【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

SORA

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甘えたのカイン

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国王様への報告を終え、俺はラリーの家へダッシュで行った。

そこには、アズサの姿がなかった。へこんでいるラリーの姿を発見する。

「どうした。アズサは」

「お前の家に、帰ったよ。てかお師匠様が帰らせたんだよ」

俺は焦った。何かあったんじゃないか。ラリーに今すぐに聞こうと思ったが

早くアズサに会いたいし、直接確認したかったので。俺は自宅へと戻っていた。

アズサは、シチュー、オムレツ、サラダ、パンを食卓に並べている最中だった。

「カイン様、おかえりなさい。ちょうどご飯できたからよかった」

笑顔で出迎えてくれるアズサ。俺は幸せすぎて、にやついた締まりのない顔を

している。

「アズサ、ただいま。おいしそうだな」

俺は、アズサを抱きしめ、キスをする。アズサもニコニコしている。

「いただきます」

俺は、アズサの料理を食べ、結婚したらもっと幸せだろうと想像してしまう。

そして、俺はラリーの様子について聞いてみた。

「俺が仕事に行った後、ラリーからは何もされなかったか」

アズサは、急に挙動不審になった。今までこんなことがあっただろうか。

何かされたのか。心配になったが、アズサが話し出すのを待つことにする。

「私が、コップを渡そうとしたとき、水をこぼしちゃって、ラリー様の服を

汚しちゃったの。それで、着替えさせてくれって言われたんだけど……」

「悪い、ちょっと待ってくれ」

俺は、その先を聞くのが怖くて、話を遮ってしまった。俺の大事なアズサが

他の男の裸体を見てなおかつ、着替えさせたのか。きっと恥ずかしさから、

アズサは顔を真っ赤にして涙目になっていたに違いない。

そんな色っぽいアズサに欲情しない男はいない。あ~終わった。ラリー殴る。

殺す。俺は負の感情でいっぱいだった。

アズサは、様子が変だった俺を抱きしめてくれた。ラリーへの負の感情が

一気に収まっていった。

アズサは、俺の顔を確認し、元に戻ったのを確認すると、話を続けた。

「上半身は、なんとか着替えさせられたんだけど、下がね、大きく

なってたみたいで。でも、本人気づいていないようだったから、

私も知らない振りした方がいいのかと思って着替えさせようとしたの。

で、キスされそうになったんだけど、お師匠様がタイミング

よく忘れ物取りに戻ってきてくれたから、大丈夫だったよ」

お師匠様、ナイスと心の中でガッツポーズする俺。

「ごめんね。心配かけて。たくさん傷ついたよね。ご褒美は何がいい」

そう言いながら、俺にパンを口の中に入れようとした。

俺は、そのままアズサの指ごと口に含んだ。そして、そのまま

指を丁寧に関節ごと舐めていく。

「あ~シチュー冷めちゃう」

「誘ったのは、アズサだろ」

「ちがうよ。ご褒美はご飯食べさせてあげようかなって思っただけ」

「なら、ご褒美はアズサを食べる」

「もう、カイン様ったら」

「それと、カインって呼んで」

「カイン?これでいい?」

恥ずかしながら俺の名を口にするアズサは可愛すぎて、

俺はアズサに一生かなわない気がする。もう本当に

世界で一番大好きだ。早く結婚して俺の妻だって世間に伝えたい。

俺は、そう思いながら、満腹になるまでアズサを食べつくしたのである。
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