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1章
24話
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心の準備をするために目を瞑って、ねずみの場所まで連れて行ってもらう。
「よぉ。猫がワタを見たいってさ」
「ははは。仲がいいですな。今日もあそこで立ってますよ」
とウィンダムが笑う。立ってる。これはもしかするとと覚悟を決める。
「わかった。じゃあ行くか」
がさがさと地面を行く足音が大きく感じる。大分近づいたのだろう。ちゅーちゅーと声が聞こえ始めた。
「そこだ。やれー。右だ。左だ」
とねずみが言う。僕は片目を開いて声の方をみると高台の上にまるまると太った。いやもう太ったというレベルではない巨大化したねずみが両手をあげて人間たちにヤジを飛ばしていた。
「ほれ。ここは危ないから、あんまりはしゃいで遊ぶなよ。俺は仕事があるから帰るからな」
ラクエルは僕を降ろして駆けて行った。僕は高台の方へと向かって行って、ねずみに近づく。
高台の階段をのぼって一番上につき、近くでねずみを見るとラクエルの腕の中でみたよりもすごく巨大に見える。今までのサイズだったら僕の上に乗せたり、口で運んだりできたが、もうできないほどに大きい。というか僕と同じかもしかするとそれ以上大きのじゃないかと思う。
「やぁ。元気かい」
と恐る恐る声をかける。
「お兄さん。久しぶりだね。少し小さくなっちゃった?」
「ワタくんが大きくなっただけだよ。大分太ったね」
そっちが大きくなっただけだと少し癪に障るが、ここはこらえて少し褒めると。
「えへへ。まあそれなりにね」
と照れくさそうに笑う。
「ここはいっぱい食べれていいだろう?」
「うん!この調子ならすぐに人間を追い出せるくらい大きくなれそうだよ。でも」
少し悩んだような顔になる。僕はついに共存の道を考えたのかなと聞き返してみる。
「でも?」
「ご飯が美味しいから作る人間だけは残してあげようと思う!いいかな?」
「もちろんだよ」
これも小さいながら進歩かと、僕はにゃぁと笑いながら答えた。
「ところでこんなところでなにをしてるんだい?」
「昼は暇だからここにきて、みんなが殴り合うのを見てるんだ。面白いよ」
「そうかそうか。よかったね」
「うん!人間は面白いんだ。毎日こんなことしてるのに、まともに棒も振れない人間もいるし。ほら、あそこの人間はいつも少し右が弱いんだ」
と少し楽しみ方も野蛮だ。まあ楽しそうにしてるし、生きてもいる。大きくなったとはいえ、人間を打倒するほどではないし、今日はこれくらい分かれば問題ないとそろそろ帰ることにする。
「楽しそうでよかったよ。これからも元気に危ないことはしないようにね」
「うん!もう帰っちゃうの?」
「そうだね。そろそろ帰らないと」
「そっか。お兄さんまた来てね」
なんだか寂しそうに僕を見送ってくれた。
「よぉ。猫がワタを見たいってさ」
「ははは。仲がいいですな。今日もあそこで立ってますよ」
とウィンダムが笑う。立ってる。これはもしかするとと覚悟を決める。
「わかった。じゃあ行くか」
がさがさと地面を行く足音が大きく感じる。大分近づいたのだろう。ちゅーちゅーと声が聞こえ始めた。
「そこだ。やれー。右だ。左だ」
とねずみが言う。僕は片目を開いて声の方をみると高台の上にまるまると太った。いやもう太ったというレベルではない巨大化したねずみが両手をあげて人間たちにヤジを飛ばしていた。
「ほれ。ここは危ないから、あんまりはしゃいで遊ぶなよ。俺は仕事があるから帰るからな」
ラクエルは僕を降ろして駆けて行った。僕は高台の方へと向かって行って、ねずみに近づく。
高台の階段をのぼって一番上につき、近くでねずみを見るとラクエルの腕の中でみたよりもすごく巨大に見える。今までのサイズだったら僕の上に乗せたり、口で運んだりできたが、もうできないほどに大きい。というか僕と同じかもしかするとそれ以上大きのじゃないかと思う。
「やぁ。元気かい」
と恐る恐る声をかける。
「お兄さん。久しぶりだね。少し小さくなっちゃった?」
「ワタくんが大きくなっただけだよ。大分太ったね」
そっちが大きくなっただけだと少し癪に障るが、ここはこらえて少し褒めると。
「えへへ。まあそれなりにね」
と照れくさそうに笑う。
「ここはいっぱい食べれていいだろう?」
「うん!この調子ならすぐに人間を追い出せるくらい大きくなれそうだよ。でも」
少し悩んだような顔になる。僕はついに共存の道を考えたのかなと聞き返してみる。
「でも?」
「ご飯が美味しいから作る人間だけは残してあげようと思う!いいかな?」
「もちろんだよ」
これも小さいながら進歩かと、僕はにゃぁと笑いながら答えた。
「ところでこんなところでなにをしてるんだい?」
「昼は暇だからここにきて、みんなが殴り合うのを見てるんだ。面白いよ」
「そうかそうか。よかったね」
「うん!人間は面白いんだ。毎日こんなことしてるのに、まともに棒も振れない人間もいるし。ほら、あそこの人間はいつも少し右が弱いんだ」
と少し楽しみ方も野蛮だ。まあ楽しそうにしてるし、生きてもいる。大きくなったとはいえ、人間を打倒するほどではないし、今日はこれくらい分かれば問題ないとそろそろ帰ることにする。
「楽しそうでよかったよ。これからも元気に危ないことはしないようにね」
「うん!もう帰っちゃうの?」
「そうだね。そろそろ帰らないと」
「そっか。お兄さんまた来てね」
なんだか寂しそうに僕を見送ってくれた。
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