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1.I want you to notice.
第三話
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魔物を狩るには、命を奪うことを覚えなければいけない。
すぐに剣を持たされ、生命を奪える人間はほぼいないだろう。死の理解ができない無邪気な子供か、後先考えない人間。追い詰められた人間。
あるいは感覚が狂った人間か。
肉を食べるために生き物を殺すのと同様に。生きるために殺さなければいけない。
ユリウスがゴブリンの首を躊躇いもなく簡単にはねれば、周りにいた騎士たちの歓声が響く。どうやら、最後の敵だったらしい。剣についた血を裂いたコートの袖で乱雑にぬぐい、辺りを見回す。
周囲に散って逝ったゴブリンの群れの亡骸を眺め、一呼吸。領内で馬車が襲われていると通報があり、駆けつけたのだった。
ゴブリンは森の奥に逃げたり、馬車が通る林道に隠れている様子もなかった。全て殺したとユリウスは思う。
「おい、怪我人の確認をしろ!」
「ユリウス様のおかげでいませんよ! しかも、魔石もどっさり!」
応えたのは見慣れた騎士団の一人。お調子者の彼はゴブリンの素材を回収しながら、楽しそうに言う。魔物の心臓ーー魔石は魔力を強く秘めており、高値で取引されている。
ユリウスの領地で取れる魔物の魔石も経済を回す上では必要なものだ。
誰もが戦いが無事に終わったと安堵の表情を見せる中、ユリウスはその様子を見回して、ふんっと鼻で笑った。しかし、目は笑ってはいない。
ここはユリウスの領地であるガリュアス領。王都と隣接するこの場所は兄から譲り受けた地だった。しかし、魔の三角地帯と呼ばれる森林から時折魔物が侵入して来るため、魔物被害が絶えない地だ。
そう、ユリウスが来るまでは。
「きちんと見て貰えよ。些細な怪我も戦場では命取りになる」
ユリウスはそういって隣でぼんやりとしている騎士の足を蹴り飛ばした。
「いだっ」
「捻挫もな。それが仇となる場合もある」
そう告げてやれば、ユリウスに蹴られた騎士は困ったように笑っていた。
次に彼が視線を移したのは初の戦闘を終えたと思われるアレクセイだ。周りの仲間たちと連携し、しっかりと任をこなしていたのを見ていた。剣筋は上だ。
「おい、紹介するぜ。俺が連れてきた騎士だ。アレクセイ・オリバー。聖騎士の称号を持ってるやつだ。教会側の人間だが、仲良くしてくれよ」
騎士たちの視線がアレクセイに移る。誰もが目を輝かせて彼の傍に近寄った。彼へ質問責めをしようとする様子を見つめ、ユリウスは「あんまり困らすんじゃねぇぞ。おい、アレクセイ。行くぞ」と声をかけた。
ユリウスは木陰に忘れ去られた馬車へゆっくりと歩き出す。アレクセイは慌ててユリウスに駆け寄ってきた。
「なかなか良い剣筋だった。まっすぐな剣だ」
「ありがとうございます。まだまだ未熟ですので、精進します」
真面目な奴だなとユリウスは思う。すると、アレクセイは少し躊躇しながら、口を開いた。
「あの。ユリウスさんは、まるで自分を囮みたいにして戦うんですね」
「囮?」
「ええ。まるで、火の中で踊るような戦いでした」
返り血だらけのコートや服の事を言っているのだろうかとぼんやりと考えながら、ユリウスは何も答えなかった。やがて、ユリウスが立ち止まったのは馬車の扉前。攻撃を受けていた馬車だろう。ユリウスは扉を確認しながら、ノックした。
「おい、怪我は?」
「ひぃっ」
扉が無事なことを確認し、馬車を問答無用で開け放つ。そこにいたのは布を頭にすっぽりとかぶった女性だった。腕には子供がいる。子供の髪は真っ黒で、ユリウスは無表情で二人を見つめる。
「お、お助けを……」
「グスタンか」
隣国のグスタン。戦争中の国家だ。戦火から逃れて来たのだろう。
隣のアレクセイがぎょっとした表情を浮かべている。ユリウスはその表情に驚き以外のものも混ざっていると感じた。
「どうしたんスか?」
「攻撃受けてた馬車見つかったんだとよ」
騎士たちがわらわらと集まってくる。彼らは馬車の中を見て、誰もが困った表情を浮かべる。
「ユリウス様、この国から追い返さないと。国際問題になります。グスタンの者はこの国へ入国できません」
そう言ったのは騎士団を取りまとめている騎士団長だ。短い茶髪がトレードマークで、ユリウスより二つ上の男性だった。
グスタンはユリウスが十年前に戦争で打ち破った国家でもあり、現在では国交は完全に遮断されている。グスタンの王族が亡命後、グスタンは内戦の幕を開けた。
