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8. 妹の訪問
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私が体調不良を起こしたという話はヒューネル子爵家にも伝わっていたようで、後日両親から私を案ずる手紙が届いた。
私はライアンの看病のおかげもあり、たった数日で回復できた。
その旨を手紙にしたため送り返したところ、どういうわけか私の妹のデイジーから近日中に公爵家を訪問したいという申し出があった。
あの妹の考えていることは分からない。
昔からわがままで、私が大事にしているものや、私と仲良くなった友達など、片っ端から欲しがって私から奪おうとしてくるような妹だった。
姉でありながら、悔しいけれど気の強いデイジーに私は負けることが多かったし、人間関係の面でも外面がよく人懐っこいデイジーは、年上の人に可愛がってもらえることが多く、気づけば私よりもデイジーと過ごすようになっていたという人も多かった。
デイジーからは私のあることないことを吹き込まれ、私はおかげさまでそれほど友達が多くない。
もしかしたら両親からの手紙にライアンとの生活はどうかと聞かれていたので、私がライアンとの生活は順調に進んでいることそしてライアンの心のこもった看病に感動した旨を伝えた。両親を安心させたいと思って書いたものだった。
もしかしたらデイジーもその手紙を両親から読ませてもらったのかもしれない。
決してデイジーに自慢するつもりで書いたわけではなかったけれど、考えすぎかもしれないけれどデイジーが思いのほか突然の契約結婚で私がいい思いをしていることが気に入らなかったのかもしれない。
突然決まったデイジーの訪問に、私は嫌な予感しかしなかった。
そうしているうちにデイジーが訪れる日がやってきた。
一番最初に私にデイジーと二人で話す時間をライアンはくれた。
「へえ、ここでライアンと一緒に暮らしているのね。とても広くていい部屋じゃない」
「……ありがとう」
「本当お姉ちゃんにはもったいない。あんなイケメンでしかも契約結婚の予定の婚約者をものすごく思いやってくれる優しい彼と、こんな素敵な部屋で過ごしているだなんて」
「そのことを言いにわざわざここまで来たの?」
「フン、違うわ! 私はお姉ちゃんと話したいわけじゃなくて、あのライアン様と話したいのよ!」
私の嫌な予感が的中した。腕を組んで威張るように言うデイジーの目的は、やはりライアンだったようだ。
私の思った通り、デイジーは両親から私の書いた手紙を読ませてもらっていて、結婚を目前として同棲している私が羨ましくなってここに乗り込んできたようだ。
「でもデイジーはこの結婚は嫌だって言って断ったわよね?」
「ええ。でも気が変わったわ。お姉ちゃん、ものすごく嫌そうにしてたものね。だから私が変わってあげようと思うの」
「今更何を言ってるの? 私はもうここで想像以上に幸せに暮らしているから、そんなの結構だわ」
私の言葉に、デイジーが唇を噛み締める。
まさか今更変わってあげるだなんて言って、私が喜ぶとでも思ったのだろうか。
その時何とも言えないタイミングで部屋のドアがノックされた。
私はライアンの看病のおかげもあり、たった数日で回復できた。
その旨を手紙にしたため送り返したところ、どういうわけか私の妹のデイジーから近日中に公爵家を訪問したいという申し出があった。
あの妹の考えていることは分からない。
昔からわがままで、私が大事にしているものや、私と仲良くなった友達など、片っ端から欲しがって私から奪おうとしてくるような妹だった。
姉でありながら、悔しいけれど気の強いデイジーに私は負けることが多かったし、人間関係の面でも外面がよく人懐っこいデイジーは、年上の人に可愛がってもらえることが多く、気づけば私よりもデイジーと過ごすようになっていたという人も多かった。
デイジーからは私のあることないことを吹き込まれ、私はおかげさまでそれほど友達が多くない。
もしかしたら両親からの手紙にライアンとの生活はどうかと聞かれていたので、私がライアンとの生活は順調に進んでいることそしてライアンの心のこもった看病に感動した旨を伝えた。両親を安心させたいと思って書いたものだった。
もしかしたらデイジーもその手紙を両親から読ませてもらったのかもしれない。
決してデイジーに自慢するつもりで書いたわけではなかったけれど、考えすぎかもしれないけれどデイジーが思いのほか突然の契約結婚で私がいい思いをしていることが気に入らなかったのかもしれない。
突然決まったデイジーの訪問に、私は嫌な予感しかしなかった。
そうしているうちにデイジーが訪れる日がやってきた。
一番最初に私にデイジーと二人で話す時間をライアンはくれた。
「へえ、ここでライアンと一緒に暮らしているのね。とても広くていい部屋じゃない」
「……ありがとう」
「本当お姉ちゃんにはもったいない。あんなイケメンでしかも契約結婚の予定の婚約者をものすごく思いやってくれる優しい彼と、こんな素敵な部屋で過ごしているだなんて」
「そのことを言いにわざわざここまで来たの?」
「フン、違うわ! 私はお姉ちゃんと話したいわけじゃなくて、あのライアン様と話したいのよ!」
私の嫌な予感が的中した。腕を組んで威張るように言うデイジーの目的は、やはりライアンだったようだ。
私の思った通り、デイジーは両親から私の書いた手紙を読ませてもらっていて、結婚を目前として同棲している私が羨ましくなってここに乗り込んできたようだ。
「でもデイジーはこの結婚は嫌だって言って断ったわよね?」
「ええ。でも気が変わったわ。お姉ちゃん、ものすごく嫌そうにしてたものね。だから私が変わってあげようと思うの」
「今更何を言ってるの? 私はもうここで想像以上に幸せに暮らしているから、そんなの結構だわ」
私の言葉に、デイジーが唇を噛み締める。
まさか今更変わってあげるだなんて言って、私が喜ぶとでも思ったのだろうか。
その時何とも言えないタイミングで部屋のドアがノックされた。
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