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58 誘惑※
しおりを挟むガチャっとドアを開けて、俺はその場で立ち止まり、目を見張る。
……ッ!!!!!!
「うーん、熱いよぉー」
シュリはそう言いながら、ベッドの上で裸になっていた。俺は危うく手に持っていた水差しとコップを落としそうになる。
「シュリ」
シュリの服はベッドの下に無造作に落ちていた。俺が出て行った後にすぐに脱いだのだろう。
「んー、熱いーっ、アレクシスぅーっ」
シュリは潤んだ瞳でじっと俺を見つめ、美しい裸体を俺の前に惜しげもなく晒した。どくっと血が巡る。
「はぁっはぁっ、アレクシス、体、熱い。どうにか、してぇ」
息を上げて俺に手を伸ばし、シュリは誘うように言う。
俺はその姿を見て、ただ唾を飲むことしかできなかった。
「ううーっ、ここ、熱い、なんで?」
シュリは惜しげもなく、俺に股を開いて見せ、何もついていない股間に手を当てて不思議そうに呟いた。無毛のそこには排泄機能としての穴しかなく、男や女のような生殖器がない。
「アレクシスぅぅ、なんか、苦しぃ、助けて……うっ、ううっ、えーんっ」
シュリはどうして自分の体が熱くなっているのかわからず、苦し気に泣き出し始めた。それはまるで子供が泣いているように。
そんな痛々しい見たら、俺は大きなため息を吐きながらもこの部屋から出て行くことはもうできなかった。
……シュリは薬で自我を失くしているんだ。これは仕方ないんだ。
俺は自分に言い聞かせて覚悟を決めると、水差しとコップをサイドテーブルに置き、ふぅーっと息を吐くいて襟元を緩め、そっとベッドに乗り上げた。
「シュリ、泣くな。俺がどうにかしてやる。その、俺も初めてだから……うまくは、やれんかもしれんが」
俺が告げると、シュリは潤んだ瞳で俺を見上げ「ほんと? アレクシス、助けてくれるぅ?」と涙をぽろっと落として言った。
「ああ、本当だ。だから、泣くな」
俺が頬に指を滑らして涙を拭うと、シュリはにぱっと笑った。
「うん。アレクシス……大好き」
シュリは返事をした後、手を伸ばして俺にぎゅうっと抱き着いてきた。
大好き、という言葉に俺の心臓はドキッと鳴る。そして、今までにないくらい鼓動が早鐘を打つ。
……今の大好きは、ただ単に口から出ただけだ。本当に俺を好きな訳じゃない。勘違いするな。
俺は自分にそう言ったが、いつまでも大好きの言葉が頭から離れない。
俺の理性は、一体いつまでもつだろうか……。
まるで見えない強敵と戦う気分で重いため息を吐いた。
昼もだいぶ過ぎ、おやつの時間に差し掛かろうとしていた頃。
薄暗い部屋に、甘い声が響いていた。
「んっんぅ、あれ、くしすぅ」
シュリは胡坐をかいて座る俺の右足の上に乗り、甘えるように抱きついてキスをしてきた。
全裸のシュリに対して俺は上着をだけを脱ぎ、シャツのボタンを数個だけ開くだけにしていた。シュリと肌を合わせたら理性が保てないこと確実だったからだ。
そして当然、まだズボンは履いている。でもすでに股間が張り詰めて酷く痛い。俺自身を外に出せと言っているようにズボンの下で突っぱねている。けれど、シュリに今の俺の状況は見せられなくて。
それなのにシュリは俺の理性を吹き飛ばすかのように俺の太ももに股をこすりつけてくる。生殖器が無いはずなのに、体にプログラムされているのか? というほど腰をくねらせて、股を前後に揺らして擦る。
「んんっ、アレクシス、もっと触って」
シュリはまどろんだ、妖しい目で俺を誘う。まるで妖艶な魔性の女のようだ。俺の股間が更にじりじりと痛みを増す。
それでも俺は従順にシュリの体を両手で触り、胸のちょっと尖った飾りを親指で擦った。
「ひゃっ、あっ、それ、んんっ」
シュリは悶えてぴくぴくぴくっと小さく震えた。
その姿と言ったら、まるで小動物のようで。
俺の息が上がっていく。シュリを食いたいと、俺の本能が体に訴えてくる。
「アレクシス、もっと触ってぇ」
「……シュリ」
俺は誘われるようにシュリの乳首にぺろりと舌を這わせた。ちっちゃく尖った乳首が存在を主張するように硬くなっている。