漁夫の利を狙っていた隣国をも巻き込み、戦争を幾度となく繰り返している。次の国王は誰かと、土地が痩せても、民が飢えても繰り返される命を燃やす戦争。
女性は青い瞳に涙を浮かべ、子供を守るように抱きしめていた。ユリウスは頭をかいた。
「おい、書状をくれ」
「はっ」
騎士団長が持ってくる書状。ユリウスはそこに一筆し、最後にサインを入れる。絶望した女性の目からは涙が零れ落ちる。
「おい、女」
がたがたと震える女性を見ながら、ユリウスは一つの書状を馬車の中に投げ込んだ。
「ここから南へ抜けろ。南に抜けるまで、子供の髪は絶対見せんじゃねぇ。布で隠しな。死にたくないならな。この国にグスタンの人間が入ることは、死罪に値する」
「ユリウス様」
団長が窘めるように言うが、ユリウスはほくそ笑んだだけだった。
「ここは魔の三角地帯だ。バレた時は運悪く魔物に襲われて逃げて入ってしまったと言えばいい。後は二人の運次第だ」
「貴方というひとは……」
諦めたようにため息をつく団長。周りの騎士たちがまたかといった視線を送る。ぽかんとしているのは、新人のアレクセイだけだった。
「いいか、女。お前は魔の三角地帯からここに入ったと言え。そして、狂人のユリウスに剣を持って追いかけられたと南の門所に泣きつくんだ」
周りの騎士たちがどっと笑う。女性は目を大きく見開いているだけだ。
「そして、その書状を持たされたと言え。いいか? 狂人のユリウスに追いかけられたと言うんだ」
「ゆ、ゆりうす……ユリウスさまですか」
「そうだ。そこの書状に俺の名前が書いてある。忘れたら読めよ。きちんと涙目で泣きつくんだぜ?『目の血走った怖い男だった』とな」
ユリウスは笑うと返り血だらけの服に手で触れ、わざと馬車に血痕を残す。
「運転手はどうした?」
「それが……ゴブリンに襲われて、逃げてしまって」
「森に逃げたのか。多分死んだな。おい、今日の勤務のやつ。二人一組で森を探せ。お前はこの女を」
ユリウスが傍に居たお調子者の騎士に命令をすれば、騎士がすぐに馬車の荷台に乗り込んだ。彼は運転席を確認し、馬の様子を確認している。
「あの、一体……」
「早く行け。戦争の激化に伴い、門所の監査が来週以降には厳しくなる。シャムセス山脈の雪解けが合図になる。今日の内に行け。おい、アルス。頼んだぜ」
馬車へ乗り込んだお調子者の騎士は「任せてくださいよ!」と笑った。そして、そばに控えていた馬を宥め、ゆっくりと走らせた。女性が感謝の言葉を何度も言い、去っていく様子。周りの騎士たちは気をつけていけよと声をかけている。
やがて、馬車が見えなくなった頃、アレクセイがユリウスに声をかけた。
「グスタンの人間を、この国へ招いてよかったのですか?」
「別に……確かに不法入国し、職がなく、犯罪に手を染めるやつが多いが、戦争被害にあった女や子供に罪はねぇ。まあ、あの手に豆があんだけできていれば、針仕事ぐらいはできるだろうよ。それに南に行けば、あそこは昔からグスタンの血筋も多い。あんな真剣な目を持つ女が犯罪に手を染めるとは思えねぇよ」
そう答えるユリウスにアレクセイが驚いた顔を見せる。
「んだよ。そんなに許せないっていうなら、追いかけて門所にチクってもいいんだぜ?」
「いえ、助けられる命なら……。私が驚いたのはそっちではなく。ユリウスさんが噂に聞いていた話を全然違うのだなと」
「はは、ユリウス様の噂話は尾ひれつきますからね。面白い方でしょう」
茶髪の団長が楽しそうに言う。
「多分、門所で狂人ユリウスが罪のない女と子供に対して剣持って追いかけまわしたと広まるでしょうね」
「それは……笑って終わらせる問題なのですか? 事実無根です」
「また、辺境の地の狂人ユリウスがーってな。もしかすると、もしあの女と子供がばれたとしても、ユリウスならわざと死罪にさせたくて、やりかねんって見逃してくれるかもしれない」
他の騎士が笑って答えた。驚くアレクセイに、ユリウスは愉快そうに笑う。
「違いないな。おい、そういや……団長」
「はい?」
「新しい薬を扱うギルドが明日来るぜ」
「本当ですか!?」
身を乗り出して驚く団長。ユリウスはにやりと笑んだ。
「妹、助かるといいな」
「はい! ありがとうございます!」
その様子を茫然と見ていたアレクセイ。振り返ったユリウスは続ける。
「アレクセイ。これが俺の領地に居る騎士たちだ。戦争の最前線でずっと戦ってきた仲間だ。お前はこの中で育ってもらう。改めて、よろしくな」
