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1 出会い
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もう、2人はすでに一糸まとわぬ姿になっている。俊哉は薫の足の間に座ると、体を重ねて、体重をかける。2本の彼ら自身が、ねっとりとした液体でこすれて、下腹部を汚していく。
唇がつながり、唾液を交換し合って、酸素を求めようと口を離すと、妖しく輝く糸が薫と俊哉を繋いだ。
「そろそろ僕、限界なんだ」
もう今にも欲望を吐き出しそうな俊哉のものは、信じられないくらいに膨らんで、これからのことにたまらなく興奮している。
俊哉は、薫の返答を待たずに、薫のそこに自分のペニスをあてがう。先端でそこをくすぐると、カウパーと興奮でぬれていくのがわかる。
目を固く閉じ、下唇をかみしめて、それを期待する。ほんの僅か、力がかかるのがわかった。
「薫、深呼吸して、力抜いて?」
いわれるがまま、ゆっくり息を吐きながら体全体の力を抜く。その瞬間、俊哉が薫を貫いた。
「んあっ! つ……っ!」
悲鳴とも、歓喜ともつかない声が止まらない。初めて大きく広げられる場所は、俊哉を中から感じて、快楽に似た痛みを発する。必死に耐える薫の顔を、愛おしげに俊哉は眺めて、額にキスをする。
数分そのまま、俊哉は薫を抱きしめる。それでも衰えない勃起に、時折薫は腰をひねって、耐えていく。耐えていくにつれ、まるで体の一部であったかのように挿入口が吸い付いて、俊哉の形に合わせて変形していく。
「はぁ、はぁ……。いいから、動いて、くれ」
「もう慣れた? そしたら、動くよ」
ゆっくりと大きいピストン運動で、薫の中が蹂躙されていく。抜かれたときの緩和は、解放感を、押し込まれた緊張感は鈍痛とともに、頭を真っ白にする性感を与える。薫自身からも透明な液体を吐き出し、奥を付かれるたびに緩やかな射精感が増していく。
「あ、あ……くっ、ん……」
すでに言葉にならない。ただ、俊哉だけを感じるだけだ。指が組まれ、ベッドに押さえつけられ、天への階段を登っていく。何も考えられない、俊哉をすべて受け止めることだけが、自分の幸せであるような気がした。どれくらいそれが続いたのか、わからない。
「僕、そろそろ限界だ……。このまま、いい?」
そんな言葉がかろうじて聞こえた。それに必死で首を縦に振ると、動きが大きく、鋭くなって、薫の一番弱いところを見つけあてる。
「いくよ、薫」
俊哉のペニスが最大に膨れ、亀頭が跳ね上がる。それとともに、薫のそれから白濁した液体がどろりとこぼれて、宙に投げ出されたような浮遊感と、温かい多幸感で見たされる。最後にキスがあった。お互いが落ち着くように、優しく触れるだけの。薫の精液は俊哉の下腹部についている。そんなことは構わず、ただ、お互いの体温が言いようもなく心地よかった。
**********
薄いカーテンは朝日が差し込むと何の役にも立たなかった。窓は東を向いていて、部屋の中は温室のようになることもある。気だるい気分を抱えたまま、薫は目を覚ました。
――久しぶりに、シュンの夢を見た。
掛け布団の中で、自分のそれをまさぐるが、夢精はしていない。こんな夢を見るなんて、欲求不満がたたっているのだろうか。それでも、まるですでに一回果てたような、そんな疲労感がぬぐえない。
「あっ、かおるくん。起きたんですね! おはようございます!」
明るく、楽しげなそんな声が聞こえた。慌てて体を起こすと、胡坐をかいて肩を左右に揺らして笑っているレイの姿がいた。そういや、こんなやつを拾ってきたんだったな。心の中だけでそうつぶやく。
「ああ、もう起きてたのか。朝飯食いたいなら、その辺のもの、適当に食ってろ」
「いいえ、僕はとりあえずお腹は満足してますよ~。ただ、かおるくん、起きなくていいのかなって思って」
起きなくていいのか? そこまで言われてスマホをつける。時間は9時を回ろうとしている。
「やばい! 起きてるなら起こせ!」
立ち上がって、最低限の支度をする。レポートも昨日の騒動で終わっていない、第一今から向かって、その提出時間に間に合うか、それすら怪しい。電車の中で何とか終わらせる以外に方法はなかった。
「いや、だって僕はかおるくんが何時に起きるかなんて知らないですよ?」
「そんなことはどうだっていい。帰るんだったら適当に帰ってろ。いいな?」
着替えとノートパソコンの入ったバッグだけを持って、玄関を開ける。
