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23話

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「いいのか?そんなすぐ決めてしまって」

「はい!パーティーじゃないですか。それに人助け、やれるならやるべきです。途中の魔物を狩ればお金にもなりますし」

「なんかわるいな」

「いえいえ。穴なんてきっといい経験になりますよ」

「ありがとうな。よし、じゃあ今日は食って明日に備えよう!」

「明日って、サラさんは大丈夫なんですか?」

「体力の面を考えて合流自体は明後日になるけど、それまでに準備をこっちで整えてやろうと思ってな。明日はその準備を一緒にしよう」

「なるほど。わかりました」

 その後は食事を楽しみつつ少し穴の話などをした。
 以前ミレティアは穴に入ったことがあるらしく、詳しく教えてくれた。穴は時折生成され中にあるものは制作物でなければ同じで、制作物の場合だけランダムになるそうだ。
 何が出るかはお楽しみなものと固定のもの。どちらもかなり貴重なものになりやすいらしい。
 ただし制作物だった場合は再制作されないので同じダンジョンの同じ空間に飛ばされる人たち間では早い者勝ちで、だからこそ新しいダンジョンがもてはやされやすいらしい。
 でもそれでも見つかることはまれで今回そういうことを考えると運がいいらしい。だけどミレティアは何度も

「あることは正しくても、見つからないことも多い」

 と何度も釘を刺すのだった。
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