【完結】異世界に転生したら、元カレが敵みたいですが、溺愛騎士様がいるので大丈夫です。

セラム

　セラムは、お城での生活に退屈していた。好きな人にも会えない、

辛い。でも王女という名のもとで逃げるなんてできない。

憂鬱な気分で、窓から空を眺めていた。見たことがある鳥だった。

その鳥は、セラムの窓までやってきて、くちばしに紙を挟んでいた。

そして、セラムの手にその紙を落とした。

その鳥は、窓辺でずっと止まっていた。セラムは紙を開いた。

そこには愛しのトムからの手紙だった。


愛するセラム、君がいないとぼくは悲しい。
君がいないとぼくはだめだ。
君がいないとぼくは苦しくて耐えられない。
あー早く僕のところに帰ってきてくれ。愛しているよ　

トム



相変わらず。ポエム風なトムからの手紙に元気が出たセラム。

こればかりは、王女に生まれたのだから運命よね。

まだ勝手に婚約者決められて結婚させられないだけ

まぁしだと思うしかないわね。それにしても、ハッチは今度何してくるのかしら。

リリーを連れ出したのは、ハッチの密偵だと聞いたのだけど何かおかしいのよね。

その様子がラブラブなカップルのようにイチャイチャしながら、

お城から出て行ったっていうんだから。

聖女リリエ様は、結構ハッキリ言うタイプの方だから連れ去られたり

することはないとは思うし、おじい様もそれを見逃しているとは思えない。

これには何か裏があるみたいよね。

侮れないわね。アズサも言うときはちゃんと言うみたいだし、少しは安心ね。

はー早く終わらないかと思うセラムだった。