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「リリィ、本当にこれでいいのか?」
「ええ、お父様」
私、リリィは、ついに婚約相手の公爵子息のレオンに婚約破棄を申し出ることに決めた。
きっかけは、先日呼ばれた交流パーティーでの失態だ。
交流パーティーのダンスの時間、レオンは私が婚約者であることから、私にダンスを申し込んでくれた。
この日のために毎日のように練習していた私は、不安はあったが喜んでレオンの手を取った。
しかし緊張のあまりステップを踏み外した私は転倒。それにより、ご馳走の乗ったテーブルにぶつかって料理をひっくり返して、他の令嬢のドレスを汚してしまい、交流パーティーを混乱させてしまい、余儀なく中断となった。
もともとレオンとはいわゆる幼馴染みだ。
親同士に交流があったことから、レオンとは長い付き合いだ。
けれど、学園に進学してから学業は常に底辺を這い、ダンスは下手、私は特別何の取り柄もなかった。努力だけは認めてもらえるが、それだけだ。努力に見合う実力は何においても身に付いていない。
それこそ伯爵家の令嬢であることを取り上げてしまっては、何も残らないだろう。自分でいうのも悲しいが、私は相当不器用で要領が悪い。
一方で、レオンは学業優秀で、容姿端麗、将来を期待されている公爵子息だ。私自身、幼い頃から好意を抱いていたためにレオンと婚約したときは嬉しかったが、こんな自分ではレオンにもっと恥をかかせてしまうと思った。
先日のパーティーが婚約をお披露目するパーティーじゃなくて本当によかった。
表だって婚約を発表する前に破棄を申し出た方がいいだろう。
そうして、先日のパーティーでの失態の一部始終を見ていた両親に涙ながらに説明して、私はレオンとの婚約を破棄することにしたのだ。
きっとお父様は、私の気持ちを知っているから本当にそれでいいのかと最後に聞いてきたのだろう。
けれど、この婚約は破棄してしまった方がレオンのためだ。
そうと決まれば、私はアポを取るためにレオンに手紙を書いた。
呼び出す理由は書けなかったけれど、パーティーでの失態を謝罪した上でアポを取れた私は約束の日まで気が気じゃなかった。
◇
「リリィ、どうした?」
約束の日。この前のパーティーの失態から初めて顔を合わせるものの、レオンは意外にも怒っている様子はない。
「この前は、ごめんなさい」
「この前? ああ、パーティーの時のことか。気にするな。本当にリリィはどうしようもないよな」
軽く笑うレオンの真意はわからない。
もしかしたら、私に気を使って優しくしてくれているだけで、本当は内心相当怒っているのかもしれない。
「今日は、その……、話があるの」
私は意を決して本題を口にする。
「何? そんなに改まって」
「私との婚約を破棄してください」
「は?」
「さようなら!!」
「おい!」
勇気を出して婚約破棄の意思を告げると、私はレオンに背を向けて走り出した。
レオンの顔は見られなかった。
「ええ、お父様」
私、リリィは、ついに婚約相手の公爵子息のレオンに婚約破棄を申し出ることに決めた。
きっかけは、先日呼ばれた交流パーティーでの失態だ。
交流パーティーのダンスの時間、レオンは私が婚約者であることから、私にダンスを申し込んでくれた。
この日のために毎日のように練習していた私は、不安はあったが喜んでレオンの手を取った。
しかし緊張のあまりステップを踏み外した私は転倒。それにより、ご馳走の乗ったテーブルにぶつかって料理をひっくり返して、他の令嬢のドレスを汚してしまい、交流パーティーを混乱させてしまい、余儀なく中断となった。
もともとレオンとはいわゆる幼馴染みだ。
親同士に交流があったことから、レオンとは長い付き合いだ。
けれど、学園に進学してから学業は常に底辺を這い、ダンスは下手、私は特別何の取り柄もなかった。努力だけは認めてもらえるが、それだけだ。努力に見合う実力は何においても身に付いていない。
それこそ伯爵家の令嬢であることを取り上げてしまっては、何も残らないだろう。自分でいうのも悲しいが、私は相当不器用で要領が悪い。
一方で、レオンは学業優秀で、容姿端麗、将来を期待されている公爵子息だ。私自身、幼い頃から好意を抱いていたためにレオンと婚約したときは嬉しかったが、こんな自分ではレオンにもっと恥をかかせてしまうと思った。
先日のパーティーが婚約をお披露目するパーティーじゃなくて本当によかった。
表だって婚約を発表する前に破棄を申し出た方がいいだろう。
そうして、先日のパーティーでの失態の一部始終を見ていた両親に涙ながらに説明して、私はレオンとの婚約を破棄することにしたのだ。
きっとお父様は、私の気持ちを知っているから本当にそれでいいのかと最後に聞いてきたのだろう。
けれど、この婚約は破棄してしまった方がレオンのためだ。
そうと決まれば、私はアポを取るためにレオンに手紙を書いた。
呼び出す理由は書けなかったけれど、パーティーでの失態を謝罪した上でアポを取れた私は約束の日まで気が気じゃなかった。
◇
「リリィ、どうした?」
約束の日。この前のパーティーの失態から初めて顔を合わせるものの、レオンは意外にも怒っている様子はない。
「この前は、ごめんなさい」
「この前? ああ、パーティーの時のことか。気にするな。本当にリリィはどうしようもないよな」
軽く笑うレオンの真意はわからない。
もしかしたら、私に気を使って優しくしてくれているだけで、本当は内心相当怒っているのかもしれない。
「今日は、その……、話があるの」
私は意を決して本題を口にする。
「何? そんなに改まって」
「私との婚約を破棄してください」
「は?」
「さようなら!!」
「おい!」
勇気を出して婚約破棄の意思を告げると、私はレオンに背を向けて走り出した。
レオンの顔は見られなかった。
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