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04. 初めてのご飯作り
「とは言ったものの……」
猫缶でとびっきり美味しいものを作ると豪語した鈴音だが、さっそく壁にぶち当たった。
「食材がないのよね……」
引っ越しのために、冷蔵庫は空にした。
今この家にあるのは、生米と小麦粉、各種調味料、それとインスタント食品のみだ。
どれも、猫に与えるのは不適切だろう。
(一応、人間の食べ物も食べられるって猫神さまは言ってたけど……)
本人的には、猫用のものには遠く及ばないらしい。
それに、「猫缶で美味しいものを作る」と宣言した手前、猫用でないものを作るわけにはいかないだろう。
「あ」
何かを思い出した鈴音は、出かける準備をする。
「ちょっと待っててね、猫神さま」
「む?
何処に行くのだ?」
「コンビニ。
引っ越しのトラックでここに来る途中、近くにコンビニがあるのを見かけたの。
多分、30分くらいで戻ってこられるから、もう少しだけ我慢してね」
「むぅ……」
不満げな三毛猫に見送られながら、鈴音は家を出たのだった。
30分後。
「ただいま~」
「遅いぞ、小娘よ」
玄関の扉を開けると、不満げな三毛猫に出迎えられた。
見れば、三毛猫は鈴音が出かける前と全く同じ位置にいて、全く同じ姿勢をしている。
恐らく、その場でずっと待ってくれていたのだろう。
「おまたせしてごめんね、猫神さま。
でも、必要なものは全部揃ったから」
手に下げているレジ袋をシャカシャカ鳴らなしながら、靴を脱いで家に入る。
キッチンに直行すると、鍋でお湯を沸かし始めた。
「それで、何を買ってきたのだ?」
作業台に飛び乗った三毛猫が、レジ袋の中に頭を突っ込みながら尋ねてくる。
「冷凍お刺身よ」
じゃじゃ~ん、と見せつけるように取り出す鈴音。
「鮪と鯛と鮭、3種類買ってきたの。
ネットで調べてみたら、どれも猫が食べてもいいんだって」
「む……だから、我はただの猫ではないとあれほど──」
「分かってるよ。
猫神さまは神様だから、人間の食べ物でも食べられるんでしょ?」
「うむ」
「でも、やっぱり猫用のには敵わない、とも言ってたよね?」
「……うむ……」
返事に少し間があったのは、果たして図星だったからか、それとも強がっているのを見破られて恥ずかしくなったからか。
「だから、今日は猫用のご飯を作るね。
これから猫神さまにお世話になるご挨拶もかねて、ね」
「うむ。
そういうことであれば、お主の無礼を許そう」
実に偉そうな態度だが、地面に付けたその尻尾は、まるで蛇行する蛇のように左右へと激しく振られている。
横柄な言葉や態度とは裏腹に、内心ではかなり期待しているらしい。
「よし……」
髪を束ねてエプロンを付ける。
「初めて作るし、テレビで見たレシピとはちょっと違うけど……」
引っ越したばかりなので仕方がない。
落ち着いたら、また今度テレビのレシピ通りに作ってみよう。
そう考えた鈴音は、さっそく冷凍お刺身をパックごと流水に晒す。
ちょうど解凍してきたところで、火にかけていた鍋のお湯が沸騰した。
解凍し終えたばかりのパックを開け、中のお刺身をお湯に入れる。
そのまま数十秒ほど煮ると、火を消して1分ほど放置。
もちろん、調味料の類は一切投入しない。
「うむ」
キッチンに漂い始めた煮えた魚の匂いに、鍋の横に座った三毛猫が満足げに頷く。
まるで料理の達人か何かのような態度だが、作業台の上で左右に大暴れしているその尻尾は、内心を満たす期待を如実に表していた。
いい感じに煮えた鮪と鯛と鮭のスライス。
もうお刺身とは言えないわね、などと考えながら、鈴音はそれらを鍋から取り出し、別容器にあけて冷ます。
同じく、茹で汁も5さじほど掬い出し、別容器で冷ます。
「むぅ……」
余熱で微かに湯気が立っている煮魚のスライスに鼻をくっつける寸前まで顔を近づけた三毛猫が、悔しそうな唸りを上げる。
恐らく、猫舌のせいで食べたくても食べられないのだろう。
完全に生殺しである。
そんな待ちきれない様子の三毛猫に苦笑いを浮かべつつ、鈴音は猫缶を一つ取り出す。
開けてみると、パッケージ通り、魚フレークをゼリーで固めたものだった。
お椀に移したその姿は、まるで茶色いプリンである。
「よし」
お椀の中に、先程鍋から掬い出した煮汁を入れる。
そして、人肌より少し上の温度まで冷まされたその煮汁を使って、ゼリー状の猫缶を解し始めた。
視線を感じて目を向けてみると、三毛猫がこちらをガン見していた。
つい先程まで茹でたお刺身にギリギリまで顔を近づけていたというのに。
どうやら、茹で魚の美味しそうな匂いよりも、鈴音が何をしているのか気になるらしい。
暫く解すと、お椀の中身がいい感じになった。
鈴音の撹拌のおかげで、固まっていたフレークは完全に解けた。
ゼリーの部分も、加えた煮汁の余熱のおかげでとろとろに溶けている。
なかなかに美味しそうな仕上がりだ。
その証拠に、お椀の中身を見つめる三毛猫は、しきりに口を舐めている。
しかし、これで終わりではない。
「これを三等分して……」
お皿を3つ取り出した鈴音は、とろとろになった猫缶を3つの皿に均等に盛り付ける。
そして、熱が取れた鮪と鯛と鮭のスライスを、それぞれの皿に載せた。
「あとは……」
戸棚を一つずつ開けて、ドライフードを探す鈴音。
すると、横開きの戸棚の中に大きなプラスチック製の米櫃を見つけた。
中には、茶色いドライキャットフード──通称「猫のカリカリ」が入っている。
「これを一摘み……」
最後に、ワンプレート料理の添え物のように、カリカリを3つの皿にそれぞれ少量ずつ振りかける。
「これで完成!
