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プロローグ
妹たち
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存在は複数あった。
どれも形は様々だったが、生命体にはかわりなかった。
フォンのすぐそばに、ねじけた古木のような生命体があった。古木には黒々とした葉が茂り、フォンの放つ光を受け葉緑体にエネルギーを蓄えていた。見かけは完全に植物だが、それでも思考し、周囲を知覚していた。
名前は「ルールー」。
ルールーはフォンの放つ光を受け、葉を一杯に広げて充足した時を過ごしていた。
フォンはルールーに向けて、テレパシーを放射した。完全な真空状態において、空気を振動する音声などの、粗雑なコミュニケーションなど不可能だった。以下、両者の間に交わされるテレパシーの交信を通常の会話として記録する。
「球殻も永遠ではない……」
フォンの不安げな言葉に、ルールーはざわざわと葉を揺らした。葉は、生物で言う脳細胞に充当し、葉脈にある光ファイバー・ケーブルが情報を伝えていた。
「だがそれでも百億年は保つ」
フォンはルールーの言葉を拒否した。
「百億年でも、永遠ではない」
フォンの断定に、ルールーは葉を内側に丸め、内省状態に入った。
「ではどうすれば?」
疑問を呈したのは、小山のような巨体の存在だった。ずんぐりとした姿は、ごつごつとして岩石の塊のようだった。ケイ素を基調とした生命体で、外見の岩のように思考は慎重で、重厚だった。
名前は「グム」。
グムの隣にフォンの光を受けて、きらきらと煌めく塊があった。グムと同じく到底、生命体とは思えない姿をしていた。体を構成するのは、透明な結晶体で、ダイアモンドのような光を反射していた。
名前は「キーシャ」。
キーシャが身動きをするたびに、フォンの放つ光を屈折、反射し、七色の光に染まった。
「無意味な会話だ! 何か有効な提案はないのか?」
キーシャの思考は、姿同様、常に性急で直截的な傾向があった。
「無が迫ってきている……」
平べったい思考のテレパシーが、一同をひやりと貫いた。
発したのは機械のような、あるいは生物のような奇妙な存在だった。機械と生物の融合体で、かつてはサイボーグと呼ばれた存在だった。が、長い年月の間、両者の関係はすでに分かちがたくなっていた。生きている機械、あるいは成長する無生物とでも表現すべきか。
名前は「ノース」。
思考は論理的で、常に冷静さを保った。
ノースのテレパシーに、一同は球殻の外側に注意を向けた。
どれも形は様々だったが、生命体にはかわりなかった。
フォンのすぐそばに、ねじけた古木のような生命体があった。古木には黒々とした葉が茂り、フォンの放つ光を受け葉緑体にエネルギーを蓄えていた。見かけは完全に植物だが、それでも思考し、周囲を知覚していた。
名前は「ルールー」。
ルールーはフォンの放つ光を受け、葉を一杯に広げて充足した時を過ごしていた。
フォンはルールーに向けて、テレパシーを放射した。完全な真空状態において、空気を振動する音声などの、粗雑なコミュニケーションなど不可能だった。以下、両者の間に交わされるテレパシーの交信を通常の会話として記録する。
「球殻も永遠ではない……」
フォンの不安げな言葉に、ルールーはざわざわと葉を揺らした。葉は、生物で言う脳細胞に充当し、葉脈にある光ファイバー・ケーブルが情報を伝えていた。
「だがそれでも百億年は保つ」
フォンはルールーの言葉を拒否した。
「百億年でも、永遠ではない」
フォンの断定に、ルールーは葉を内側に丸め、内省状態に入った。
「ではどうすれば?」
疑問を呈したのは、小山のような巨体の存在だった。ずんぐりとした姿は、ごつごつとして岩石の塊のようだった。ケイ素を基調とした生命体で、外見の岩のように思考は慎重で、重厚だった。
名前は「グム」。
グムの隣にフォンの光を受けて、きらきらと煌めく塊があった。グムと同じく到底、生命体とは思えない姿をしていた。体を構成するのは、透明な結晶体で、ダイアモンドのような光を反射していた。
名前は「キーシャ」。
キーシャが身動きをするたびに、フォンの放つ光を屈折、反射し、七色の光に染まった。
「無意味な会話だ! 何か有効な提案はないのか?」
キーシャの思考は、姿同様、常に性急で直截的な傾向があった。
「無が迫ってきている……」
平べったい思考のテレパシーが、一同をひやりと貫いた。
発したのは機械のような、あるいは生物のような奇妙な存在だった。機械と生物の融合体で、かつてはサイボーグと呼ばれた存在だった。が、長い年月の間、両者の関係はすでに分かちがたくなっていた。生きている機械、あるいは成長する無生物とでも表現すべきか。
名前は「ノース」。
思考は論理的で、常に冷静さを保った。
ノースのテレパシーに、一同は球殻の外側に注意を向けた。
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