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最終章「プロポーズは指輪と共に!」
22 お爺の恋
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「クト様っ?!」
俺が驚くと、クト様は笑顔で俺に手を振った。
「やぁ、久しぶりだね、キトリー。相変わらず、元気そうでなにより」
まるで親戚のおじさんのように言うクト様に俺は目をぱちくりとさせる。だが、クト様はそんな俺からリャーナ様へと視線を向けた。
「リャーナ、気持ちを落ち着けなさい。君が荒ぶれば下界にも影響が出てしまう」
クト様に言われて、怒っていたリャーナ様はハッとして落ち着きを取り戻す。
「クト」
「怒りは解決にならないよ」
諭すようにクト様が言うとリャーナ様はうるっと瞳を潤ませて、俺を放るとクト様に抱き着いた。
おかげで解放された俺は、ちょっとよろめく。まあ、レノがすかさず俺に駆け寄って俺の体を支えてくれたんだけど。
「クトぉっ!」
「うんうん、よしよし」
リャーナ様は大きな体で小さなクト様に覆いかぶさると、その肩に泣きついた。でもクト様は子供で、リャーナ様は筋肉マッチョな大男。だから、なんだかちょっと不思議な光景だ。
……でも、そーいやこの世界の三神って、いわゆる三人兄弟って話だったな。クト様が一番に生まれて、その次にバレンシア様、最後がリャーナ様だったっけ? なら弟がお兄ちゃんに泣きついているのは、まあ不思議じゃないのカモ?
「クト」
バレンシア様はよしよしとリャーナ様の頭を撫でるクト様に声をかけた。するとクト様はバレンシア様に視線を向ける。
「バレン、約束を破っちゃダメでしょ? 決まりを破って、どうなったか忘れたの? メッ、だよ!」
「う、それは……その、すまない」
クト様が叱るとバレンシア様さえも大人しく謝った。なのでその様子を見ていた俺は。
……お兄ちゃん、スゲェ。
ちょっと感心しながら思ってしまう。まあ、うちのお兄ちゃん(ロディオン)も優秀で、すごいんだけど。
「クト、バレンシアってばずるい! 私、ずっとずっと!!」
「うんうん、わかってるよ。でも一旦落ち着こうね、リャーナ」
リャーナ様は泣きながら訴え、クト様はポンポンッとリャーナ様の背中を撫でた。そうすれば、スンスンッとリャーナ様の涙が落ち着いてくる。
そしてクト様は俺とレノを見た。
「さて、君達にはこれが一体どういう状況なのか説明しなくちゃね」
クト様はそう言い、俺はレノと顔を見合わせこう言った。
「ぜひ、お願いします」
◇◇◇◇
――それから、俺達はまた庭園のテーブルを囲んでお茶タイムに入り、クト様から話を聞いたのだが。
「えーっと? つまり元々リャーナ様はお爺といい仲だったけど、バレンシア様の眷属であるお爺は許可なくリャーナ様と共にいることはできなくて。その上、お爺はバレンシア様に下界に行かされて、リャーナ様は寂しい想いをしていたと。……それなのに、バレンシア様は決まりを破ってサラおばちゃんと会って、レノが生まれて。世界の均衡が崩れる事態になってしまって、二度とサラおばちゃんとレノに会わないよう約束をしたのに、バレンシア様はまた約束を破ってレノに会っていて……それを見たリャーナ様はお爺との間も認めず、自分だけ息子に会っているバレンシア様にムカついて俺を誘拐した? ついでに、お爺をそのまま自分のものにしようとした? ここまでで合ってる??」