「んんっ、アレクシスぅぅ」
「なんだ? 嫌だったか?」
不安になって尋ねればシュリは、はあっはあっと息を乱しながらも首を横に振った。
「ううん、きもちぃよ。もっと、して?」
シュリはへらっと笑って俺に言った。どわっと俺の中の血が一気に全身に駆け巡る。俺は堪らずに乱暴にシュリの乳首にもう一度舌を這わせた。でも今度は舐めるだけじゃない、唇で挟んで、ちゅうっちゅうっと吸った。
「ああぁんっ、あっ!」
シュリはびくびくっと体を震わせ、この行為が気持ちいいのだと知って、俺は遠慮なくシュリの乳首を嬲って、吸って、甘く噛んだ。
だがその途端、俺が支えているシュリの背中がぐいーっとのけ反った。まるで俺の舌から逃れるように。でも、俺は逃さないように片手でしっかりシュリの背を支え、ちゅうっと強めに吸う。すると細い首から甘い声が弾け出た。
「あっんっ! アレクシスぅ……も、乳首ばっかりは、だめっ。気持ち良すぎちゃうぅ!!」
シュリは俺の頭を弱々しい力で押しのけ、抗議した。でも、すっかりシュリの乳首に夢中になってしまった俺は離さず、片手でシュリの乳首をもてあそび、もう一つの乳首を舌で転がして、唇で挟むときゅっと食んで引っ張った。
するとシュリの体はびくっと大きく跳ね、体が痙攣した。
「あああーっ!!」
シュリは大きな声を上げ、俺は咄嗟に顔を乳首から離した。シュリはびくびくっと動いた後、くたっとしな垂れると、胸を大きく上下に動して空気を一杯吸うように呼吸をした。
その様子に、やりすぎてしまっただろうか? と一瞬、不安になるが、シュリの顔を見ると気持ちよさそうに顔をとろけさせている。
……もしかして、今ので達してしまったのか?
「シュリ、大丈夫か?」
俺が声をかけると、シュリはゆっくりと視線を動かして俺を見た。
「はぁっはぁっ、なんか……すごい、の、きたぁぁ」
シュリは息を整えながら俺に言った。どうやら本当に乳首だけでイってしまったようだ。そのおかげか、ちょっとだけシュリの顔がスッキリして見える。
これでチョコレートの媚薬効果が少しでも薄れればいいが。と冷静な俺は思う。
だがその一方で、欲望を吐き出していない本能の俺はムラムラして、てらてらっと俺の唾液で濡れたシュリの乳首を見ると、もう一度吸いたくなる欲望に掻き立てられた。
……が、我慢だ、我慢っ!
そう必死に自分に言い聞かせる。ふぅーふぅーっと鼻息が荒くなる。そんな俺を見て、シュリは小悪魔的にふふっと笑った。
「俺の乳首、そんなにおいしかったぁ?」
「えっ?!」
「アレクシス、たべたそぅ。ふふっ」
シュリに言われて俺は顔に血が集まる。俺はそんなに物欲しそうな顔をしていただろうか。恥ずかしい。でもシュリは俺に身を寄せると耳元で、まるで娼婦のように囁いた。
「あとでまた舐めて」
その言葉に、俺の中の欲望がまた沸き上がる。
そして俺のペニスは俺の気持ちに正直に反応して、窮屈なズボンの中で今までにないくらい大きくなっている。その痛みに俺は思わず「くっ」と堪えて、身を屈めた。
しかしそんな俺を見てか、シュリは視線を落とし、俺の股間を見た。俺の股間は張り詰めていて、しっかりとテントを張っている。あまり見られて嬉しいものじゃない。
「アレクシス、これ」
シュリは不思議そうな声で俺に尋ねてきたが、俺は咄嗟に手で股間を隠した。
「シュリ、これはいいから」
俺は手で股間を隠すが、シュリは思ったよりも力強い両手でべりっと俺の手をはぎ取った。そこにはこんもりとした股間がある。
「苦しそぅー」
シュリは呟くと手を伸ばして、俺のズボンの留め具を的確に外すと、チャックを器用に開け、ずるっとズボンと下着をずらした。
途端、解放されたそれはぶるんっと顔を外に出し、外に出された俺のペニスは、どうだ! と言わんばかりにギンギンに勃って、先走りを漏らしていた。完全に戦闘モードだ。
でも、その俺のペニスを見たシュリは恍惚とした顔をした。
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