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第三章「キスは不意打ちに!」
最終話 ケロロッ
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「なんですか? キスして欲しいんですか?」
「んなわけあるか!」
「おや、残念です」
隣に座るレノはくすっと笑って言い、俺は貞操の危機を感じる。
……むむ。俺、レノと一緒に帰って大丈夫だろうか? やっぱり別の馬車で。
だが、そう思っている内にレノは先手必勝、コンコンッと小窓を叩いて「出してください」と御者に声をかけた。そうすれば馬車がゆっくりと動き始める。
「眠くなったら寄りかかって下さって構いませんからね?」
レノは笑顔で俺に言った。どうやら逃げられないらしい。
「変な事したら、タダじゃ済まさないからな? ぎったんぎったんのめっちょんめっちょんにするからなっ」
「おや、めっちょんめっちょんですか。怖いですねぇ」
レノは笑いながら呑気に言った。俺の脅しをなんとも思ってないようだ、コノヤロウ。
「それよりキトリー様、皆さん手を振ってますよ」
レノに言われて俺は窓の外を見れば、手を振るみんなの姿にちょっぴり寂しく思う。
……とはいっても、また呼び出しを食らいそうだけど。
俺はそんなことを思いつつ手を振り返す。だがその中にサラおばちゃんを見つけて。
「レノ、サラおばちゃんの傍にいなくていいのか?」
再度確認する様に聞けば、レノは微笑んだ。
「何を今更。私の居場所は貴方の傍です」
あんまりにも優しく微笑むものだから俺の胸がドキッとする。そして眩しい。
……最近の俺、レノにドキドキされっぱなしな気が。気を引き締めていかねば。
俺は胸を抑えつつ思う。だが見送る人影が小さくなった頃、俺は不意に昨日の出来事を思い出す。
……そういや昨日、アボンとかいう奴に迫られた時は悪寒しかしなかったのにレノにはそういうの感じないなー? なんでだろ、長く一緒にいるからかな? 事故とはいえ、チューしても全然平気だし。やっぱり顔がイケメンだからか??
俺は隣に座るレノを見る。今日も今日とて、とっても綺麗なお顔をしていらっしゃる。まつ毛バサバサ。
「どうしました?」
「いや、ちょっと昨日の事を考えていてな」
俺は曖昧に答えて顎に手を当てる。けれどそんな俺にレノは聞いてきた。
「昨日と言えば、アントニオ君に貰っていた首輪。ディエリゴ様に渡してよかったんですか?」
「なんで、トニ男が首輪をくれたって知ってんの!?」
……俺、見せてないんですけど?! 昨日見せろって迫ったのは?!
俺が驚けばレノはにこっと笑った。
「実はアントニオ君に先に聞いていました。キトリー様に使ってくださいと」
……トニ男ォォォッ!!
「ちょ、アブノーマルは駄目だぞ!?」
「そういうキトリー様はディエリゴ様に渡したじゃないですか」
「あそこは仲良しカップルだからいいの!」
「私達も仲良しカップルでしょう?」
……誰がだッ!
そう言いたいが言ったが最後、言い返されるのが目に見えてわかるので俺はうぐぐっと口を噤む。
「しかし、ディエリゴ様に渡して大丈夫だったんですか? ジェレミー王子が」
「今日は使い物にならないだろーなぁ」
心配そうに呟くレノに俺は窓の外を見て呟く。
……ジェレミーは今日はベッドで寝込んでるだろうなー。なんたって、まさかのディエリゴが攻め様、だもんなぁ。
実はディエリゴはあんなに可愛い顔してゴリゴリの攻めなのだ。しかも絶倫(ジェレミー本人談)。
「お二人の関係には驚きました」
「まあな。でも人は見かけによらないって言うから」
俺は心の中でジェレミーの無事を祈りつつ、レノの言葉にしみじみと答える。
……あんなに可愛いのになぁ。ま、二人が幸せならいいけど。……ハッ、でもレノも俺にそんな展開を望んでたりしないよな?!
俺がちらりと見るとレノはにっこりと笑った。
「私は坊ちゃんを抱きたい方ですのでご安心を」
……だから心を読むんじゃありません!!