俺は目の前に座る三人に尋ねた。すると、真ん中に座るクト様は紅茶を飲みながら「そうだよ」とにこやかに答え、クト様の隣、俺から左手に座るリャーナ様はまだ苛立った顔で「そうよ」と答えた。そして俺から右手に座るバレンシア様は無言で頷く。
……ってことは、まあ簡単に言えば自由奔放にしているバレンシア様にリャーナ様が嫉妬したって事が原因なのか。……でも、まぁリャーナ様がバレンシア様にキレちゃう理由、わかっちゃうなー。
「そーでしょっ!? バレンシアってば、いつも自分勝手なのよ!!」
リャーナ様は俺の心の声を読んだようで、声を上げてバレンシア様を非難した。そして言い返せないバレンシア様は申し訳なさそうに目を伏せる。
「それは、その、すまない」
「謝って済めば、警察はいらないのよー!」
リャーナ様はプンプンと怒りながら言い、俺はあまりにも俗世的な台詞にちょっと笑いそうになる。だが、ぐっと堪えてリャーナ様を宥めた。
「まあ、その通りなんだけど。バレンシア様も息子に会いたかったっていう純粋な気持ちだった訳だし」
「でもでも! バレンシアが勝手にしたせいで、あなたはこの世界に呼ばれたのよ!?」
「いや、まあ、そうなのかもしれないけど、俺はあんまり被害を感じてないと言うか。むしろラッキーだった部類に入ると言うか」
……そりゃ、三歳の時に突然記憶が戻って、ちょっと戸惑ったりはしたけど、それ以上に周りには恵まれてるし、生まれ変わってヤだったことないもんなぁ。
俺は今までの事を振り返ってしみじみと思う。しかし、俺の右隣にレノがいる事を忘れていた。
「坊ちゃん、一体どういう事です? 呼ばれた、というのは?」
……あ、そういえばレノにはまだ前世の事を話してなかったんだ。えーっと。
「ま、それは後で話すから」
話せば長くなるので、俺はちょっと割愛した。そうすれば、レノは不服そうにしながらも「わかりました」と答える。
……うむ、物わかりが良くて助かりますナ。けど、リャーナ様とお爺が元々そーいう関係だったとは。どうしてバレンシア様はお爺との関係を許さなかったんだろう? まあ、今となってはお爺には他に好きな人がいるんだけど……確か、紺色の長い髪の人。
俺はお爺との会話を思い出してナナメ左を向く。そこにはリャーナ様の紺色の長い髪が。
「んん?」
俺が驚くと、クト様は笑顔で俺に手を振った。
「やぁ、久しぶりだね、キトリー。相変わらず、元気そうでなにより」
まるで親戚のおじさんのように言うクト様に俺は目をぱちくりとさせる。だが、クト様はそんな俺からリャーナ様へと視線を向けた。
「リャーナ、気持ちを落ち着けなさい。君が荒ぶれば下界にも影響が出てしまう」
クト様に言われて、怒っていたリャーナ様はハッとして落ち着きを取り戻す。
「クト」
「怒りは解決にならないよ」
諭すようにクト様が言うとリャーナ様はうるっと瞳を潤ませて、俺を放るとクト様に抱き着いた。
おかげで解放された俺は、ちょっとよろめく。まあ、レノがすかさず俺に駆け寄って俺の体を支えてくれたんだけど。
「クトぉっ!」
「うんうん、よしよし」
リャーナ様は大きな体で小さなクト様に覆いかぶさると、その肩に泣きついた。でもクト様は子供で、リャーナ様は筋肉マッチョな大男。だから、なんだかちょっと不思議な光景だ。
……でも、そーいやこの世界の三神って、いわゆる三人兄弟って話だったな。クト様が一番に生まれて、その次にバレンシア様、最後がリャーナ様だったっけ? なら弟がお兄ちゃんに泣きついているのは、まあ不思議じゃないのカモ?
