ……」
首を振り、シルバーは舌打ちをした。
「これは、お前さんがどうこうできるレベルの話じゃない。お前さんが素直にデータを渡してくれれば、脳味噌を抉り出すって話を止めにできる、って筋だ。キャシー、もうあんたの手を離れているんだよ」
キャシーに対する、いつもの丁寧な口調は、シルバーからは完全に掻き消されていた。キャシーは唇を噛み、シルバーに叫んだ。
「あんたが、あたしのメモリー・クリスタルの隠し場所を知っているはずは絶対ないわ! それなら、どこに隠したか、言ってご覧!」
「お安い御用だ」
シルバーは悠然と目を細めた。
「そこに、メモリー・クリスタルを隠してあるんだ!」
シルバーが猛然と指さしたのは、ヘロヘロだった!
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