【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

密偵とリリー

「リリー大丈夫？」

心配する密偵。リリーは目を覚ます。

目の前にあるイケメンの顔に驚くリリー。

ってハルヒ？気付くのと同時に全身真っ赤になるリリー。

「リリーなぜここにいるんだ。俺のプロポーズを断ったのはこういう事情があったからなのか」

「……ちがう。ハルヒが村ではないところに職が決まったって聞いたから、あなたのこと諦めたの。私聖女候補だから村から出れないもん」

「でも、今は出てるじゃないか。所詮は俺が嫌いだったんじゃないのか！」

「違う。今でも愛しているわ」

「リリー俺もだ」

二人は、熱烈な抱擁を交わした。そしてキスを交わそうとしたその時、

「ちょっと、私のこと放置しないでくれる？」

いつの間にか現れた一人のうっすらとした女性。

「あなた誰？てか死んでるの？」

「失礼しちゃう。聖女リリエよ。あなたたちの愛のおかげ？かなにかわからないけど、呪いが解けてあなたリリーから分離したみたい」

「意味がわかない」

つぶやくハルヒ。

「私は、ナカソ村の大教会の自分の像に戻るから、あなたたちも逃げたらいいわ。国王には、昔の貸しがあるからちょっと頼んでくるから心配しなくていいわよ」

そう言って、亡霊のようにふらっとさまよいだした。

リリーと密偵は言われた通り、お城から逃げることにした。

意外にもお城の警備はゆるゆるで誰にも気付かれずに、

お城から脱出することができた。

二人は、村でもなく、自分たちを知らない国で暮らすことにしたのだった。


　ハッチはそんな事態にもなっているとはしらず、密偵からの報告を待っていた。

すると、部屋にメイドがやってきた。

「リリー様が候補を下りたそうです」

喜びで両手を挙げそうになるハッチだったが令嬢として、

はしたないと思い、我慢した。

密偵やるじゃないの。あとで特別に褒美をあげなくてはねと思った。

よし、今日の試験は何だったかしら。確か座学よね。

私お勉強は少し苦手なのよね。

ドレスの胸の谷間にカンニングペーパーを挟むハッチ。

そして、集合の時間となった。