66 / 75
試験
しおりを挟む
国王様が宣言する。
「これより、カインの婚約者選びをはじめる。候補者は前へ」
王女様、ハッチ、アズサの順で並んでいく。
アズサはリリーがいないことに不安を感じる。
まさか、あの悪役令嬢担当のハッチがなんかすでに仕掛けたのかしら。
小説ではあるあるだわよね。大丈夫かしらと思い心配になるアズサ。
国王様は、続ける。
「リリーは、ナカソ村に帰還することになった。美人を集めろと申したが無理やりとは命じていない。よってリリーは失格となった」
「アズサ、リリーは帰ったみたいだけど、ハッチがいるから気をつけてね」
小声で、セラム様が私に言う。
「ありがとうございます」
「でもおじい様何が無理やりとは言ってないよねぇ?私も無理やりなのに」
「セラム、何か言ったか?」
国王様が、尋ねた。
「いえ、頑張りましょうねとお話してただけですわ。ホホホ」
セラム様は本当に切り替えが上手だと感心するアズサだった。
でも、肝心のカインがいない。カインに会えるのを楽しみに
していたアズサは、もうカインロスに陥っていた。
こんなにもカインを愛しているなんて。絶対勝たないと。
「それでは、今から座学の試験を行う」
騎士たちが、机や椅子を広間に並べ、用紙を置いた。
そこに座った。
「時間は50分。はじめ!」
ため息をつきながら、問題を解いていくセラム様。
わー世界史バンザイと浮かれ気味に解くアズサ。
そして、もぞもぞと冷や汗をかきながら、解いている挙動不審の
ハッチ。よそ見をしていてはカンニング扱いになるので私は
試験に集中することにした。
バサッ
何かが落ちる音がする。でも、もう私は問題を解き、見直ししている
途中だったので、気にしていなかった。騎士がやってくる。
「国王様、こんなものが」
騎士が落ちたものを国王様に見せた。
「だれだ!こんなあくどいことをする奴は。名乗りをあげよ」
静まる会場。そして、ハッチが手を挙げた。
「恐れながら申し上げます。アズサの場所から落ちたのを見ました」
「え?」
私は、驚いてしまった。私は何も持ってきていない。私じゃない。
あーこれがいわゆるテンプレの悪役令嬢の貶めるやり方なのね。
読むのとされるのとは全然違うわね。腹立つわー!!
どうしようか。ハッチが汗をかいているってことは
犯人はハッチに決まってる。でも、バレるのが怖いから私に罪をなすりつけた。
ここで、反論しても意味がない。それにこのテストでいい点を取っても意味がない。
と言って、謝るのも絶対いやだし。
「すみませんが、テストの変更は可能ですか?」
「お前は何を言い出すんだ。お前が犯人だと言われているのだぞ」
「ここで反論してもテストで100点取っても意味がないですよね?ならしっかり対策をしてやり直すべきだと思います」
「国王様、それにこの試験誰が作ったのです?間違いだらけですわよ」
セラム様が呆れながら言った。国王様は慌てて確認した。
見ると、年号やら歴代の国王などの誤字がたくさん見つけられた。
「これは、話にならないな。明日再試験を行う。本日は以上だ」
そう言って、国王様は、試験を作った指揮官の元へ怒鳴りつけに行った。
「これより、カインの婚約者選びをはじめる。候補者は前へ」
王女様、ハッチ、アズサの順で並んでいく。
アズサはリリーがいないことに不安を感じる。
まさか、あの悪役令嬢担当のハッチがなんかすでに仕掛けたのかしら。
小説ではあるあるだわよね。大丈夫かしらと思い心配になるアズサ。
国王様は、続ける。
「リリーは、ナカソ村に帰還することになった。美人を集めろと申したが無理やりとは命じていない。よってリリーは失格となった」
「アズサ、リリーは帰ったみたいだけど、ハッチがいるから気をつけてね」
小声で、セラム様が私に言う。
「ありがとうございます」
「でもおじい様何が無理やりとは言ってないよねぇ?私も無理やりなのに」
「セラム、何か言ったか?」
国王様が、尋ねた。
「いえ、頑張りましょうねとお話してただけですわ。ホホホ」
セラム様は本当に切り替えが上手だと感心するアズサだった。
でも、肝心のカインがいない。カインに会えるのを楽しみに
していたアズサは、もうカインロスに陥っていた。
こんなにもカインを愛しているなんて。絶対勝たないと。
「それでは、今から座学の試験を行う」
騎士たちが、机や椅子を広間に並べ、用紙を置いた。
そこに座った。
「時間は50分。はじめ!」
ため息をつきながら、問題を解いていくセラム様。
わー世界史バンザイと浮かれ気味に解くアズサ。
そして、もぞもぞと冷や汗をかきながら、解いている挙動不審の
ハッチ。よそ見をしていてはカンニング扱いになるので私は
試験に集中することにした。
バサッ
何かが落ちる音がする。でも、もう私は問題を解き、見直ししている
途中だったので、気にしていなかった。騎士がやってくる。
「国王様、こんなものが」
騎士が落ちたものを国王様に見せた。
「だれだ!こんなあくどいことをする奴は。名乗りをあげよ」
静まる会場。そして、ハッチが手を挙げた。
「恐れながら申し上げます。アズサの場所から落ちたのを見ました」
「え?」
私は、驚いてしまった。私は何も持ってきていない。私じゃない。
あーこれがいわゆるテンプレの悪役令嬢の貶めるやり方なのね。
読むのとされるのとは全然違うわね。腹立つわー!!