「何がご安心なんだよ! 離れろケダモノぉっ!」
「おや、男は皆好きな人の前ではケダモノですよ?」
レノは俺の腰をぎゅむっと掴み、逃がさないという顔で俺を見た。ヤバい(汗)
「そ、そうだ! 婚前交渉は駄目だぞッ?! 俺、令息だからな!」
……とはいっても、ジェレミー達は結婚前に致してるけど。でも基本、貴族は婚前交渉NGなのだ! NOえちえち!
「そう出ましたか。でも心配しなくても無作法はしないと言ったでしょう? キトリー様の気持ちが整うまで待ちます」
レノの言葉に俺はホッと息を吐く。どうやら俺のお尻はまだしばらく大丈夫なようだ。
……ふぅ、良かった。俺ぐらいの貴族になると婚姻には王家の許可とか父様の許可がいるからな。結婚なんてずーっと先の話だ。その内にレノも俺に呆れて諦めるだろう。いや、諦めてください。俺にお前のアナコンダくんは調教できません。
そう思ったのだが、レノはやっぱりレノだった。
「ですが。キトリー様の気持ちが整い次第、速やかに結婚できるよう許可を頂いておりますので、いつでもおっしゃってくださいね?」
「ハイぃッ?!」
思いもよらぬ返しに俺は声を上げる。だがレノは持っていた鞄から一枚の書類を取り出し、俺に見せた。そこには婚姻許可証と書かれ、陛下とジェレミー、父様の署名が入っている。
……ちょっとぉぉぉ!! なんで署名があるの!
そう思うが、すぐにピースサインをする父様が頭に浮かぶ。
『面白そうだから、サインしちゃったー☆』
軽く言う感じまで想像がつく。
「あのオヤジィ! ジェレミーの時といい今度といい」
……なんて事してくれるんだ! しかも陛下もジェレミーもサインしちゃって!!
『だってお前達、いずれ結婚するだろ?』
『そうですよね。父上』
なんて会話してる二人の声が聞こえてくるよう。
「という訳ですので、旦那様にも陛下達にも認められていますので、あとはキトリー様の返事次第ということです」
レノはにっこり笑って俺に言う。
ガッデムッッッ!!
「いや~、結婚は早いんじゃないかー? 俺達、付き合いだしたばかりだしぃ」
「そうはいっても、かれこれ十五年も一緒にいますよ?」
「ま、まあ、そーですけどぉ」
俺は目もそぞろに答える。
……というか外堀埋められまくってない!? 手回し早すぎぃ!!
「どうしました?」
レノは笑みを浮かべて俺を見た。その赤い瞳は俺をロックオンしている。まさに蛇に睨まれた蛙とはこの事……ケロロッ。
……いや、しかし俺が返事をしなければレノは手を出さないはず。約束を反故にはしない男だ!! つまり俺が拒否ってれば、いつかは。
俺は微かな希望を胸に抱く。しかしレノは怖いくらい極上の笑みを俺に見せた。
「坊ちゃん。待ちますと言いましたが、あまり長く待たされては初めての時に優しくできないかもしれません。その所はご容赦くださいね?」
キランッとレノの瞳が光る。そんな目で見つめられたら、カエルな俺はお尻を震わせて小さく返事をするしかなかった。
「け、ケロッ」
……どんだけ俺が好きなんだ! 重(ヘビー)過ぎるわっ!!!(泣)
だけど俺の叫びは誰にも届かず、馬車は静かに別邸へと向かうのであった――。
◇◇◇◇
――しかしその頃。別邸近くの森の中で、一人の男が迷っていた。
「ふぅ、この道だと思ったんだけどなぁ。まあ、西に向かえばいつかは着くかな」
方位磁針を手に男は笑みを浮かべた。
「会うのは久しぶりだな。元気にしてるといいけど、キトリー」
そう呟いたのだった――――。
***********
今回、キトリーとレノはチューまで(ほぼ事故ですが)やってきました。
でもあまりにいちゃいちゃシーンが少なすぎて、作者は段々「これ、BLとして書いてていいのだろうか?(・.・;)」と思う今日この頃です(笑)
ただ今回も楽しんで読んで頂ければ、幸いでございます。
そして、次回についてですが。
別邸に帰ってきたキトリーの元にある人物が訪れます。
それは勿論、この最終話の最後に出てきた人なのですが……。
次回、第四章「ディープな関係」で。
それまでどうぞお楽しみに!(/・ω・)/ヨロシク
※ちなみに余談ですが。去年の今日、このお話がスタートしました。(初投稿日は2021/6/23)
