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2.Born to sin.
第二十一話
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青い空に青い海。先日の高波も落ち着きを取り戻し、今日は暖かな春の風が吹いていた。
「よぉ、メアリ! 今日も元気か?」
「おうよ。そっちも元気そうじゃないか!」
アレクセイとユリウスはデッキでメアリと共にお客さんと会っていた。
どう見ても堅気ではない風貌の男性だ。それよりも驚くのはバンダナを頭に縛っており、どう見ても海賊ですと言わんばかりの恰好だった。黒い髪に褐色の肌。金色の目。年齢は三十代前半といったところだろうか。
その風貌から、メアリと同じ国の人物だということがわかる。
「そっちの二人は誰だ?」
「治療の助っ人をお願いしているアレクセイとユリウスだよ。二人とも可愛いだろう?」
「へぇ。そっちの黒髪の兄さんは良い体格してんなぁ。よろしく、俺はロンだ!」
男性ーーロンは会釈するアレクセイとユリウスを楽しそうに眺め、次にメアリへ視線を移す。
「んで、ここには何の用だい?」
「海賊を追って来たんだよ」
「えっ」
あなたが海賊ではないのですかと尋ねそうになり、アレクセイは思わず口を抑えた。
それとほぼ同時に隣のユリウスがアレクセイへ肘で攻撃してきた。彼は言うなよと言わんばかりの顔をしており、アレクセイは思わず苦笑してしまった。
「俺は海賊を取り締まる方だからな」
「逆に取り締まれるよ、あんた」
メアリはケラケラと笑う。
「まあ、この恰好は俺が好きだからさ。浪漫だろう?」
「まーた、はじまった」とメアリが呆れたように肩を落とす。
メアリの様子を見ていた海賊風貌の男――ロンはころころと笑う。
「そういや、鯨みたか?」
「あんたも見たのかい」
「おうとも。来る時にな。あんたらも見たのか?」
アレクセイとユリウスは話を振られ、素直に頷いた。
すっかり毒気を抜かれてしまったアレクセイは、「鯨がこちらに来ていたのは、やはり沖の方で海賊の追い込みがあったからですか?」と小首を傾げた。
「んーどうだろうなあ。沖の方で他国の船がおそわれてな。鯨もこっちに逃げてきたかもしれないが……」
ロンがんーと声を上げる。ユリウスがアレクセイの服を掴んで引いた。
彼は何かを喋ろうとしたが、それは言葉にならずに空気となる。むっとした彼は懐から紙とペンを取り出し、さらさらと書いていった。
『寒流が流れ込んだせいで、こちらにやってきたんだろう。大量の小魚が港の方に集まっていた。恐らくはそれを追って、紛れてきたんだ。原因はそちらにあると思う』
アレクセイはそのメモ紙を見せられ、思わずびっくりしてユリウスを見た。彼はすぐにそっぽを向いた。
「へぇ。あんた、色々そういったの詳しいんだな!」
「それにしても、こっちのナンブール沖に海賊が来たってのはちょっと驚きだね。バルム沖の海域に良く出没するとはよく言うけど」
「まあな。今回の件、正確にはアルター国に追い返されて、こちらに逃げて来たってのが正解か」
「海賊をですか?」
「まあ、海賊になる前の連中だな。南部の都市の方で暴動があったらしくてな。逃げて来たんだろうさ」
困ったように頭をかくロン。
アレクセイとユリウスは思わず顔を見合わせた。恐らく、二人とも同じ人を思い浮かべたとははずだった。
「暴動はどうなったのですか?」
「軍が出動して鎮圧されたって聞いたぞ。まあ、何人死傷者が出たかはわからないけどな。情報封鎖がされたらしい。なんでも、神聖兵器の情報も出たって話だ」
「神聖兵器ですか?」
「ああ。教会とかにありそうな名前だが、そんな祈りを捧げるようなもんじゃねぇ。人を殺すものだからな」
「そんな……」
すると、傍に居たユリウスは再びメモ紙に文字を書いていく。それをロンに渡した。アレクセイは見ようと体を少し動かしたが、見ることは出来なかった。
彼は内容を見て、ああと納得したように頷く。
「確かにそうかもしれないな。それにグスタン国の内戦が終わったからなぁ。あんたらも気をつけろよ」
「注意喚起にわざわざありがとさん。にしても、警備も大変だね。国境を越えてだろ?」
「国際機関だからな。それが俺たちの仕事さ。そうだ。あと、息子さんと会ったぞ」