ユリウスはふと気が付く。歓迎され驚いているアレクセイ。そして、新しい仲間を喜ぶ団員たち。
その中で一人だけ違う気配を感じ、ユリウスは小さく息をつく。これからはじまるであろう嫌な予感に、「明日は雨だろうか」とユリウスは独り呟いた。
すぐに剣を持たされ、生命を奪える人間はほぼいないだろう。死の理解ができない無邪気な子供か、後先考えない人間。追い詰められた人間。
あるいは感覚が狂った人間か。
肉を食べるために生き物を殺すのと同様に。生きるために殺さなければいけない。
ユリウスがゴブリンの首を躊躇いもなく簡単にはねれば、周りにいた騎士たちの歓声が響く。どうやら、最後の敵だったらしい。剣についた血を裂いたコートの袖で乱雑にぬぐい、辺りを見回す。
周囲に散って逝ったゴブリンの群れの亡骸を眺め、一呼吸。領内で馬車が襲われていると通報があり、駆けつけたのだった。
ゴブリンは森の奥に逃げたり、馬車が通る林道に隠れている様子もなかった。全て殺したとユリウスは思う。
「おい、怪我人の確認をしろ!」
「ユリウス様のおかげでいませんよ! しかも、魔石もどっさり!」
応えたのは見慣れた騎士団の一人。お調子者の彼はゴブリンの素材を回収しながら、楽しそうに言う。魔物の心臓ーー魔石は魔力を強く秘めており、高値で取引されている。
ユリウスの領地で取れる魔物の魔石も経済を回す上では必要なものだ。
誰もが戦いが無事に終わったと安堵の表情を見せる中、ユリウスはその様子を見回して、ふんっと鼻で笑った。しかし、目は笑ってはいない。
ここはユリウスの領地であるガリュアス領。王都と隣接するこの場所は兄から譲り受けた地だった。しかし、魔の三角地帯と呼ばれる森林から時折魔物が侵入して来るため、魔物被害が絶えない地だ。
そう、ユリウスが来るまでは。
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「いだっ」
「捻挫もな。それが仇となる場合もある」
そう告げてやれば、ユリウスに蹴られた騎士は困ったように笑っていた。
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「おい、紹介するぜ。俺が連れてきた騎士だ。アレクセイ・オリバー。聖騎士の称号を持ってるやつだ。教会側の人間だが、仲良くしてくれよ」
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「なかなか良い剣筋だった。まっすぐな剣だ」
「ありがとうございます。まだまだ未熟ですので、精進します」
真面目な奴だなとユリウスは思う。すると、アレクセイは少し躊躇しながら、口を開いた。
「あの。ユリウスさんは、まるで自分を囮みたいにして戦うんですね」
「囮?」
「ええ。まるで、火の中で踊るような戦いでした」
返り血だらけのコートや服の事を言っているのだろうかとぼんやりと考えながら、ユリウスは何も答えなかった。やがて、ユリウスが立ち止まったのは馬車の扉前。攻撃を受けていた馬車だろう。ユリウスは扉を確認しながら、ノックした。
「おい、怪我は?」
「ひぃっ」
扉が無事なことを確認し、馬車を問答無用で開け放つ。そこにいたのは布を頭にすっぽりとかぶった女性だった。腕には子供がいる。子供の髪は真っ黒で、ユリウスは無表情で二人を見つめる。
「お、お助けを……」
「グスタンか」
隣国のグスタン。戦争中の国家だ。戦火から逃れて来たのだろう。
隣のアレクセイがぎょっとした表情を浮かべている。ユリウスはその表情に驚き以外のものも混ざっていると感じた。
「どうしたんスか?」
「攻撃受けてた馬車見つかったんだとよ」
騎士たちがわらわらと集まってくる。彼らは馬車の中を見て、誰もが困った表情を浮かべる。
「ユリウス様、この国から追い返さないと。国際問題になります。グスタンの者はこの国へ入国できません」
そう言ったのは騎士団を取りまとめている騎士団長だ。短い茶髪がトレードマークで、ユリウスより二つ上の男性だった。
グスタンはユリウスが十年前に戦争で打ち破った国家でもあり、現在では国交は完全に遮断されている。グスタンの王族が亡命後、グスタンは内戦の幕を開けた。
漁夫の利を狙っていた隣国をも巻き込み、戦争を幾度となく繰り返している。次の国王は誰かと、土地が痩せても、民が飢えても繰り返される命を燃やす戦争。
女性は青い瞳に涙を浮かべ、子供を守るように抱きしめていた。ユリウスは頭をかいた。
「おい、書状をくれ」
「はっ」