いやー、一年って早いなぁ~(;^ω^)
「んなわけあるか!」
「おや、残念です」
隣に座るレノはくすっと笑って言い、俺は貞操の危機を感じる。
……むむ。俺、レノと一緒に帰って大丈夫だろうか? やっぱり別の馬車で。
だが、そう思っている内にレノは先手必勝、コンコンッと小窓を叩いて「出してください」と御者に声をかけた。そうすれば馬車がゆっくりと動き始める。
「眠くなったら寄りかかって下さって構いませんからね?」
レノは笑顔で俺に言った。どうやら逃げられないらしい。
「変な事したら、タダじゃ済まさないからな? ぎったんぎったんのめっちょんめっちょんにするからなっ」
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レノは笑いながら呑気に言った。俺の脅しをなんとも思ってないようだ、コノヤロウ。
「それよりキトリー様、皆さん手を振ってますよ」
レノに言われて俺は窓の外を見れば、手を振るみんなの姿にちょっぴり寂しく思う。
……とはいっても、また呼び出しを食らいそうだけど。
俺はそんなことを思いつつ手を振り返す。だがその中にサラおばちゃんを見つけて。
「レノ、サラおばちゃんの傍にいなくていいのか?」
再度確認する様に聞けば、レノは微笑んだ。
「何を今更。私の居場所は貴方の傍です」
あんまりにも優しく微笑むものだから俺の胸がドキッとする。そして眩しい。
……最近の俺、レノにドキドキされっぱなしな気が。気を引き締めていかねば。
俺は胸を抑えつつ思う。だが見送る人影が小さくなった頃、俺は不意に昨日の出来事を思い出す。
……そういや昨日、アボンとかいう奴に迫られた時は悪寒しかしなかったのにレノにはそういうの感じないなー? なんでだろ、長く一緒にいるからかな? 事故とはいえ、チューしても全然平気だし。やっぱり顔がイケメンだからか??
俺は隣に座るレノを見る。今日も今日とて、とっても綺麗なお顔をしていらっしゃる。まつ毛バサバサ。
「どうしました?」
「いや、ちょっと昨日の事を考えていてな」
俺は曖昧に答えて顎に手を当てる。けれどそんな俺にレノは聞いてきた。
「昨日と言えば、アントニオ君に貰っていた首輪。ディエリゴ様に渡してよかったんですか?」
「なんで、トニ男が首輪をくれたって知ってんの!?」
……俺、見せてないんですけど?! 昨日見せろって迫ったのは?!
俺が驚けばレノはにこっと笑った。
「実はアントニオ君に先に聞いていました。キトリー様に使ってくださいと」
……トニ男ォォォッ!!
「ちょ、アブノーマルは駄目だぞ!?」
「そういうキトリー様はディエリゴ様に渡したじゃないですか」
「あそこは仲良しカップルだからいいの!」
「私達も仲良しカップルでしょう?」
……誰がだッ!
そう言いたいが言ったが最後、言い返されるのが目に見えてわかるので俺はうぐぐっと口を噤む。
「しかし、ディエリゴ様に渡して大丈夫だったんですか? ジェレミー王子が」
「今日は使い物にならないだろーなぁ」
心配そうに呟くレノに俺は窓の外を見て呟く。
……ジェレミーは今日はベッドで寝込んでるだろうなー。なんたって、まさかのディエリゴが攻め様、だもんなぁ。
実はディエリゴはあんなに可愛い顔してゴリゴリの攻めなのだ。しかも絶倫(ジェレミー本人談)。
「お二人の関係には驚きました」
「まあな。でも人は見かけによらないって言うから」
俺は心の中でジェレミーの無事を祈りつつ、レノの言葉にしみじみと答える。
……あんなに可愛いのになぁ。ま、二人が幸せならいいけど。……ハッ、でもレノも俺にそんな展開を望んでたりしないよな?!
俺がちらりと見るとレノはにっこりと笑った。
「私は坊ちゃんを抱きたい方ですのでご安心を」
……だから心を読むんじゃありません!!
「何がご安心なんだよ! 離れろケダモノぉっ!」
「おや、男は皆好きな人の前ではケダモノですよ?」
レノは俺の腰をぎゅむっと掴み、逃がさないという顔で俺を見た。ヤバい(汗)
「そ、そうだ! 婚前交渉は駄目だぞッ?! 俺、令息だからな!」
……とはいっても、ジェレミー達は結婚前に致してるけど。でも基本、貴族は婚前交渉NGなのだ! NOえちえち!
