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第五章「告白は二人っきりで!」
29 おにいたま
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「キトリ―――――ッ!!」
その声がする方を見れば、そこには我が麗しの兄・ロディオンがいた。
「に、兄様!?」
驚いて思わず席を立てば、ロディオンは俺に駆け寄り、俺をぎゅうっと力強く抱き締めた。おかげで俺は「うぎゅ」と唸り、硬い胸に抱き寄せられ圧迫死寸前だ。
……前世の姉にしろ、今世の兄にしろ、俺を圧迫死させるのが流行なの!?
俺は心の中で思わず叫ぶ。そしてなんとか声を絞り出した。
「にぃだま……ちぬッ!」
俺がギブギブッと兄様の腕をぺしぺしっと叩けば、ハッと気づいた兄様が俺を解放してくれた。
「ああ、ごめんよ、キトリー。会えたのが嬉しくてつい」
……いや、だからつい、で俺を殺そうとしないで。
俺は心の中で呟きつつ、息を一杯吸う。あー、空気っておいしっ!
「お久しぶりです、ロディオン様。まさか、アントニオ君と一緒だったのがロディオン様だったとは」
「やぁレノ、久しぶりだね。今回は母様に頼まれてね、それにキトリーも神聖国に行ったと話を聞いてアントニオ君と一緒に来たんだよ」
レノが声をかけるとロディオンは答え、そしてエンキ様にすぐさま頭を下げた。
「失礼しました、エンキ様。お初にお目にかかります、私はバルト帝国、ポブラット公爵の息子、ロディオン・ジル・ポブラットと申します。今回は母ローラの代理で参りました」
ロディオンが名を名乗るとエンキ様は優しく声をかけた。
「ローラさんの息子さんでキトリー君のお兄さんだね。噂は聞いているよ、とても優秀な息子さんだと」
「いえ、まだまだ若輩者でありますから」
ロディオンは恐縮した様子で答えた。しかし俺は横からロディオンに尋ねる。
「母様の代理って兄様、何しに来たの?」
「ああ、それは。もしもアントニオ君が次代の王として立つことになったなら、その身分を保証する為に私が来たんだよ。まあ必要なかったみたいだが」
「アントニオの身分を……なるほど」
俺はロディオンの説明を聞いて納得する。
確かにエンキ様の息子だ! って突然現れても誰も信じなかっただろう。しかしバルト帝国の王家に次ぐポブラット公爵家がアントニオの身分を保証すれば、全員でなくとも信じる者は出ただろう。
「あと、キトリーが神聖国に行ったと聞いてね。心配だったんだよ?」
「あー、それは色々と心配かけてごめんなさい。こっちにも事情が」
俺がそう呟いた時、そこに誰かがやって来た。
「あら、みんなここにいたのね」
庭園を歩いてきたのは、姉ちゃんことランネット様だった。
「ランネット様」
「ごきげんよう、キトリー様、レノ君」
姉ちゃんはランネット様仕様で俺に挨拶をした。そしてその視線はロディオンに向かう。
「初めましての方ね。バルト帝国の方かしら?」
「初めまして、ランネット様。私はロディオン・ジル・ポブラットと申します。このキトリーの兄です」
「あら、お兄様! 初めまして」
二人は和やかに挨拶を交わし、ロディオンが差し出した手を姉ちゃんが握って二人は握手した。
……前世の姉と今世の兄の対面。うーむ、なんだか不思議。
俺は二人のやり取りを見守る。しかし一瞬、二人の瞳がキラリと光った。
……んん? 今の、見間違いか?
「ところでランネット様。失礼ながら、今どなたか想う方はいらっしゃいますか?」
「いえ、いませんわ。ロディオン様の方こそ」
「いえ、私もいません。では後に正式な文を送らせていただいてもよろしいでしょうか?」
「ええ、お待ちしておりますわ」
二人はにっこりと笑い合い、何かの話を進めた。
……これ、一体何の話?
俺は話についていけなくて首を傾げる。だが俺の横でレノがよろめいて、ガタッと椅子に当たった。
「大丈夫か? レノ」
「え、あ、いえ、だい、じょうぶです」
戸惑いながら答えるレノ。
……一体、どうしたんだ? レノがしどろもどろなんて。
俺はわからずにますます不思議に思うが、不意に視線を向ければアントニオも驚いてるし、エンキ様はなんだか微笑ましい顔で二人を見てる。
……え、なんなん??
