【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

SORA

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マットとカイン意気投合?

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メイドたちが、ベンを連れてきた。ベンは罪悪感からなのかずっと下を向いている。

俺は、思わず叫ぶ。

「アズサは」

「あの綺麗なお嬢さんですか。私の部屋にいますよ。会いたいですか、

いやあれは傑作だから、ぜひ見てもらいたいので特別に私の部屋を

お見せしましょう」

俺は焦った。今アイツ自分の部屋にいると言った。傑作とはどういう意味だ。

残虐なやつは手足を縛り、少しずつ切り刻みながら楽しむと聞く。

もしや、アズサがそんな目に合っているのだろうか。俺は恐怖で足を震わせていた。

ラリーはそれを見て、

「大丈夫だから、落ち着け」

と俺の震えを止めてくれた。ここでビビっていてはダメだ。覚悟して

その部屋に入る。扉が開いた。美しい女性の人形がたくさんある。

どれも精巧に作られており、本物みたいだ。俺は一つの人形に見入ってしまった。

ナース服を着た人形がアズサにそっくりだったからだ。

俺は近づこうとすると、マットが言う。

「ほら~素敵でしょ。ナース服がとても似合う。この短いスカートと胸が少し見える

チラリズムがたまんないよね」

そう言いながら、お尻や胸を触りだす。

「いやぁん。やめて」

人形が喋りだした。ってアズサの声か。俺は戸惑っていた。どういう状況なんだ。

俺が呆然としている間に、アズサ似のナースが鞭で打たれた。

「しゃべってはいけない。お前らは俺の人形なんだ。だまって立っておけ」

その人形は涙をいっぱい目に溜めている。その泣き姿を見て、大好きなアズサで

間違いないと確信に変わる。俺はマットに剣を向けようとしたが、傀儡されている

騎士たちに囲まれて動けない。ラリーもどうしようかと考えているようだ。

「交渉するんじゃなかったんですか」

ベンがそこで空気をガラッと変える発言をする。

「そうでしたね。騎士団長様どうしますか」

とマットが俺に投げかける。俺は考えた。

このまま逃がしては騎士として恥じである。どうする。どうすればいい。

「お前、アズサにナース服が似合うとよくわかったな。センスあるな、アズサは

他にも純白のドレスも似合うと思うのだが、用意はないのか。

ナースより絶対綺麗だぞ。この黒髪によく似合うはずだ」

ラリーとベンは俺を見ている。きっと呆れているのだろう。

また、恋愛バカが出たと。誰でもいい気づいてくれ。そう願いながら、俺は続ける。

「コスプレ好きが花嫁衣装ないんじゃ、話にならないな」

「いや、準備があるはずだ。確かに騎士団長様が言う通り、黒髪なんだから

白が似合うと思い、ナースにしたが清廉潔白な彼女にはドレスの方が

似合うかもしれんな」

と言いながら、衣装を探し出した。そのスキに、人形たちの女性は静かに俺の近くに

移動させる。そして、ベンはマットの指示がなければ何も動けない騎士たちを

治療していく。ラリーは拘束の呪文をバレないように小さな声で唱えている。

あとはアズサがこちらへ来れば終わりだった。俺はアズサを手招きしたが、

マットがドレスを探し出した後だった。

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