蒸汽帝国~真鍮の乙女~

万卜人

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首都

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「さて、どうやってミリィの行方を探すかだが……あんたはなにか考えがあるのかね」
 昼近くになり、ようやく大通りに面したレストランが店を開け、一行はそのひとつに休憩をして相談することにした。
 道路に面した外にいくつもテーブルがならび、そのひとつにかれらは案内された。給仕が要領よく茶器を用意し、茶の香りが立ち昇った。
 口火を切ったのはホルスト老人である。
 かれは悠揚とパイプを取り出し、いつものように火をつけ一服吸い付けた。
 問われてホルンは腕を組んだ。
「といっても、だれかれ構わず聞きまわるわけにもいかんしな……なにか良い方法はないかな」
 ニコラ博士が口を開いた。
「あんた新聞というものを知っておるかね」
「新聞? まあ、知っていますが、それがなにか?」
「広告を出すのじゃよ。空を飛ぶ白球についてなにか見たことのある人、噂を聞いた人がいないかどうか、あて先は新聞社にしてな。それで待てば良い」
「なるほど!」
 ホルンの愁眉が開いた。
 それを聞いて、パックはじりじりしていた。
 そんなことでミリィの行方が判るのだろうか? パックは決意した。新聞に行方を尋ねる広告を出すのも良いだろう。しかし、パック自身でなにかやってやろう。
 ホルンとホルスト、そしてニコラ博士が額を集め、なにごとか相談をはじめたのを見て、パックはそっと立ち上がった。
 するとマリアも立ち上がる。
 あちゃ、とパックは頭をかいた。
 そうだ、マリアのことを忘れていた。マリアはあれからどこへ行くにもパックの側について行動する。トイレや風呂にもついて行こうとするので、なんとかそれはやめさせたが、それでもマリアの注意はパックからそれることはなかった。
 マリアに向けて指を一本、口にあて静かにと合図するとパックはそろりと歩き出した。
 ところがホルンの目は節穴ではなかった。
「どこへ行くんだ?」
 ホルンに呼び止められ、ちぇ、とパックは手をポケットに入れた。
「父さん、おれ父さんの言っただれかれ構わず聞いて回るって方法試してみるよ。いいだろう?」
 ふむ、とホルンはうなずいた。
「まあ、いいさ。やって見るがいい。おれたちはあそこの──」
 と、レストランの向かいにあるホテルを指さした。
「ホテルに部屋をとっているから、暗くなる前に戻って来るんだぞ」
 わかった、と手を振ってパックは歩き出した。
 充分離れたところで、パックは声を張り上げた。
「ニコラ博士ーっ! ムカデを借りるよ!」
「なんじゃと!」
 博士は仰天して目を剥いた。
 もうパックの姿は消えていた。
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