「へぇ、どのあたりにいたんだい?」
「アルター国の方でだな。立派になってたぜ」
ロンは両手を頭の後ろで組み、楽しそうに笑う。
メアリは「そりゃ困ったね」と頭を抑えて笑った。
「あはは! また逆の方だねぇ。まあ、元気そうにやってればいいさ」
「今度会ったら、メアリに会ったことを伝えておくよ」
そして、ロンは話を逸らすようにアレクセイとユリウスを見る。
「そういえば、アレクセイとユリアスだっけ?」
「ええっと」
アレクセイが言い直そうとすると、すかさず、メアリが呆れたと肩を竦める。
「アレクセイはあってるけど、ユリアスじゃなくて、ユリウスだよ」
「悪い悪い! アレクセイとユリウスな!」
「して、何かあったかい?」
「メアリを頼んだよ。怖そうに見えても、か弱い女の人だからね。海賊がここに来たら、彼女もたまったもんじゃないだろうさ。だから、守ってやってくれ」
「あんた、さりげなく失礼だねぇ」
メアリは「まったく」とため息をついた。
ロンはころころと笑い、「んじゃ、海賊の出没地帯とアルター国までの航海日誌を置いていく」と何冊かの航海日誌と食料、水を置いて颯爽と去っていく。
嵐のような人だとアレクセイはぼんやりと思う。物資を調べているメアリにアレクセイは尋ねていた。
「彼とかなり仲が良いんですね。もしかして、国際海域機関の方ですか?」
「ああ、そうだよ。彼は海の治安部隊さ。彼は昔航海仲間でね。何回か一緒の船に乗ったこともあるんだよ。彼の運転技術はなかなかなものだ。そうだ、アレクセイ。これの運搬をお願いできるかな?」
「ええ、任せてください」
メアリから「頼んだよ」と手渡された水と食料をアレクセイは軽々と持ち上げた。ユリウスは航海日誌を持っており、気になるのか、じっと表紙を見つめている。
そして、何か言いたそうにメアリを見た。
「ははは! そんなもの欲しそうな顔できるんだね。見ていいよ! ただし、物資を積み終わってからだよ」
ユリウスは微笑むとこくりと頷いた。アレクセイは彼らしいなと思ってしまい、思わず笑ってしまう。
「あ、その重たいのは俺が持ちます。ユリウスさんはそっちの紙を」
そして、ユリウスはアレクセイの傍に寄ってきた。彼に重たい物を持たせないようにアレクセイは配慮しながら、軽いものを持たせた。彼も気が付いているのか、小さく何かを言う。それは空気となり、声が漏れる事はなかった。
ただ、アレクセイは口元の動きを見て、「どういたしまして」と返す。すると、彼はぴたりと動きを止め、驚いたようにアレクセイを見つめる。
「ふはっ」
まるで、どうしてわかったと言いたそうな顔にアレクセイが思わず笑う。すると、彼は怒ったようにアレクセイを軽く小突くとそのまま行ってしまった。
「ユリウスもかなり元気になってきたじゃないか」
「はい。本当に良かった」
「魔力不足を起こしているようなら、龍脈にいって治療しなくちゃ行けないかと思ったけど、それも必要なさそうだね。本当によかったよ」
その様子を見ていたメアリが医療器具を見ながら笑っていた。中にはポーション類もあり、そこそこ精度の良いものが揃っていた。
「珍しいですね。高級ポーションですか」
「本当にね。まったく、海賊が出るからって……ここはナンブールの港なんだから、海賊なんて来るわけないのにね。心配性なんだから」
彼女はそういって、高級ポーション二本をアレクセイに差し出してきた。
「何事もないとは思うけど、一応持っておきな。何かあったら使うんだよ。返さなくていいから」
「ありがとうございます」
「あんたは聖騎士の称号があるから、回復魔法は使えるかもしれないけど」
「はい、回復魔法は使えます。でも、ポーションの方が魔力を消費しないので……俺はこちらの方が楽です」
「そりゃ、良かった」
メアリはにっこりと笑う。
「ユリウスは紙類を持っていったのかい?」
「ええ。紙でも一番軽そうなものをお願いしました」
「少しずつ肉付きも良くなってきたし、そろそろ普通の生活に戻れそうだね」
「はい……メアリさんのおかげです。本当にありがとうございました」
「そういわれると照れてしまうね。ただ、彼は無理をしやすいからね。ちょっと様子を見ていよう。無理そうだったら、すぐにストップをかけて、休ませるよ」
「俺も注意してみています」
