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屋敷へ戻ると、珍しくシルヴァンが応接室でお茶を飲んでおり、アレクサンドラに気づくと穏やかに笑みを見せた。
「やぁ、散歩に行っていたのか?」
「いえ、エクトルが来たので案内をしていたところですわ」
「そうか。エクトル、久しいな」
「殿下、お久しゅうございます。姉から殿下がこちらに滞在されていると聞き、驚きました」
「そうだな、色々あって君の“お姉様”には世話になっている。ところで、座ったらどうだ?」
「いえ、僕も姉も忙しいので……」
エクトルが断ろうとするのを察して、アレクサンドラは慌ててその声にかぶせた。
「もちろん、ご一緒させていただきますわ!」
そう言って、嫌がるエクトルの背中を押した。
「殿下、こちらに失礼いたしますわね」
シルヴァンの向かいに腰を下ろすと、アレクサンドラはエクトルに視線を向けた。
「ほら、エクトルも座るのよ」
エクトルは渋々とシルヴァンの斜向かいに腰を下ろした。
シルヴァンは楽しげに微笑み、言った。
「エクトル、顔色が優れないな。何かあったのか?」
「いいえ、そんなことはありません」
エクトルは無理に笑顔を作って答えた。
「そうか。ならいいが……しかし、君はわざわざモイズ村まで何をしに来たんだ? まさかアレクサンドラに会うためだけではないだろう?」
「まぁ、色々ありまして。姉にもまだ話していませんし、デュカス家のことなので詳しくは申し上げられません」
その言葉にアレクサンドラは眉を寄せた。やはり何かあったのだと悟り、無言でエクトルを見つめる。エクトルは少しだけためらいながらも口を開いた。
「お姉様が驚くかもしれませんから、落ち着いた場でお話ししようと思っていたのですが……」
「心配しないで。私なら大丈夫ですわ」
そうは言ったものの、胸の奥には不安がよぎった。
「実は今、社交界でお姉様が殿下に婚約を断られたショックで田舎に引きこもり、その……複数の相手と関係をもったという噂が流れています」
アレクサンドラは息を呑んた。シルヴァンは眉間に皺を寄せ、しばらく沈黙したあと、低い声でゆっくりとエクトルに確認するように訊いた。
「その噂の出どころは、まだ掴めていないのだろう?」
「はい。父も躍起になって探っていますが、市井から出た話らしく、突き止めようがないようです」
「そうか……。で、その噂が社交界でかなり信憑性をもって囁かれていると言うなだな?」
「はい。殿下は、このことをご存じだったのでは?」
シルヴァンは静かに息を吐いた。
「まぁな。僕も城下を離れているから詳しい報告までは受けていないが」
アレクサンドラは思わず身を乗り出した。
「まぁ! 殿下もこのことをご存じでしたのね? いつからご存じでしたの? なぜ仰ってくださらなかったのですか?」
「レックス、落ち着いて。中途半端な情報で君を不安にさせたくなかっただけだ」
「そう……ですのね」
そう答えた瞬間、アレクサンドラははっとした。
「もしかして、殿下はその噂を聞いて私を追ってこられたのですか?」
「いや、それは違う。君がモイズへ立ったと聞いた時からすぐにでも追いかけたかったが……いや、今はそれよりも」
シルヴァンは咳払いをし、続けた。
「僕は君を信頼している。君が異性とふしだらな関係を持つはずがないことも、よくわかっている。それに、身分の低い者と交わることが悪いとも思っていない」
それが本心なのかはわからなかったが、その言葉にアレクサンドラは少しだけ安心した。
「そうですの。ありがとうございますわ、殿下」
微笑むアレクサンドラを見つめながら、シルヴァンの瞳が柔らかく細まる。アレクサンドラはその視線に戸惑い、頬が熱くなるのを感じた。
「殿下、今は真剣な話の最中ですよ?」
エクトルがわざとらしく咳払いをして言った。
「ん? あぁ、すまない。レックスがあまりにも愛らしくて、つい」