「そう出ましたか。でも心配しなくても無作法はしないと言ったでしょう? キトリー様の気持ちが整うまで待ちます」
レノの言葉に俺はホッと息を吐く。どうやら俺のお尻はまだしばらく大丈夫なようだ。
……ふぅ、良かった。俺ぐらいの貴族になると婚姻には王家の許可とか父様の許可がいるからな。結婚なんてずーっと先の話だ。その内にレノも俺に呆れて諦めるだろう。いや、諦めてください。俺にお前のアナコンダくんは調教できません。
そう思ったのだが、レノはやっぱりレノだった。
「ですが。キトリー様の気持ちが整い次第、速やかに結婚できるよう許可を頂いておりますので、いつでもおっしゃってくださいね?」
「ハイぃッ?!」
思いもよらぬ返しに俺は声を上げる。だがレノは持っていた鞄から一枚の書類を取り出し、俺に見せた。そこには婚姻許可証と書かれ、陛下とジェレミー、父様の署名が入っている。
……ちょっとぉぉぉ!! なんで署名があるの!
そう思うが、すぐにピースサインをする父様が頭に浮かぶ。
『面白そうだから、サインしちゃったー☆』
軽く言う感じまで想像がつく。
「あのオヤジィ! ジェレミーの時といい今度といい」
……なんて事してくれるんだ! しかも陛下もジェレミーもサインしちゃって!!
『だってお前達、いずれ結婚するだろ?』
『そうですよね。父上』
なんて会話してる二人の声が聞こえてくるよう。
「という訳ですので、旦那様にも陛下達にも認められていますので、あとはキトリー様の返事次第ということです」
レノはにっこり笑って俺に言う。
ガッデムッッッ!!
「いや~、結婚は早いんじゃないかー? 俺達、付き合いだしたばかりだしぃ」
「そうはいっても、かれこれ十五年も一緒にいますよ?」
「ま、まあ、そーですけどぉ」
俺は目もそぞろに答える。
……というか外堀埋められまくってない!? 手回し早すぎぃ!!
「どうしました?」
レノは笑みを浮かべて俺を見た。その赤い瞳は俺をロックオンしている。まさに蛇に睨まれた蛙とはこの事……ケロロッ。
……いや、しかし俺が返事をしなければレノは手を出さないはず。約束を反故にはしない男だ!! つまり俺が拒否ってれば、いつかは。
俺は微かな希望を胸に抱く。しかしレノは怖いくらい極上の笑みを俺に見せた。
「坊ちゃん。待ちますと言いましたが、あまり長く待たされては初めての時に優しくできないかもしれません。その所はご容赦くださいね?」
キランッとレノの瞳が光る。そんな目で見つめられたら、カエルな俺はお尻を震わせて小さく返事をするしかなかった。
「け、ケロッ」
……どんだけ俺が好きなんだ! 重(ヘビー)過ぎるわっ!!!(泣)
だけど俺の叫びは誰にも届かず、馬車は静かに別邸へと向かうのであった――。
◇◇◇◇
――しかしその頃。別邸近くの森の中で、一人の男が迷っていた。
「ふぅ、この道だと思ったんだけどなぁ。まあ、西に向かえばいつかは着くかな」
方位磁針を手に男は笑みを浮かべた。
「会うのは久しぶりだな。元気にしてるといいけど、キトリー」
そう呟いたのだった――――。
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今回、キトリーとレノはチューまで(ほぼ事故ですが)やってきました。
でもあまりにいちゃいちゃシーンが少なすぎて、作者は段々「これ、BLとして書いてていいのだろうか?(・.・;)」と思う今日この頃です(笑)
ただ今回も楽しんで読んで頂ければ、幸いでございます。
そして、次回についてですが。
別邸に帰ってきたキトリーの元にある人物が訪れます。
それは勿論、この最終話の最後に出てきた人なのですが……。
次回、第四章「ディープな関係」で。
それまでどうぞお楽しみに!(/・ω・)/ヨロシク
※ちなみに余談ですが。去年の今日、このお話がスタートしました。(初投稿日は2021/6/23)
いやー、一年って早いなぁ~(;^ω^)
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