アレクセイは頷く。確かに数週間前はまだ寝たきりだったのにとも思う。
メアリの言葉は確かだった。
次の日、ユリウスが発熱した。
「よぉ、メアリ! 今日も元気か?」
「おうよ。そっちも元気そうじゃないか!」
アレクセイとユリウスはデッキでメアリと共にお客さんと会っていた。
どう見ても堅気ではない風貌の男性だ。それよりも驚くのはバンダナを頭に縛っており、どう見ても海賊ですと言わんばかりの恰好だった。黒い髪に褐色の肌。金色の目。年齢は三十代前半といったところだろうか。
その風貌から、メアリと同じ国の人物だということがわかる。
「そっちの二人は誰だ?」
「治療の助っ人をお願いしているアレクセイとユリウスだよ。二人とも可愛いだろう?」
「へぇ。そっちの黒髪の兄さんは良い体格してんなぁ。よろしく、俺はロンだ!」
男性ーーロンは会釈するアレクセイとユリウスを楽しそうに眺め、次にメアリへ視線を移す。
「んで、ここには何の用だい?」
「海賊を追って来たんだよ」
「えっ」
あなたが海賊ではないのですかと尋ねそうになり、アレクセイは思わず口を抑えた。
それとほぼ同時に隣のユリウスがアレクセイへ肘で攻撃してきた。彼は言うなよと言わんばかりの顔をしており、アレクセイは思わず苦笑してしまった。
「俺は海賊を取り締まる方だからな」
「逆に取り締まれるよ、あんた」
メアリはケラケラと笑う。
「まあ、この恰好は俺が好きだからさ。浪漫だろう?」
「まーた、はじまった」とメアリが呆れたように肩を落とす。
メアリの様子を見ていた海賊風貌の男――ロンはころころと笑う。
「そういや、鯨みたか?」
「あんたも見たのかい」
「おうとも。来る時にな。あんたらも見たのか?」
アレクセイとユリウスは話を振られ、素直に頷いた。
すっかり毒気を抜かれてしまったアレクセイは、「鯨がこちらに来ていたのは、やはり沖の方で海賊の追い込みがあったからですか?」と小首を傾げた。
「んーどうだろうなあ。沖の方で他国の船がおそわれてな。鯨もこっちに逃げてきたかもしれないが……」
ロンがんーと声を上げる。ユリウスがアレクセイの服を掴んで引いた。
彼は何かを喋ろうとしたが、それは言葉にならずに空気となる。むっとした彼は懐から紙とペンを取り出し、さらさらと書いていった。
『寒流が流れ込んだせいで、こちらにやってきたんだろう。大量の小魚が港の方に集まっていた。恐らくはそれを追って、紛れてきたんだ。原因はそちらにあると思う』
アレクセイはそのメモ紙を見せられ、思わずびっくりしてユリウスを見た。彼はすぐにそっぽを向いた。
「へぇ。あんた、色々そういったの詳しいんだな!」
「それにしても、こっちのナンブール沖に海賊が来たってのはちょっと驚きだね。バルム沖の海域に良く出没するとはよく言うけど」
「まあな。今回の件、正確にはアルター国に追い返されて、こちらに逃げて来たってのが正解か」
「海賊をですか?」
「まあ、海賊になる前の連中だな。南部の都市の方で暴動があったらしくてな。逃げて来たんだろうさ」
困ったように頭をかくロン。
アレクセイとユリウスは思わず顔を見合わせた。恐らく、二人とも同じ人を思い浮かべたとははずだった。
「暴動はどうなったのですか?」
「軍が出動して鎮圧されたって聞いたぞ。まあ、何人死傷者が出たかはわからないけどな。情報封鎖がされたらしい。なんでも、神聖兵器の情報も出たって話だ」
「神聖兵器ですか?」
「ああ。教会とかにありそうな名前だが、そんな祈りを捧げるようなもんじゃねぇ。人を殺すものだからな」
「そんな……」
すると、傍に居たユリウスは再びメモ紙に文字を書いていく。それをロンに渡した。アレクセイは見ようと体を少し動かしたが、見ることは出来なかった。
彼は内容を見て、ああと納得したように頷く。
「確かにそうかもしれないな。それにグスタン国の内戦が終わったからなぁ。あんたらも気をつけろよ」
「注意喚起にわざわざありがとさん。にしても、警備も大変だね。国境を越えてだろ?」
「国際機関だからな。それが俺たちの仕事さ。そうだ。あと、息子さんと会ったぞ」
「へぇ、どのあたりにいたんだい?」
「アルター国の方でだな。立派になってたぜ」
ロンは両手を頭の後ろで組み、楽しそうに笑う。
メアリは「そりゃ困ったね」と頭を抑えて笑った。
