【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

SORA

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ハッチの計画

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 ハッチは苛立ちながら部屋から出て行った。あの異世界人見た目も

普通じゃないの。あんな女性のどこがいいのかしら。私の方が胸もあるし、

プロポーションもいいし、あんな子に絶対負けない。

でも、あの王女様が一番の私の敵だわよね。

あの美しい美貌に精錬された姿は、圧倒されたわ。

でもあの芋っぽい娘はダメね。あれは論外だわ。

でも、うちの密偵によれば、聖女候補という情報があったらしいから、

あの子は要注意ね。こっそりと連れて来ていた密偵に声を掛ける。

「ねーいるのよね?先にリリーとか言う女やっちゃってくれる?」

「はい。ハッチ様」

そう言って、屋根裏に潜んでいた密偵はどこかに消えた。

これで、残りは異世界人ね。あの子は普通に勝負して

勝てそうだから放置でいいわね。

ハッチは、そう思い、自分の部屋で国王様やカイン様が集まる時間までお茶を飲み、

リラックスすることにした。

 は、部屋で悩んでいた。アズサはあんなぬるいこと

言ってたけど、私は早く村に帰って、村のために祈りを捧げたいのよ。

さて、どうしようかな。なんかめんどくさいことに巻き込まれないと

いいんだけどなと思い、ソファーに座った。

同時にの首には刀が突きつけられていた。

え?だれよ。ここには何もいないし、聖域としてバリア張ってた

はずなんだけどな。もし、このバリアに入れるとしたら、

神官関係だけなのだけど。

そう思い、剣をつきつける相手を見た。布で鼻から下を隠しているので、

だれかわからないが、泣いていた。

「え?なんであなた泣いているの?泣きたいのは私の方なんだけど」

がなぜここに……」

と言って、剣を下ろした。

「なんで、私のこと知ってるの?」

「知ってるも何も、幼馴染だったじゃないか」

の幼馴染らしいが、今の私はなので、

リリーだった時の記憶がない。なのでわからなかった。

「ナカソ村出身なら、洗礼を受けているから入室できたわけね。で、あなたはなぜ泣いているの?」

「リリーが結婚だなんて……」

この密偵は、が好きだったのだろうか。

「どうして、こんなことしたの?」

「いやーあのー今はハッチ様の密偵だからさ……」

どぎまぎしつつも、あっさりと誰の差し金か話す密偵。

まぁいいわ。コイツは使えそうだわね。聖女なのに悪女っぽいのは

私の悪いところだわね。こんなんだから、封印されちゃうんだわと、

自分自身をあざ笑いながら、密偵に聞いてみる。

「ハッチと私どっちの言うこと聞くの?」

「そんなのリリーに決まっている。俺が誰よりも君を愛していたのはリリーが一番よく知っているじゃないか」

「あらーそうありがとう。でも今は聖女リリエなのよね。リリーを選ぶってことは私を選んだってことでいいわよね?」

密偵は、何を言っているのか意味が分からなかったが、目の前にいる久しぶりに見たリリーがかわいすぎて、頷いた。

「ハッチが、自分で候補から降りたくなるような弱点ないかしら」

密偵は、考え込んでいる。そして、思いついたかのように話し出した。

「ハッチ様は虫が苦手です。なので虫で脅してみてはいかがでしょう?」

「あなたもぬるいのよ。紅茶に毒を忍び込ませるくらいできるでしょうに」

と言ってしまった後に、意識を失った。あーやっちゃった。
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