俺は一人だけわからずに首を傾げる。しかしランネット様が空気を変えるように、ぱんっと両手を叩いた。
「さ、みなさん。お昼も近い事ですし、昼食を一緒にいただきませんこと?」
「それはありがたい」
ランネット様が告げるとロディオンはすぐさま賛同した。
そうして俺達は一緒に昼食を食べることになったが、俺は後に知ることになる。
ロディオンが姉ちゃんに後日、結婚の申し込みの文を送ることと――――。
その声がする方を見れば、そこには我が麗しの兄・ロディオンがいた。
「に、兄様!?」
驚いて思わず席を立てば、ロディオンは俺に駆け寄り、俺をぎゅうっと力強く抱き締めた。おかげで俺は「うぎゅ」と唸り、硬い胸に抱き寄せられ圧迫死寸前だ。
……前世の姉にしろ、今世の兄にしろ、俺を圧迫死させるのが流行なの!?
俺は心の中で思わず叫ぶ。そしてなんとか声を絞り出した。
「にぃだま……ちぬッ!」
俺がギブギブッと兄様の腕をぺしぺしっと叩けば、ハッと気づいた兄様が俺を解放してくれた。
「ああ、ごめんよ、キトリー。会えたのが嬉しくてつい」
……いや、だからつい、で俺を殺そうとしないで。
俺は心の中で呟きつつ、息を一杯吸う。あー、空気っておいしっ!
「お久しぶりです、ロディオン様。まさか、アントニオ君と一緒だったのがロディオン様だったとは」
「やぁレノ、久しぶりだね。今回は母様に頼まれてね、それにキトリーも神聖国に行ったと話を聞いてアントニオ君と一緒に来たんだよ」
レノが声をかけるとロディオンは答え、そしてエンキ様にすぐさま頭を下げた。
「失礼しました、エンキ様。お初にお目にかかります、私はバルト帝国、ポブラット公爵の息子、ロディオン・ジル・ポブラットと申します。今回は母ローラの代理で参りました」
ロディオンが名を名乗るとエンキ様は優しく声をかけた。
「ローラさんの息子さんでキトリー君のお兄さんだね。噂は聞いているよ、とても優秀な息子さんだと」
「いえ、まだまだ若輩者でありますから」
ロディオンは恐縮した様子で答えた。しかし俺は横からロディオンに尋ねる。
「母様の代理って兄様、何しに来たの?」
「ああ、それは。もしもアントニオ君が次代の王として立つことになったなら、その身分を保証する為に私が来たんだよ。まあ必要なかったみたいだが」
「アントニオの身分を……なるほど」
俺はロディオンの説明を聞いて納得する。
確かにエンキ様の息子だ! って突然現れても誰も信じなかっただろう。しかしバルト帝国の王家に次ぐポブラット公爵家がアントニオの身分を保証すれば、全員でなくとも信じる者は出ただろう。
「あと、キトリーが神聖国に行ったと聞いてね。心配だったんだよ?」
「あー、それは色々と心配かけてごめんなさい。こっちにも事情が」
俺がそう呟いた時、そこに誰かがやって来た。
「あら、みんなここにいたのね」
庭園を歩いてきたのは、姉ちゃんことランネット様だった。
「ランネット様」
「ごきげんよう、キトリー様、レノ君」
姉ちゃんはランネット様仕様で俺に挨拶をした。そしてその視線はロディオンに向かう。
「初めましての方ね。バルト帝国の方かしら?」
「初めまして、ランネット様。私はロディオン・ジル・ポブラットと申します。このキトリーの兄です」
「あら、お兄様! 初めまして」
二人は和やかに挨拶を交わし、ロディオンが差し出した手を姉ちゃんが握って二人は握手した。
……前世の姉と今世の兄の対面。うーむ、なんだか不思議。
俺は二人のやり取りを見守る。しかし一瞬、二人の瞳がキラリと光った。
……んん? 今の、見間違いか?
「ところでランネット様。失礼ながら、今どなたか想う方はいらっしゃいますか?」
「いえ、いませんわ。ロディオン様の方こそ」
「いえ、私もいません。では後に正式な文を送らせていただいてもよろしいでしょうか?」
「ええ、お待ちしておりますわ」
二人はにっこりと笑い合い、何かの話を進めた。
……これ、一体何の話?
俺は話についていけなくて首を傾げる。だが俺の横でレノがよろめいて、ガタッと椅子に当たった。
「大丈夫か? レノ」
「え、あ、いえ、だい、じょうぶです」
戸惑いながら答えるレノ。
……一体、どうしたんだ? レノがしどろもどろなんて。
俺はわからずにますます不思議に思うが、不意に視線を向ければアントニオも驚いてるし、エンキ様はなんだか微笑ましい顔で二人を見てる。
……え、なんなん??
俺は一人だけわからずに首を傾げる。しかしランネット様が空気を変えるように、ぱんっと両手を叩いた。
「さ、みなさん。お昼も近い事ですし、昼食を一緒にいただきませんこと?」
「それはありがたい」
ランネット様が告げるとロディオンはすぐさま賛同した。
そうして俺達は一緒に昼食を食べることになったが、俺は後に知ることになる。
ロディオンが姉ちゃんに後日、結婚の申し込みの文を送ることと――――。
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