「あはは! また逆の方だねぇ。まあ、元気そうにやってればいいさ」
「今度会ったら、メアリに会ったことを伝えておくよ」
そして、ロンは話を逸らすようにアレクセイとユリウスを見る。
「そういえば、アレクセイとユリアスだっけ?」
「ええっと」
アレクセイが言い直そうとすると、すかさず、メアリが呆れたと肩を竦める。
「アレクセイはあってるけど、ユリアスじゃなくて、ユリウスだよ」
「悪い悪い! アレクセイとユリウスな!」
「して、何かあったかい?」
「メアリを頼んだよ。怖そうに見えても、か弱い女の人だからね。海賊がここに来たら、彼女もたまったもんじゃないだろうさ。だから、守ってやってくれ」
「あんた、さりげなく失礼だねぇ」
メアリは「まったく」とため息をついた。
ロンはころころと笑い、「んじゃ、海賊の出没地帯とアルター国までの航海日誌を置いていく」と何冊かの航海日誌と食料、水を置いて颯爽と去っていく。
嵐のような人だとアレクセイはぼんやりと思う。物資を調べているメアリにアレクセイは尋ねていた。
「彼とかなり仲が良いんですね。もしかして、国際海域機関の方ですか?」
「ああ、そうだよ。彼は海の治安部隊さ。彼は昔航海仲間でね。何回か一緒の船に乗ったこともあるんだよ。彼の運転技術はなかなかなものだ。そうだ、アレクセイ。これの運搬をお願いできるかな?」
「ええ、任せてください」
メアリから「頼んだよ」と手渡された水と食料をアレクセイは軽々と持ち上げた。ユリウスは航海日誌を持っており、気になるのか、じっと表紙を見つめている。
そして、何か言いたそうにメアリを見た。
「ははは! そんなもの欲しそうな顔できるんだね。見ていいよ! ただし、物資を積み終わってからだよ」
ユリウスは微笑むとこくりと頷いた。アレクセイは彼らしいなと思ってしまい、思わず笑ってしまう。
「あ、その重たいのは俺が持ちます。ユリウスさんはそっちの紙を」
そして、ユリウスはアレクセイの傍に寄ってきた。彼に重たい物を持たせないようにアレクセイは配慮しながら、軽いものを持たせた。彼も気が付いているのか、小さく何かを言う。それは空気となり、声が漏れる事はなかった。
ただ、アレクセイは口元の動きを見て、「どういたしまして」と返す。すると、彼はぴたりと動きを止め、驚いたようにアレクセイを見つめる。
「ふはっ」
まるで、どうしてわかったと言いたそうな顔にアレクセイが思わず笑う。すると、彼は怒ったようにアレクセイを軽く小突くとそのまま行ってしまった。
「ユリウスもかなり元気になってきたじゃないか」
「はい。本当に良かった」
「魔力不足を起こしているようなら、龍脈にいって治療しなくちゃ行けないかと思ったけど、それも必要なさそうだね。本当によかったよ」
その様子を見ていたメアリが医療器具を見ながら笑っていた。中にはポーション類もあり、そこそこ精度の良いものが揃っていた。
「珍しいですね。高級ポーションですか」
「本当にね。まったく、海賊が出るからって……ここはナンブールの港なんだから、海賊なんて来るわけないのにね。心配性なんだから」
彼女はそういって、高級ポーション二本をアレクセイに差し出してきた。
「何事もないとは思うけど、一応持っておきな。何かあったら使うんだよ。返さなくていいから」
「ありがとうございます」
「あんたは聖騎士の称号があるから、回復魔法は使えるかもしれないけど」
「はい、回復魔法は使えます。でも、ポーションの方が魔力を消費しないので……俺はこちらの方が楽です」
「そりゃ、良かった」
メアリはにっこりと笑う。
「ユリウスは紙類を持っていったのかい?」
「ええ。紙でも一番軽そうなものをお願いしました」
「少しずつ肉付きも良くなってきたし、そろそろ普通の生活に戻れそうだね」
「はい……メアリさんのおかげです。本当にありがとうございました」
「そういわれると照れてしまうね。ただ、彼は無理をしやすいからね。ちょっと様子を見ていよう。無理そうだったら、すぐにストップをかけて、休ませるよ」
「俺も注意してみています」
アレクセイは頷く。確かに数週間前はまだ寝たきりだったのにとも思う。
メアリの言葉は確かだった。
次の日、ユリウスが発熱した。
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