「クト」
バレンシア様はよしよしとリャーナ様の頭を撫でるクト様に声をかけた。するとクト様はバレンシア様に視線を向ける。
「バレン、約束を破っちゃダメでしょ? 決まりを破って、どうなったか忘れたの? メッ、だよ!」
「う、それは……その、すまない」
クト様が叱るとバレンシア様さえも大人しく謝った。なのでその様子を見ていた俺は。
……お兄ちゃん、スゲェ。
ちょっと感心しながら思ってしまう。まあ、うちのお兄ちゃん(ロディオン)も優秀で、すごいんだけど。
「クト、バレンシアってばずるい! 私、ずっとずっと!!」
「うんうん、わかってるよ。でも一旦落ち着こうね、リャーナ」
リャーナ様は泣きながら訴え、クト様はポンポンッとリャーナ様の背中を撫でた。そうすれば、スンスンッとリャーナ様の涙が落ち着いてくる。
そしてクト様は俺とレノを見た。
「さて、君達にはこれが一体どういう状況なのか説明しなくちゃね」
クト様はそう言い、俺はレノと顔を見合わせこう言った。
「ぜひ、お願いします」
◇◇◇◇
――それから、俺達はまた庭園のテーブルを囲んでお茶タイムに入り、クト様から話を聞いたのだが。
「えーっと? つまり元々リャーナ様はお爺といい仲だったけど、バレンシア様の眷属であるお爺は許可なくリャーナ様と共にいることはできなくて。その上、お爺はバレンシア様に下界に行かされて、リャーナ様は寂しい想いをしていたと。……それなのに、バレンシア様は決まりを破ってサラおばちゃんと会って、レノが生まれて。世界の均衡が崩れる事態になってしまって、二度とサラおばちゃんとレノに会わないよう約束をしたのに、バレンシア様はまた約束を破ってレノに会っていて……それを見たリャーナ様はお爺との間も認めず、自分だけ息子に会っているバレンシア様にムカついて俺を誘拐した? ついでに、お爺をそのまま自分のものにしようとした? ここまでで合ってる??」
俺は目の前に座る三人に尋ねた。すると、真ん中に座るクト様は紅茶を飲みながら「そうだよ」とにこやかに答え、クト様の隣、俺から左手に座るリャーナ様はまだ苛立った顔で「そうよ」と答えた。そして俺から右手に座るバレンシア様は無言で頷く。
……ってことは、まあ簡単に言えば自由奔放にしているバレンシア様にリャーナ様が嫉妬したって事が原因なのか。……でも、まぁリャーナ様がバレンシア様にキレちゃう理由、わかっちゃうなー。
「そーでしょっ!? バレンシアってば、いつも自分勝手なのよ!!」
リャーナ様は俺の心の声を読んだようで、声を上げてバレンシア様を非難した。そして言い返せないバレンシア様は申し訳なさそうに目を伏せる。
「それは、その、すまない」
「謝って済めば、警察はいらないのよー!」
リャーナ様はプンプンと怒りながら言い、俺はあまりにも俗世的な台詞にちょっと笑いそうになる。だが、ぐっと堪えてリャーナ様を宥めた。
「まあ、その通りなんだけど。バレンシア様も息子に会いたかったっていう純粋な気持ちだった訳だし」
「でもでも! バレンシアが勝手にしたせいで、あなたはこの世界に呼ばれたのよ!?」
「いや、まあ、そうなのかもしれないけど、俺はあんまり被害を感じてないと言うか。むしろラッキーだった部類に入ると言うか」
……そりゃ、三歳の時に突然記憶が戻って、ちょっと戸惑ったりはしたけど、それ以上に周りには恵まれてるし、生まれ変わってヤだったことないもんなぁ。
俺は今までの事を振り返ってしみじみと思う。しかし、俺の右隣にレノがいる事を忘れていた。
「坊ちゃん、一体どういう事です? 呼ばれた、というのは?」
……あ、そういえばレノにはまだ前世の事を話してなかったんだ。えーっと。
「ま、それは後で話すから」
話せば長くなるので、俺はちょっと割愛した。そうすれば、レノは不服そうにしながらも「わかりました」と答える。
……うむ、物わかりが良くて助かりますナ。けど、リャーナ様とお爺が元々そーいう関係だったとは。どうしてバレンシア様はお爺との関係を許さなかったんだろう? まあ、今となってはお爺には他に好きな人がいるんだけど……確か、紺色の長い髪の人。
俺はお爺との会話を思い出してナナメ左を向く。そこにはリャーナ様の紺色の長い髪が。
「んん?」
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