【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

アズサの生活

次の日、腰が痛すぎて私は起きるのが辛かった。カインはたぶん絶倫だと思う。

私も、気持ちよすぎて何度でもやってしまっている。拒めない自分が辛い。

カインは、今日から騎士として、街の巡回や国王様に仕える業務に

戻るらしい。朝ごはんは精のつく食事にしないとな。私は料理に取り掛かった。

朝からチキンを煮込み、栄養たっぷり具沢山スープにして、煮込んだチキンは

メインへと蒸し鶏のソテーにしていく。卵はジャパニーズ卵焼きにしてみようっと。

カインは、甘い派なのかな。それとも、塩派？まさかのだし巻き派？

この国に和だしなんかないからそれはないよね。

なんか、楽しいな。あつ、確か馬のミルクも体にいいって言ってたな。私にとっては

嫌な思い出でしかないけど。あとは、サラダとこんなんもんでいいかな。

私はパパっと作り、カインを起こしに行く。

「おはよう。カイン、お仕事行く時間だよ」

カインは寝起きがかわいい。

「ん～まだちょっと寝とく～」

子供のように駄々をこねる。私をおはようのキスをする。

「ぶちゅ～がいい」

「はいはい」

私は、口を広げ、舌をカインの口に入れてかき回す。

「ん～ん」

カインは起きた。

「朝からエロいアズサだな。俺はいくらでもウェルカムだぞ」

と言いながら、始めようとする。毎回この下りを寝起きから繰り広げるのだから、

私たちはとんだバカップルだろう。でも、私は嫌じゃない。

だから、カインがおこちゃまになるのは、私だけの秘密だ。

「カイン、今日からは仕事なんだから、ちゃんと働いてきてください。

働かない男は嫌いです」

カインは、急にビシッと立ち、敬礼した。さすが騎士様。

そのお姿が様になっている。パジャマが残念だけれども。私たちは食事を済ませた。

カインは、おいしい、おいしいと何度も言いながら全部平らげていた。

カインは、いってきますのキスをして、名残惜しそうに仕事に向かった。

さて、私もマロンのお世話や家の掃除しなくちゃ。

シーツも洗わないと大変だしね。私は家事を一つずつこなしていく。

「ピンポーン」

インターフォンが鳴った。誰だろう、わたしは扉を開いた。お師匠様だった。

私は、お師匠様を招き入れ、お茶を出した。

「アズサ、昨日はすまなかった。アイツも魔力が不安定で精神的に

辛いんだと思うんだ。悪く思わないでやってくれ」

「いえいえ。大丈夫です。記憶をなくしてしまったのは私の責任でもありますから」

「なら、当然手伝ってくれるよな」

「はい？何のお話でしょう」

「癒しの力があるという話はしたな。しかし、まだ力の使い方を知らないようだ。

それでは宝のもち腐れだ。だから、治癒術士のもとで、特訓してきてほしい」

私は、治癒術士とは、聞いたことがなかったので、聞いてみた。

「治癒術士ってなんですか」

「そのままの意味じゃよ。傷や病気を治す力を持った魔力使いの者たちのことだ。

ラリーも診てもらったが記憶喪失は心の問題もあるそうで、治癒術士には

無理だそうだ」

「私そんなすごい力ありませんよ」

「いや、傷や病気は治すことは難しいかもしれないが、アズサには心を綺麗にする

作用があるような気がするんじゃよ。わしの長年の勘じゃよ。

老いぼれの戯れ言だと思って、やってみてくれないか」

私は、不安だったが、誰かのために役立つんだと思うと、頑張れそうな気がした。

「はい、やってみます」

「ありがとう。なら明日から治癒術士のベンのところへ行ってくれ」

そう言って、地図が書かれた紙をテーブルに置き、お茶を飲み切って帰っていった。

私は、部屋に一人になり考える。心の病気を治すって考えた方がいいのかな？

日本でいう心理カウンセラーとかそっち系のポジションなのかな。わかんないけど、

皆が幸せに暮らせるように頑張ろう。

その夜、カインに治癒術士のところで勉強することになったと話した。

「え？ベン？アズサ大丈夫か。アイツは勉強だけが取り柄のガリベンだぞ。

できなかったらすげぇ、怖い顔で睨みつけてきて、このごみ以下の虫けらども

みたいな風に見下してくる奴だぞ」

話を聞いて、私はベンがどういうタイプなのかすぐに理解した。

もっと反対されるのかと思ったが、意外にもカインはすぐに許してくれた。

わたしの地獄の特訓が始まるのだった。