私特製『マグロとタイとサケの猫缶皿~いつものカリカリを添えて~』です!」
料理番組のような紹介をする鈴音と、ゴクリと生唾を飲み込む三毛猫。
「テレビでは茹でたささみを使ってたけど、お魚もいい感じ」
納得したように頷くと、鈴音は三毛猫に振り向き、芝居がかった仕草で言った。
「では、猫神さま、居間までお持ちいたしますので──」
「うむ」
鈴音の言葉の途中で、三毛猫がキッチンの作業台から飛び降りた。
そのまま居間のある方へと走り出す。
普通の走り方ではない。
ポテポテと、文字通り一歩一歩が弾んでいた。
上下に揺れるお尻が、まるで「はよ来い」と急かしてきているかのようだ。
その可愛い姿に、鈴音は苦笑いを浮かべながら、3つの皿を載せたお盆を持って後を追ったのだった。
◆◆◆◆◆ あとがき ◆◆◆◆◆
拙作は、猫の可愛さとファンタジーな日常のほのぼの感を描いたものであり、決して猫の食事についての(正しい/間違った)知識を広めることを意図したものではありません。
(乂•ω•´)専門家の監修とか受けてないから、変に真似したりしないでね
もし描写に誤り等がありましたら、都度修正いたしますので、ぜひコメント欄にてご指摘ください。
_(:3」∠)_あくまでもストーリーの主体は日常生活だし、読者様に頼るのは間違ってるけど、間違ったままはよろしくない……
ご意見・ご感想お待ちしております。
(o_ _)o温かい目で見てね
猫缶でとびっきり美味しいものを作ると豪語した鈴音だが、さっそく壁にぶち当たった。
「食材がないのよね……」
引っ越しのために、冷蔵庫は空にした。
今この家にあるのは、生米と小麦粉、各種調味料、それとインスタント食品のみだ。
どれも、猫に与えるのは不適切だろう。
(一応、人間の食べ物も食べられるって猫神さまは言ってたけど……)
本人的には、猫用のものには遠く及ばないらしい。
それに、「猫缶で美味しいものを作る」と宣言した手前、猫用でないものを作るわけにはいかないだろう。
「あ」
何かを思い出した鈴音は、出かける準備をする。
「ちょっと待っててね、猫神さま」
「む?
何処に行くのだ?」
「コンビニ。
引っ越しのトラックでここに来る途中、近くにコンビニがあるのを見かけたの。
多分、30分くらいで戻ってこられるから、もう少しだけ我慢してね」
「むぅ……」
不満げな三毛猫に見送られながら、鈴音は家を出たのだった。
30分後。
「ただいま~」
「遅いぞ、小娘よ」
玄関の扉を開けると、不満げな三毛猫に出迎えられた。
見れば、三毛猫は鈴音が出かける前と全く同じ位置にいて、全く同じ姿勢をしている。
恐らく、その場でずっと待ってくれていたのだろう。
「おまたせしてごめんね、猫神さま。
でも、必要なものは全部揃ったから」
手に下げているレジ袋をシャカシャカ鳴らなしながら、靴を脱いで家に入る。
キッチンに直行すると、鍋でお湯を沸かし始めた。
「それで、何を買ってきたのだ?」
作業台に飛び乗った三毛猫が、レジ袋の中に頭を突っ込みながら尋ねてくる。
「冷凍お刺身よ」
じゃじゃ~ん、と見せつけるように取り出す鈴音。
「鮪と鯛と鮭、3種類買ってきたの。
ネットで調べてみたら、どれも猫が食べてもいいんだって」
「む……だから、我はただの猫ではないとあれほど──」
「分かってるよ。
猫神さまは神様だから、人間の食べ物でも食べられるんでしょ?」
「うむ」
「でも、やっぱり猫用のには敵わない、とも言ってたよね?」
「……うむ……」
返事に少し間があったのは、果たして図星だったからか、それとも強がっているのを見破られて恥ずかしくなったからか。
「だから、今日は猫用のご飯を作るね。
これから猫神さまにお世話になるご挨拶もかねて、ね」
「うむ。
そういうことであれば、お主の無礼を許そう」
実に偉そうな態度だが、地面に付けたその尻尾は、まるで蛇行する蛇のように左右へと激しく振られている。
横柄な言葉や態度とは裏腹に、内心ではかなり期待しているらしい。
「よし……」
髪を束ねてエプロンを付ける。
「初めて作るし、テレビで見たレシピとはちょっと違うけど……」
