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2章
18話
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遺憾という言葉がぴったりな気分にさせられた食事を終える。正直まだまだ食べたりないが、次はどうするのとお嬢様ににゃあとなく。すると待っていましたと言わんばかりにミーナとかいう人間が僕の口をぬるい布で拭く、そこまで汚れてないのにうっとうしいやつだ。
人間はことあれば僕にさわって、ことあれば僕を洗う。何とも変なやつらだ。僕は湿った顔をごしごしとして毛並みを整える。人間は毛が少ないからか、毛の方向が違うと感じる違和感とか、嫌な気持ちをまったくわかってないのも嫌なところだ。
「おいしかったかしら?」
ここはお世辞を言う所だなと思い、おいしい、もっとたべたいと念じる。
実際味はよかった。すこし濃いので薄いとなおいいなとは思うが、それはおいおいちゃんと伝わるようになってから伝える事にする。
「うふふ。そんなに食べたら太っちゃうわよ」
と要らない心配をしつつ僕を撫でる。僕はその手をぺろぺろと舐める。これはお願いの合図だが、うふふと笑って取り合ってくれない。
「そろそろ戻りましょうか。お部屋を紹介しますわ」
そう言って僕を抱きかかえる。まだまだ食べたりないが、仕方ない。にゃぁと分かったことを伝える。またお嬢様はうふふと笑う。笑ってばかりでお気楽なものだ。
お嬢様は食堂を出て僕を部屋に案内する。どうやら部屋は2階のようで中央にある階段をのぼっていく。登りきると広いホールがあり、またいくつかに道が分かれている。難解だなあと思っているとすっと立ち止まる。
「ここが私の部屋よ。中にはホワイトのための物もいっぱいあるわ」
ほうほうここで暮らすのかなと中を少し楽しみにしたがどうやら違うらしく、またすぐに歩き始めた。いくつかの部屋の前を戻ったり行ったりして、覚えるのも難しい道順を経てやっとまた止まった。
「ここが君の部屋よ。そして、ここにホワイト用の入り口を作ったわ」
そう言ってぱんぱんと小さな扉をたたく。なるほどなるほど。僕専用というわけだなと少し嬉しい。にゃぁとないて入ってみる。中はかわいらしい家具とふわふわな絨毯がひかれていた。それに僕専用らしく家具が階段状に設置されていて、高い場所にも上りやすいようになっている。それに僕用のベッドまである。素晴らしいととりあえず高い所に登ってみる。
「気に入ったかしら。メインの部屋には作れませんけど、いくつかの部屋と屋敷の裏口にも入り口を作ってありますわ」
そう言ってお嬢様は入ってくる。にゃぁと答えると共に、気に入ったと念じる。
「それはよかったですわ。けれど、これは命令です。敷地の外にはでませんように」
きゅっと首あたりが柔らかく閉まるような気がした。制約はこんな感じなのかと理解する。
「あとこれを」
そう言って赤い首輪を僕の方へ掲げる。馬や猫、犬なんかと同じと思うと嫌だが、こんないい部屋を用意してくれたのだから甘んじて受けようと、すっと降りて、お嬢様の足元に行く。
「いい子ね」
僕の頭をひと撫でして、首に首輪をつける。どうやら鈴もついてるようでしゃりしゃりと音がする。いい音だ。だがずっとするとなると少々うるさいかもしれない。まあそうなったらまた念じてみよう。とりあえず今はありがとうと念じる。そうするとまたうふふと笑う。そして今回は珍しく僕の頭に唇を付けて。
「私は少ししなければならないことがあるから、またご飯の時間に呼びに来るわ。それまで色々遊んでてね」
そう言ってミーナだけを置いて部屋を出て行った。
人間はことあれば僕にさわって、ことあれば僕を洗う。何とも変なやつらだ。僕は湿った顔をごしごしとして毛並みを整える。人間は毛が少ないからか、毛の方向が違うと感じる違和感とか、嫌な気持ちをまったくわかってないのも嫌なところだ。
「おいしかったかしら?」
ここはお世辞を言う所だなと思い、おいしい、もっとたべたいと念じる。
実際味はよかった。すこし濃いので薄いとなおいいなとは思うが、それはおいおいちゃんと伝わるようになってから伝える事にする。
「うふふ。そんなに食べたら太っちゃうわよ」
と要らない心配をしつつ僕を撫でる。僕はその手をぺろぺろと舐める。これはお願いの合図だが、うふふと笑って取り合ってくれない。
「そろそろ戻りましょうか。お部屋を紹介しますわ」
そう言って僕を抱きかかえる。まだまだ食べたりないが、仕方ない。にゃぁと分かったことを伝える。またお嬢様はうふふと笑う。笑ってばかりでお気楽なものだ。
お嬢様は食堂を出て僕を部屋に案内する。どうやら部屋は2階のようで中央にある階段をのぼっていく。登りきると広いホールがあり、またいくつかに道が分かれている。難解だなあと思っているとすっと立ち止まる。
「ここが私の部屋よ。中にはホワイトのための物もいっぱいあるわ」
ほうほうここで暮らすのかなと中を少し楽しみにしたがどうやら違うらしく、またすぐに歩き始めた。いくつかの部屋の前を戻ったり行ったりして、覚えるのも難しい道順を経てやっとまた止まった。
「ここが君の部屋よ。そして、ここにホワイト用の入り口を作ったわ」
そう言ってぱんぱんと小さな扉をたたく。なるほどなるほど。僕専用というわけだなと少し嬉しい。にゃぁとないて入ってみる。中はかわいらしい家具とふわふわな絨毯がひかれていた。それに僕専用らしく家具が階段状に設置されていて、高い場所にも上りやすいようになっている。それに僕用のベッドまである。素晴らしいととりあえず高い所に登ってみる。
「気に入ったかしら。メインの部屋には作れませんけど、いくつかの部屋と屋敷の裏口にも入り口を作ってありますわ」
そう言ってお嬢様は入ってくる。にゃぁと答えると共に、気に入ったと念じる。
「それはよかったですわ。けれど、これは命令です。敷地の外にはでませんように」
きゅっと首あたりが柔らかく閉まるような気がした。制約はこんな感じなのかと理解する。
「あとこれを」
そう言って赤い首輪を僕の方へ掲げる。馬や猫、犬なんかと同じと思うと嫌だが、こんないい部屋を用意してくれたのだから甘んじて受けようと、すっと降りて、お嬢様の足元に行く。
「いい子ね」
僕の頭をひと撫でして、首に首輪をつける。どうやら鈴もついてるようでしゃりしゃりと音がする。いい音だ。だがずっとするとなると少々うるさいかもしれない。まあそうなったらまた念じてみよう。とりあえず今はありがとうと念じる。そうするとまたうふふと笑う。そして今回は珍しく僕の頭に唇を付けて。
「私は少ししなければならないことがあるから、またご飯の時間に呼びに来るわ。それまで色々遊んでてね」
そう言ってミーナだけを置いて部屋を出て行った。
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