アレクサンドラの頬がさらに赤く染まった。エクトルは呆れたように小声で呟く。
「殿下がこんなに甘い方だとは。これは僕の誤算でした」
「ん? 何か言ったか、エクトル?」
「いえ、なんでもありません。ただ、少し出遅れたと思っただけです」
シルヴァンはわずかに口角を上げた。
「そのようだな」
二人の間に、ぴんと張りつめた空気が流れた。
エクトルは気を取り直してアレクサンドラに向き直る。
「お姉様、僕も父もそんな噂は一切信じていません。ですから、すぐにその出どころを探るよう動きました」
「そう……ありがとう、エクトル。嬉しいわ」
アレクサンドラが微笑むと、エクトルは少し照れたように視線を逸らした。
「と、当然のことです」
その様子を見て、今度はシルヴァンがムッとしながら問う。
「で? 結局どうだった? 噂の出どころは掴めたのか?」
「酒場でその話を広めていた人物がいたことは突き止めました。ですが、そいつが何者なのか、何の目的でそんなことをしたのかまではわかっていません」
「なんだ、役に立たないな」
シルヴァンの一言に、エクトルの表情が険しくなった。そして拳を静かに握り締め、唇をかみしめると、落ち込んだような表情でアレクサンドラに言った。
「お姉様……お役に立てず申し訳ありません」
「いいのよ、エクトル。きっとその人物は誰かに雇われているはず。目的がわかれば、誰の仕業かも見えてくるわ」
「なるほど、理にかなっていますね」
そこでシルヴァンが口を挟む。
「それで、その噂を流していた男はどんな人物なんだ? それぐらいは掴んでいるのだろう?」
「はい。その男はどこからともなく現れ、酒場に居着いたそうです。身なりはみすぼらしいものの、動きは洗練されており庶民には見えなかったとか。影では“どこかの貴族が追放されたのではないか”と囁かれていたそうです」
「なるほど。素性の知れぬ者とはいえ、元貴族で追放されたのなら社交界の事情にも通じている。だからこそ、皆その噂を信じたのだな」
「やぁ、散歩に行っていたのか?」
「いえ、エクトルが来たので案内をしていたところですわ」
「そうか。エクトル、久しいな」
「殿下、お久しゅうございます。姉から殿下がこちらに滞在されていると聞き、驚きました」
「そうだな、色々あって君の“お姉様”には世話になっている。ところで、座ったらどうだ?」
「いえ、僕も姉も忙しいので……」
エクトルが断ろうとするのを察して、アレクサンドラは慌ててその声にかぶせた。
「もちろん、ご一緒させていただきますわ!」
そう言って、嫌がるエクトルの背中を押した。
「殿下、こちらに失礼いたしますわね」
シルヴァンの向かいに腰を下ろすと、アレクサンドラはエクトルに視線を向けた。
「ほら、エクトルも座るのよ」
エクトルは渋々とシルヴァンの斜向かいに腰を下ろした。
シルヴァンは楽しげに微笑み、言った。
「エクトル、顔色が優れないな。何かあったのか?」
「いいえ、そんなことはありません」
エクトルは無理に笑顔を作って答えた。
「そうか。ならいいが……しかし、君はわざわざモイズ村まで何をしに来たんだ? まさかアレクサンドラに会うためだけではないだろう?」
「まぁ、色々ありまして。姉にもまだ話していませんし、デュカス家のことなので詳しくは申し上げられません」
その言葉にアレクサンドラは眉を寄せた。やはり何かあったのだと悟り、無言でエクトルを見つめる。エクトルは少しだけためらいながらも口を開いた。
「お姉様が驚くかもしれませんから、落ち着いた場でお話ししようと思っていたのですが……」
「心配しないで。私なら大丈夫ですわ」
そうは言ったものの、胸の奥には不安がよぎった。
「実は今、社交界でお姉様が殿下に婚約を断られたショックで田舎に引きこもり、その……複数の相手と関係をもったという噂が流れています」