どうしようか。ハッチが汗をかいているってことは
犯人はハッチに決まってる。でも、バレるのが怖いから私に罪をなすりつけた。
ここで、反論しても意味がない。それにこのテストでいい点を取っても意味がない。
と言って、謝るのも絶対いやだし。
「すみませんが、テストの変更は可能ですか?」
「お前は何を言い出すんだ。お前が犯人だと言われているのだぞ」
「ここで反論してもテストで100点取っても意味がないですよね?ならしっかり対策をしてやり直すべきだと思います」
「国王様、それにこの試験誰が作ったのです?間違いだらけですわよ」
セラム様が呆れながら言った。国王様は慌てて確認した。
見ると、年号やら歴代の国王などの誤字がたくさん見つけられた。
「これは、話にならないな。明日再試験を行う。本日は以上だ」
そう言って、国王様は、試験を作った指揮官の元へ怒鳴りつけに行った。
0
あなたにおすすめの小説
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
巨乳令嬢は男装して騎士団に入隊するけど、何故か騎士団長に目をつけられた
狭山雪菜
恋愛
ラクマ王国は昔から貴族以上の18歳から20歳までの子息に騎士団に短期入団する事を義務付けている
いつしか時の流れが次第に短期入団を終わらせれば、成人とみなされる事に変わっていった
そんなことで、我がサハラ男爵家も例外ではなく長男のマルキ・サハラも騎士団に入団する日が近づきみんな浮き立っていた
しかし、入団前日になり置き手紙ひとつ残し姿を消した長男に男爵家当主は苦悩の末、苦肉の策を家族に伝え他言無用で使用人にも箝口令を敷いた
当日入団したのは、男装した年子の妹、ハルキ・サハラだった
この作品は「小説家になろう」にも掲載しております。
義兄に甘えまくっていたらいつの間にか執着されまくっていた話
よしゆき
恋愛
乙女ゲームのヒロインに意地悪をする攻略対象者のユリウスの義妹、マリナに転生した。大好きな推しであるユリウスと自分が結ばれることはない。ならば義妹として目一杯甘えまくって楽しもうと考えたのだが、気づけばユリウスにめちゃくちゃ執着されていた話。
「義兄に嫌われようとした行動が裏目に出て逆に執着されることになった話」のifストーリーですが繋がりはなにもありません。
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
記憶喪失の私はギルマス(強面)に拾われました【バレンタインSS投下】
かのこkanoko
恋愛
記憶喪失の私が強面のギルドマスターに拾われました。
名前も年齢も住んでた町も覚えてません。
ただ、ギルマスは何だか私のストライクゾーンな気がするんですが。
プロット無しで始める異世界ゆるゆるラブコメになる予定の話です。
小説家になろう様にも公開してます。
【完結】異世界転移した私、なぜか全員に溺愛されています!?
きゅちゃん
恋愛
残業続きのOL・佐藤美月(22歳)が突然異世界アルカディア王国に転移。彼女が持つ稀少な「癒しの魔力」により「聖女」として迎えられる。優しく知的な宮廷魔術師アルト、粗野だが誠実な護衛騎士カイル、クールな王子レオン、最初は敵視する女騎士エリアらが、美月の純粋さと癒しの力に次々と心を奪われていく。王国の危機を救いながら、美月は想像を絶する溺愛を受けることに。果たして美月は元の世界に帰るのか、それとも新たな愛を見つけるのか――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる