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理想宮
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ギャンは凱旋した。
ロロ村の奪還、そして共和国軍の壊滅とギャンの戦果はすぐさま王宮に報告され、首都はこの若い軍事の天才を迎える準備におわれていた。
きらびやかな衣装を身につけたブラスバンドが行進曲を演奏し、その後から帝国軍が進軍していく。首都のメイン・ストリートには華やかな勝利をはたした噂の新兵器、鉄人兵を一目見ようと大勢の群衆が押しかけていた。えんえんと続く装甲車や戦車、兵員輸送車の列の最後に鉄人兵の巨体が現れると、群衆は熱狂的な声援をおくる。
大通りに面したすべてのビルの窓が開け放たれ、紙ふぶきが舞った。
その中を、ずしりずしりと重々しく鉄人兵が歩んでいく。操縦するのはもちろん、ギャンである。鉄人兵の巨体に、見物人は一人残らずあっけにとられ、ついで熱狂的な歓呼の声をあげた。新聞記者はみなカメラをかまえ、フラッシュを焚いて一枚たりとも撮り漏らさないよう、必死になってシャッターを切っている。新聞の一面はもちろん、ギャン少佐の顔のアップである。金髪の若いハンサムな少佐の登場はセンセーショナルであった。
ロロ村を救ったのがギャンと知って、パックはホルストと一緒に見物に出かけていた。マリアも一緒である。パックの行くところ、つねにマリアも従う。
「驚いたな……あれがギャンなのかね?」
ぽかんと口を開け、ホルストは鉄人兵を見送った。ホルストはキオのサーカスで着ていた魔法使いのローブを着ていた。あれ以来、すっかりこの格好が気に入ったようで、団長に頼んで譲ってもらったのである。
「ずいぶん変わった、まるで別人ですよ」
パックの答えに、ホルストは首を横にふった。
「いいや、そんなものではない。もっと本質的なものじゃ! 顔かたちが少々変わっておっても、わしはそんなものに驚くことはない。わしが驚いたのは、ギャンのやつきわめて強い〝オーラ〟をまとっていることなのじゃ」
「〝オーラ〟? なんです、そりゃ」
ぽん、とホルストは額をたたいた。
「ほ! 言っておらなかったかな? 〝オーラ〟とは、魔力を操ることの出来る者が身にまとう〝魔素〟の流れなのじゃ。強い魔力を持つものは強い〝オーラ〟をまとう。わしにもある。しかしあのギャンの〝オーラ〟は桁外れじゃ!」
「前はなかったんですか?」
「そうじゃ。わしがロロ村でギャンを見ていたときは、あのような〝オーラ〟はまとっておらなかった。どういうことじゃろう……いつの間に、あやつはあのような強い〝オーラ〟を身につけたのじゃろう?」
心底不思議だというように、ホルストは唇をかんだ。
そのときマリアが口を開いた。
「エイダに聞くべきです」
「エイダ?」
「ほら、バベジ教授のところで見た……」
あっ、とパックとホルストは顔を見合わせた。
「あの時、確かボーラン市に強い〝魔素〟の集中があると言っておったな。そうか、このことじゃったのか!」
うむむむ……! と、ホルストは天を仰いだ。
ロロ村の奪還、そして共和国軍の壊滅とギャンの戦果はすぐさま王宮に報告され、首都はこの若い軍事の天才を迎える準備におわれていた。
きらびやかな衣装を身につけたブラスバンドが行進曲を演奏し、その後から帝国軍が進軍していく。首都のメイン・ストリートには華やかな勝利をはたした噂の新兵器、鉄人兵を一目見ようと大勢の群衆が押しかけていた。えんえんと続く装甲車や戦車、兵員輸送車の列の最後に鉄人兵の巨体が現れると、群衆は熱狂的な声援をおくる。
大通りに面したすべてのビルの窓が開け放たれ、紙ふぶきが舞った。
その中を、ずしりずしりと重々しく鉄人兵が歩んでいく。操縦するのはもちろん、ギャンである。鉄人兵の巨体に、見物人は一人残らずあっけにとられ、ついで熱狂的な歓呼の声をあげた。新聞記者はみなカメラをかまえ、フラッシュを焚いて一枚たりとも撮り漏らさないよう、必死になってシャッターを切っている。新聞の一面はもちろん、ギャン少佐の顔のアップである。金髪の若いハンサムな少佐の登場はセンセーショナルであった。
ロロ村を救ったのがギャンと知って、パックはホルストと一緒に見物に出かけていた。マリアも一緒である。パックの行くところ、つねにマリアも従う。
「驚いたな……あれがギャンなのかね?」
ぽかんと口を開け、ホルストは鉄人兵を見送った。ホルストはキオのサーカスで着ていた魔法使いのローブを着ていた。あれ以来、すっかりこの格好が気に入ったようで、団長に頼んで譲ってもらったのである。
「ずいぶん変わった、まるで別人ですよ」
パックの答えに、ホルストは首を横にふった。
「いいや、そんなものではない。もっと本質的なものじゃ! 顔かたちが少々変わっておっても、わしはそんなものに驚くことはない。わしが驚いたのは、ギャンのやつきわめて強い〝オーラ〟をまとっていることなのじゃ」
「〝オーラ〟? なんです、そりゃ」
ぽん、とホルストは額をたたいた。
「ほ! 言っておらなかったかな? 〝オーラ〟とは、魔力を操ることの出来る者が身にまとう〝魔素〟の流れなのじゃ。強い魔力を持つものは強い〝オーラ〟をまとう。わしにもある。しかしあのギャンの〝オーラ〟は桁外れじゃ!」
「前はなかったんですか?」
「そうじゃ。わしがロロ村でギャンを見ていたときは、あのような〝オーラ〟はまとっておらなかった。どういうことじゃろう……いつの間に、あやつはあのような強い〝オーラ〟を身につけたのじゃろう?」
心底不思議だというように、ホルストは唇をかんだ。
そのときマリアが口を開いた。
「エイダに聞くべきです」
「エイダ?」
「ほら、バベジ教授のところで見た……」
あっ、とパックとホルストは顔を見合わせた。
「あの時、確かボーラン市に強い〝魔素〟の集中があると言っておったな。そうか、このことじゃったのか!」
うむむむ……! と、ホルストは天を仰いだ。
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