騎士団長が持ってくる書状。ユリウスはそこに一筆し、最後にサインを入れる。絶望した女性の目からは涙が零れ落ちる。
「おい、女」
がたがたと震える女性を見ながら、ユリウスは一つの書状を馬車の中に投げ込んだ。
「ここから南へ抜けろ。南に抜けるまで、子供の髪は絶対見せんじゃねぇ。布で隠しな。死にたくないならな。この国にグスタンの人間が入ることは、死罪に値する」
「ユリウス様」
団長が窘めるように言うが、ユリウスはほくそ笑んだだけだった。
「ここは魔の三角地帯だ。バレた時は運悪く魔物に襲われて逃げて入ってしまったと言えばいい。後は二人の運次第だ」
「貴方というひとは……」
諦めたようにため息をつく団長。周りの騎士たちがまたかといった視線を送る。ぽかんとしているのは、新人のアレクセイだけだった。
「いいか、女。お前は魔の三角地帯からここに入ったと言え。そして、狂人のユリウスに剣を持って追いかけられたと南の門所に泣きつくんだ」
周りの騎士たちがどっと笑う。女性は目を大きく見開いているだけだ。
「そして、その書状を持たされたと言え。いいか? 狂人のユリウスに追いかけられたと言うんだ」
「ゆ、ゆりうす……ユリウスさまですか」
「そうだ。そこの書状に俺の名前が書いてある。忘れたら読めよ。きちんと涙目で泣きつくんだぜ?『目の血走った怖い男だった』とな」
ユリウスは笑うと返り血だらけの服に手で触れ、わざと馬車に血痕を残す。
「運転手はどうした?」
「それが……ゴブリンに襲われて、逃げてしまって」
「森に逃げたのか。多分死んだな。おい、今日の勤務のやつ。二人一組で森を探せ。お前はこの女を」
ユリウスが傍に居たお調子者の騎士に命令をすれば、騎士がすぐに馬車の荷台に乗り込んだ。彼は運転席を確認し、馬の様子を確認している。
「あの、一体……」
「早く行け。戦争の激化に伴い、門所の監査が来週以降には厳しくなる。シャムセス山脈の雪解けが合図になる。今日の内に行け。おい、アルス。頼んだぜ」
馬車へ乗り込んだお調子者の騎士は「任せてくださいよ!」と笑った。そして、そばに控えていた馬を宥め、ゆっくりと走らせた。女性が感謝の言葉を何度も言い、去っていく様子。周りの騎士たちは気をつけていけよと声をかけている。
やがて、馬車が見えなくなった頃、アレクセイがユリウスに声をかけた。
「グスタンの人間を、この国へ招いてよかったのですか?」
「別に……確かに不法入国し、職がなく、犯罪に手を染めるやつが多いが、戦争被害にあった女や子供に罪はねぇ。まあ、あの手に豆があんだけできていれば、針仕事ぐらいはできるだろうよ。それに南に行けば、あそこは昔からグスタンの血筋も多い。あんな真剣な目を持つ女が犯罪に手を染めるとは思えねぇよ」
そう答えるユリウスにアレクセイが驚いた顔を見せる。
「んだよ。そんなに許せないっていうなら、追いかけて門所にチクってもいいんだぜ?」
「いえ、助けられる命なら……。私が驚いたのはそっちではなく。ユリウスさんが噂に聞いていた話を全然違うのだなと」
「はは、ユリウス様の噂話は尾ひれつきますからね。面白い方でしょう」
茶髪の団長が楽しそうに言う。
「多分、門所で狂人ユリウスが罪のない女と子供に対して剣持って追いかけまわしたと広まるでしょうね」
「それは……笑って終わらせる問題なのですか? 事実無根です」
「また、辺境の地の狂人ユリウスがーってな。もしかすると、もしあの女と子供がばれたとしても、ユリウスならわざと死罪にさせたくて、やりかねんって見逃してくれるかもしれない」
他の騎士が笑って答えた。驚くアレクセイに、ユリウスは愉快そうに笑う。
「違いないな。おい、そういや……団長」
「はい?」
「新しい薬を扱うギルドが明日来るぜ」
「本当ですか!?」
身を乗り出して驚く団長。ユリウスはにやりと笑んだ。
「妹、助かるといいな」
「はい! ありがとうございます!」
その様子を茫然と見ていたアレクセイ。振り返ったユリウスは続ける。
「アレクセイ。これが俺の領地に居る騎士たちだ。戦争の最前線でずっと戦ってきた仲間だ。お前はこの中で育ってもらう。改めて、よろしくな」
ユリウスはふと気が付く。歓迎され驚いているアレクセイ。そして、新しい仲間を喜ぶ団員たち。
その中で一人だけ違う気配を感じ、ユリウスは小さく息をつく。これからはじまるであろう嫌な予感に、「明日は雨だろうか」とユリウスは独り呟いた。
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