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[一話目]揺れる日常、眩む空
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「おはよ…」
私は涼音千紗、高校一年生。今は友人と共に登校中だ。
「どうした、眠そうにして。」
となりのは桜乃ひな。頭一つ分も小さいが、私と同学年で、私よりも頭がいい。
「あれは部屋の掃除をしていた私の視界に映った漫画が悪い。」
こんな風に雑談を繰り広げながら歩く、普段の日常だ。これから起こる事を除いては。
「ん?」
ヒュンと風を切る音が聞こえる。違和感を感じて辺りを見渡すと、聞きなれない声が聞こえてきた。
「なるほど、君が涼音ちゃんか…」
はっとして上を見上げると美しい白髪の女の子が。2,3m程上に浮いているようだ。
「え、誰?」
その子はふっふっふと笑いながら言葉を放つ。
「私は、胡桃はるだよ!」
そう呟く彼女の目の前に黒い正方形のような物が浮かび上がる。
「悪いね、涼音ちゃん。」
刹那、黒い穴から、一直線に弾丸が撃ち出される。感じた危機を避けるため、左右へ跳んだ。
「うへぇ…普通避けれる?」
「殺人未遂犯から普通について語られるとはね。」
挨拶だけを飛ばして、そのまま警戒体制に入る。聞きたい事が山ほどある。質問を考えていると彼女は話す。
「うん、初撃が無理なら次弾も無理だよね!涼音ちゃん、またいつか!ばいばーい!」
そう言い残すと、彼女、はるは足元に現れた黒い四角にすっと落ちていった。
風が吹いても、雨が降っても、もしけは殺人犯が現れても。学校には行かなければならない。学生とは、そういう物だ。
「ねね、今の何?私の名前知ってたけど」
「知らん。お前、また何かやらかしたんじゃ無いのか?」
『またね』。はるはそう言った。先程の動きを見るに、彼女も“能力者”なのだろう。
“能力”。二年前、突如として日本人の一部が手に入れた物。彼らは『能力者』と呼ばれた。
「あの子も能力者?」
「たぶんね、分かんないけど…」
「強そうな能力だね」
「うっ」
私の能力は「跳」。4,5mほど跳べる。以上。余りにも弱いと言わざるを得ない能力だ。跳ぶだけ。何かを出したり、何かを変えるわけでも無い。ただ跳ねるだけの自己完結。跳び箱と走り幅跳びが加算される事以外の使い方は無い。。あぁ、後は銃弾を避ける時にも使えるかもしれない。こんな風に。
「落ち込むな。今日の夕飯にとうもろこしを付け加えてやろう。」
「え、本当?やった!」
気がつけば校門前。事件の事は一度忘れよう。次に遭った時にまた訊けば良い。一限目は国語だっただろうか。昨日のノートを頭で回想しながら、校内へ入る。
私は涼音千紗、高校一年生。今は友人と共に登校中だ。
「どうした、眠そうにして。」
となりのは桜乃ひな。頭一つ分も小さいが、私と同学年で、私よりも頭がいい。
「あれは部屋の掃除をしていた私の視界に映った漫画が悪い。」
こんな風に雑談を繰り広げながら歩く、普段の日常だ。これから起こる事を除いては。
「ん?」
ヒュンと風を切る音が聞こえる。違和感を感じて辺りを見渡すと、聞きなれない声が聞こえてきた。
「なるほど、君が涼音ちゃんか…」
はっとして上を見上げると美しい白髪の女の子が。2,3m程上に浮いているようだ。
「え、誰?」
その子はふっふっふと笑いながら言葉を放つ。
「私は、胡桃はるだよ!」
そう呟く彼女の目の前に黒い正方形のような物が浮かび上がる。
「悪いね、涼音ちゃん。」
刹那、黒い穴から、一直線に弾丸が撃ち出される。感じた危機を避けるため、左右へ跳んだ。
「うへぇ…普通避けれる?」
「殺人未遂犯から普通について語られるとはね。」
挨拶だけを飛ばして、そのまま警戒体制に入る。聞きたい事が山ほどある。質問を考えていると彼女は話す。
「うん、初撃が無理なら次弾も無理だよね!涼音ちゃん、またいつか!ばいばーい!」
そう言い残すと、彼女、はるは足元に現れた黒い四角にすっと落ちていった。
風が吹いても、雨が降っても、もしけは殺人犯が現れても。学校には行かなければならない。学生とは、そういう物だ。
「ねね、今の何?私の名前知ってたけど」
「知らん。お前、また何かやらかしたんじゃ無いのか?」
『またね』。はるはそう言った。先程の動きを見るに、彼女も“能力者”なのだろう。
“能力”。二年前、突如として日本人の一部が手に入れた物。彼らは『能力者』と呼ばれた。
「あの子も能力者?」
「たぶんね、分かんないけど…」
「強そうな能力だね」
「うっ」
私の能力は「跳」。4,5mほど跳べる。以上。余りにも弱いと言わざるを得ない能力だ。跳ぶだけ。何かを出したり、何かを変えるわけでも無い。ただ跳ねるだけの自己完結。跳び箱と走り幅跳びが加算される事以外の使い方は無い。。あぁ、後は銃弾を避ける時にも使えるかもしれない。こんな風に。
「落ち込むな。今日の夕飯にとうもろこしを付け加えてやろう。」
「え、本当?やった!」
気がつけば校門前。事件の事は一度忘れよう。次に遭った時にまた訊けば良い。一限目は国語だっただろうか。昨日のノートを頭で回想しながら、校内へ入る。
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