【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

SORA

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ハッチの野望

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 ハッチは、ホッとしたようだった。

「ハッチ、明日はこんなもの作成しても意味ないわよ」

「何の話ですの?そんなもの知らないわ」

「あなたの使っているローズのせっけんの香りがついているから、このこと話したらすぐばれると思うけど」

悪役令嬢にやり返す瞬間楽しいかも。やばい。おもしろい。

ハッチは、おどおどしながら部屋へと戻っていった。

それを見ていたセラム様が言った。

「今のアズサは怖かったわよ」

「え?ごめん。自分じゃないのに自分が犯人にされるってとても気分が悪かったから、つい……」

「まぁ、そうよね。でも今日はカイン様なぜいなかったのだろうね」

「うん。会えると思ってたから残念だった」

アズサは期待が大きかった分、へこんでいたのだった。

 カインは、お城の別会場でモニターを見ていた。

同じ会場にいると、アズサを贔屓するのではないかという声が

貴族により上がったからである。モニターでしっかりと

ハッチが落としたのを目撃するラリーとカイン。

アズサが言われていた時、とっさに部屋を飛び出そうとしたが、

ラリーに魔法が掛けられており、椅子から動けなかった。

「おい、なんだよ。これ。動けないんだけど」

「国王様の命令さ。カインをここで閉じ込めとけって」

「だからって、拘束する必要ないよな」

「だって、力だけなら俺負けるじゃん?」

ラリーは相変わらずのチャラさで話している。

アズサはちゃんと対応するのだろうか、心配しながら

俺はモニターを見た。

なんとか、この問題は解決したらしい。よかった。

それにしても、あのいじわるそうなアズサもいいな。

あんなアズサにいじめられたいと変態な妄想をしているカイン。

それに気付いたラリーは茶化す。

「お前、もう欲求不満か?」

「監獄のミシェルはいいぞ。いい声で啼くんだ」

「お前、最近お城によく来てると思ったらミシェル目的だったのかよ」

「あー俺あの子気に入ったんだもん」

「めずらしいな。ラリーが1人の女に固執するのは」

「そうだね。相性が良かったみたい」

「……あえてこれ以上は聞かないよ」

ラリーは恍惚とした表情である。明日の試験は何もないことを

祈るカインだった。


 ハッチは、部屋に入り、ベッドへとダイブする。危なかった。

明日はありのままの実力で行くしかないのかしら。

「ちょっとーちょっとー早く出てきなさいよ。何回声かけたらいいのよ」

密偵に声を掛けても全く反応がない。もしや、リリーのことで

捕まってしまったのかしら。

なら私の仕業ってバレてるんじゃないの?どうしよう。

でも、私はお父様の最後の希望。貴族ナンバーワンから騎士団長の奥様の

称号を取って、さらなる我が家の発展につなげますわ。

今日は疲れたわね。そのまま眠ることにした。
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