【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

SORA

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婚約候補集合

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 アズサは、ベンから陶器を貸してもらい、華道の準備は整った。

モモから毎日お作法やお茶会の練習という厳しい特訓を受けた。

でも、詰め込み教育はしてもらえたけど、所詮は普通の日本人である

アズサには難しい。話し方なんか、もう漫画の世界の貴族みたいだし。

どうしよう。こんなんで大丈夫かなと不安に思うも、

約束の一週間が経った。

 お城には、美しい女性たちが3人並んでいる。

もう見てからに王女様のセラム様。

目が吊り上がっていじわるそうな顔をしている、ザ・悪役令嬢みたいなハッチ。

最後の一人は、ん?すっぴんで、すごく綺麗なんだけど、田舎っぽいっていうか

なんか普通の優しそうなリリーの3人が集まっていた。

そして、最後がもちろん異世界人の私だった。

このレベルの高いハイクオリティなお顔の中でどうやって私勝てるのでしょうか。

不安で下を向いてしまう。それを見たハッチはあざ笑う。

「やっぱり、異世界人はだめね。ろくに立つことすらできないなんて」

「そんなことないですわ。今日の衣装はすごくかわいいもの。仲良くしましょうね。アズサ」

とお優しい言葉をかけてくれたのはセラム様だった。さすがは国王様の孫娘。
よくできてらっしゃいます。

そして、リリーはずっと挙動不審で怯えている。どうしたんだろう。あとで話しかけてみよう。

「ありがとうございます。セラム様。未熟者ですがよろしくお願いします」

「自分で未熟とかいうなら帰ればいいのに!!」

そう言いながら、ハッチはどこかに消えてしまった。

やっぱりさすがは悪役令嬢風なだけあるわね。逆におもしろいわ。

「リリーはなぜ選ばれたの?」

「……」

「ごめん。怖いかな?」

私は、手をギュッと握りしめていたリリーの手を安心してほしいという気持ちで
握る。

すると、リリーは私を見て言った。

「うわー癒しの力だ。久しぶりに感じた。ありがとう」

さっきとは別人のように話し出した。私はびっくりしてしまう。

「え?リリー元気になったならいいんだけど。よろしくね」

「失礼ね。私はリリーだったけど、あなたの癒しの力で永い眠りから冷めた聖女リリエよ」

何を言い出すのだろうか。確かに癒しの力は少し元気づけようと使ったけど。

「リリーはね、ナカソ村から無理やり連れて来られたの。村一番の美女だからって。だから、この子は早く村に帰りたいのよ」

「え?そうなの。なら帰ればいいんじゃない?」

「それは難しいですわよ。わたくしだって、大好きな騎士のトムと両想いなのに無理やり参加せられているのですから。手っ取り速いのはアズサが国王たちに認められることよ。だから応援するから頑張るのよ」

とセラム様は言った。

「なら、聖女リリエの力を使って、国王様たち審査員に暗示をかけましょうよ。ならすぐ終わるわよ!」

「待って。それは絶対ダメ。ちゃんと認められないとこのイベントは意味ないんだから」

私は、本音は甘えてしまいたい気持ちもあったが、それでは正々堂々とカインの横にいることはできないと考えた。

「えーめんどくさいこと言うのね。アズサって」

とリリエ様は言った。

「まぁ、そうね。元はと言えば、何枚もあった女性候補の中から一人だけ国王様が貴族の代表であるハッチを選んだのも他の令嬢たちを黙らせるためだったわけだし。だから、アズサはハッチと勝負して勝つしかないわね」

「わかった。頑張ってみる」

私たち三人は協力関係を結ぶことになった。
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