引っ越したばかりなので仕方がない。
落ち着いたら、また今度テレビのレシピ通りに作ってみよう。
そう考えた鈴音は、さっそく冷凍お刺身をパックごと流水に晒す。
ちょうど解凍してきたところで、火にかけていた鍋のお湯が沸騰した。
解凍し終えたばかりのパックを開け、中のお刺身をお湯に入れる。
そのまま数十秒ほど煮ると、火を消して1分ほど放置。
もちろん、調味料の類は一切投入しない。
「うむ」
キッチンに漂い始めた煮えた魚の匂いに、鍋の横に座った三毛猫が満足げに頷く。
まるで料理の達人か何かのような態度だが、作業台の上で左右に大暴れしているその尻尾は、内心を満たす期待を如実に表していた。
いい感じに煮えた鮪と鯛と鮭のスライス。
もうお刺身とは言えないわね、などと考えながら、鈴音はそれらを鍋から取り出し、別容器にあけて冷ます。
同じく、茹で汁も5さじほど掬い出し、別容器で冷ます。
「むぅ……」
余熱で微かに湯気が立っている煮魚のスライスに鼻をくっつける寸前まで顔を近づけた三毛猫が、悔しそうな唸りを上げる。
恐らく、猫舌のせいで食べたくても食べられないのだろう。
完全に生殺しである。
そんな待ちきれない様子の三毛猫に苦笑いを浮かべつつ、鈴音は猫缶を一つ取り出す。
開けてみると、パッケージ通り、魚フレークをゼリーで固めたものだった。
お椀に移したその姿は、まるで茶色いプリンである。
「よし」
お椀の中に、先程鍋から掬い出した煮汁を入れる。
そして、人肌より少し上の温度まで冷まされたその煮汁を使って、ゼリー状の猫缶を解し始めた。
視線を感じて目を向けてみると、三毛猫がこちらをガン見していた。
つい先程まで茹でたお刺身にギリギリまで顔を近づけていたというのに。
どうやら、茹で魚の美味しそうな匂いよりも、鈴音が何をしているのか気になるらしい。
暫く解すと、お椀の中身がいい感じになった。
鈴音の撹拌のおかげで、固まっていたフレークは完全に解けた。
ゼリーの部分も、加えた煮汁の余熱のおかげでとろとろに溶けている。
なかなかに美味しそうな仕上がりだ。
その証拠に、お椀の中身を見つめる三毛猫は、しきりに口を舐めている。
しかし、これで終わりではない。
「これを三等分して……」
お皿を3つ取り出した鈴音は、とろとろになった猫缶を3つの皿に均等に盛り付ける。
そして、熱が取れた鮪と鯛と鮭のスライスを、それぞれの皿に載せた。
「あとは……」
戸棚を一つずつ開けて、ドライフードを探す鈴音。
すると、横開きの戸棚の中に大きなプラスチック製の米櫃を見つけた。
中には、茶色いドライキャットフード──通称「猫のカリカリ」が入っている。
「これを一摘み……」
最後に、ワンプレート料理の添え物のように、カリカリを3つの皿にそれぞれ少量ずつ振りかける。
「これで完成!
私特製『マグロとタイとサケの猫缶皿~いつものカリカリを添えて~』です!」
料理番組のような紹介をする鈴音と、ゴクリと生唾を飲み込む三毛猫。
「テレビでは茹でたささみを使ってたけど、お魚もいい感じ」
納得したように頷くと、鈴音は三毛猫に振り向き、芝居がかった仕草で言った。
「では、猫神さま、居間までお持ちいたしますので──」
「うむ」
鈴音の言葉の途中で、三毛猫がキッチンの作業台から飛び降りた。
そのまま居間のある方へと走り出す。
普通の走り方ではない。
ポテポテと、文字通り一歩一歩が弾んでいた。
上下に揺れるお尻が、まるで「はよ来い」と急かしてきているかのようだ。
その可愛い姿に、鈴音は苦笑いを浮かべながら、3つの皿を載せたお盆を持って後を追ったのだった。
◆◆◆◆◆ あとがき ◆◆◆◆◆
拙作は、猫の可愛さとファンタジーな日常のほのぼの感を描いたものであり、決して猫の食事についての(正しい/間違った)知識を広めることを意図したものではありません。
(乂•ω•´)専門家の監修とか受けてないから、変に真似したりしないでね
もし描写に誤り等がありましたら、都度修正いたしますので、ぜひコメント欄にてご指摘ください。
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