「わかりました! それじゃあ行ってらっしゃい!」
そんなレイの見送りが、言いようもなくいら立って、わざとらしく音を立ててドアを閉める。走ればぎりぎり間に合うだろうか。
唇がつながり、唾液を交換し合って、酸素を求めようと口を離すと、妖しく輝く糸が薫と俊哉を繋いだ。
「そろそろ僕、限界なんだ」
もう今にも欲望を吐き出しそうな俊哉のものは、信じられないくらいに膨らんで、これからのことにたまらなく興奮している。
俊哉は、薫の返答を待たずに、薫のそこに自分のペニスをあてがう。先端でそこをくすぐると、カウパーと興奮でぬれていくのがわかる。
目を固く閉じ、下唇をかみしめて、それを期待する。ほんの僅か、力がかかるのがわかった。
「薫、深呼吸して、力抜いて?」
いわれるがまま、ゆっくり息を吐きながら体全体の力を抜く。その瞬間、俊哉が薫を貫いた。
「んあっ! つ……っ!」
悲鳴とも、歓喜ともつかない声が止まらない。初めて大きく広げられる場所は、俊哉を中から感じて、快楽に似た痛みを発する。必死に耐える薫の顔を、愛おしげに俊哉は眺めて、額にキスをする。
数分そのまま、俊哉は薫を抱きしめる。それでも衰えない勃起に、時折薫は腰をひねって、耐えていく。耐えていくにつれ、まるで体の一部であったかのように挿入口が吸い付いて、俊哉の形に合わせて変形していく。
「はぁ、はぁ……。いいから、動いて、くれ」
「もう慣れた? そしたら、動くよ」
ゆっくりと大きいピストン運動で、薫の中が蹂躙されていく。抜かれたときの緩和は、解放感を、押し込まれた緊張感は鈍痛とともに、頭を真っ白にする性感を与える。薫自身からも透明な液体を吐き出し、奥を付かれるたびに緩やかな射精感が増していく。
「あ、あ……くっ、ん……」
すでに言葉にならない。ただ、俊哉だけを感じるだけだ。指が組まれ、ベッドに押さえつけられ、天への階段を登っていく。何も考えられない、俊哉をすべて受け止めることだけが、自分の幸せであるような気がした。どれくらいそれが続いたのか、わからない。
「僕、そろそろ限界だ……。このまま、いい?」
そんな言葉がかろうじて聞こえた。それに必死で首を縦に振ると、動きが大きく、鋭くなって、薫の一番弱いところを見つけあてる。
「いくよ、薫」
俊哉のペニスが最大に膨れ、亀頭が跳ね上がる。それとともに、薫のそれから白濁した液体がどろりとこぼれて、宙に投げ出されたような浮遊感と、温かい多幸感で見たされる。最後にキスがあった。お互いが落ち着くように、優しく触れるだけの。薫の精液は俊哉の下腹部についている。そんなことは構わず、ただ、お互いの体温が言いようもなく心地よかった。
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薄いカーテンは朝日が差し込むと何の役にも立たなかった。窓は東を向いていて、部屋の中は温室のようになることもある。気だるい気分を抱えたまま、薫は目を覚ました。
――久しぶりに、シュンの夢を見た。
掛け布団の中で、自分のそれをまさぐるが、夢精はしていない。こんな夢を見るなんて、欲求不満がたたっているのだろうか。それでも、まるですでに一回果てたような、そんな疲労感がぬぐえない。
「あっ、かおるくん。起きたんですね! おはようございます!」
明るく、楽しげなそんな声が聞こえた。慌てて体を起こすと、胡坐をかいて肩を左右に揺らして笑っているレイの姿がいた。そういや、こんなやつを拾ってきたんだったな。心の中だけでそうつぶやく。
「ああ、もう起きてたのか。朝飯食いたいなら、その辺のもの、適当に食ってろ」
「いいえ、僕はとりあえずお腹は満足してますよ~。ただ、かおるくん、起きなくていいのかなって思って」
起きなくていいのか? そこまで言われてスマホをつける。時間は9時を回ろうとしている。
「やばい! 起きてるなら起こせ!」
立ち上がって、最低限の支度をする。レポートも昨日の騒動で終わっていない、第一今から向かって、その提出時間に間に合うか、それすら怪しい。電車の中で何とか終わらせる以外に方法はなかった。
「いや、だって僕はかおるくんが何時に起きるかなんて知らないですよ?」
「そんなことはどうだっていい。帰るんだったら適当に帰ってろ。いいな?」
着替えとノートパソコンの入ったバッグだけを持って、玄関を開ける。
「わかりました! それじゃあ行ってらっしゃい!」
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