アレクサンドラは息を呑んた。シルヴァンは眉間に皺を寄せ、しばらく沈黙したあと、低い声でゆっくりとエクトルに確認するように訊いた。
「その噂の出どころは、まだ掴めていないのだろう?」
「はい。父も躍起になって探っていますが、市井から出た話らしく、突き止めようがないようです」
「そうか……。で、その噂が社交界でかなり信憑性をもって囁かれていると言うなだな?」
「はい。殿下は、このことをご存じだったのでは?」
シルヴァンは静かに息を吐いた。
「まぁな。僕も城下を離れているから詳しい報告までは受けていないが」
アレクサンドラは思わず身を乗り出した。
「まぁ! 殿下もこのことをご存じでしたのね? いつからご存じでしたの? なぜ仰ってくださらなかったのですか?」
「レックス、落ち着いて。中途半端な情報で君を不安にさせたくなかっただけだ」
「そう……ですのね」
そう答えた瞬間、アレクサンドラははっとした。
「もしかして、殿下はその噂を聞いて私を追ってこられたのですか?」
「いや、それは違う。君がモイズへ立ったと聞いた時からすぐにでも追いかけたかったが……いや、今はそれよりも」
シルヴァンは咳払いをし、続けた。
「僕は君を信頼している。君が異性とふしだらな関係を持つはずがないことも、よくわかっている。それに、身分の低い者と交わることが悪いとも思っていない」
それが本心なのかはわからなかったが、その言葉にアレクサンドラは少しだけ安心した。
「そうですの。ありがとうございますわ、殿下」
微笑むアレクサンドラを見つめながら、シルヴァンの瞳が柔らかく細まる。アレクサンドラはその視線に戸惑い、頬が熱くなるのを感じた。
「殿下、今は真剣な話の最中ですよ?」
エクトルがわざとらしく咳払いをして言った。
「ん? あぁ、すまない。レックスがあまりにも愛らしくて、つい」
アレクサンドラの頬がさらに赤く染まった。エクトルは呆れたように小声で呟く。
「殿下がこんなに甘い方だとは。これは僕の誤算でした」
「ん? 何か言ったか、エクトル?」
「いえ、なんでもありません。ただ、少し出遅れたと思っただけです」
シルヴァンはわずかに口角を上げた。
「そのようだな」
二人の間に、ぴんと張りつめた空気が流れた。
エクトルは気を取り直してアレクサンドラに向き直る。
「お姉様、僕も父もそんな噂は一切信じていません。ですから、すぐにその出どころを探るよう動きました」
「そう……ありがとう、エクトル。嬉しいわ」
アレクサンドラが微笑むと、エクトルは少し照れたように視線を逸らした。
「と、当然のことです」
その様子を見て、今度はシルヴァンがムッとしながら問う。
「で? 結局どうだった? 噂の出どころは掴めたのか?」
「酒場でその話を広めていた人物がいたことは突き止めました。ですが、そいつが何者なのか、何の目的でそんなことをしたのかまではわかっていません」
「なんだ、役に立たないな」
シルヴァンの一言に、エクトルの表情が険しくなった。そして拳を静かに握り締め、唇をかみしめると、落ち込んだような表情でアレクサンドラに言った。
「お姉様……お役に立てず申し訳ありません」
「いいのよ、エクトル。きっとその人物は誰かに雇われているはず。目的がわかれば、誰の仕業かも見えてくるわ」
「なるほど、理にかなっていますね」
そこでシルヴァンが口を挟む。
「それで、その噂を流していた男はどんな人物なんだ? それぐらいは掴んでいるのだろう?」
「はい。その男はどこからともなく現れ、酒場に居着いたそうです。身なりはみすぼらしいものの、動きは洗練されており庶民には見えなかったとか。影では“どこかの貴族が追放されたのではないか”と囁かれていたそうです」
「なるほど。素性の知れぬ者とはいえ、元貴族で追放されたのなら社交界の事情にも通じている。だからこそ、皆その噂を信じたのだな」
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