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スカーレット

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本編

大輝編28話~神々との交わり~

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ロヴンさんとの逢瀬の約束。
それを取り付けたのは、何と一番に反対していた朋美だった。
最初、朋美も明日香も桜子もニヤニヤするばかりで何も語らなかったが、少ししてロヴンさんと話をしたことを俺に告げた。

それを聞いたとき、朋美の中で何かが変わり始めているのだと、俺は感じた。
その何かの正体までは、俺にはわからない。

だが確実に、朋美には何か見え始めている。
その証拠に、今日この日。
朋美は快く俺を送り出してくれたのだ。

「あたしの部屋で会ったらいい」

愛美さんは自身の部屋を使うことを提案してくれた。
待ち合わせるにしても、街中でいきなり人が何もないところから現れればパニックは免れない。
それについては散々頭を悩ませていただけに、救われた気持ちになった。

思えば、この数日で色々なことがあった。
ありすぎた。

運命に翻弄されたという表現がぴったりな気もするが、半分は俺自身が望んで招いた結果だということを忘れてはいけない。
ロキたちの誘いに乗って女神になったこと。
生みの母に会ったこと、そして力をもらったこと。

その過程でフレイヤを元に戻す為に神界で、ロヴンさんを篭絡することになったこと。
人間界に戻ってから女神化が解けて、充電の方法を学ぶ為の特訓に明け暮れたこと。
そして今、ロヴンさんと会う為に愛美さんの部屋にいること。

これらは全て自分で選択したものだ。

もちろんきっかけまでもが俺のものではないにしろ、結果として選んだのは俺だし、後悔はない。
だが、俺自身少しこの数日で倦怠感の様なものを感じる様になっていた。
おそらく睦月を含め、誰も俺のこの状態には気づいていないだろう。

女神の力を少し取り戻すことができる様になって、その辺が巧妙になったのは大きい。
この倦怠感の正体は、おそらくロキによるもの。
以前感じた黒い渦。
女神になって俺は、これの正体を何となく掴んでいた。

七つの大罪。

色欲、憤怒、怠惰、暴食、嫉妬、傲慢、強欲。
七つの大罪は人の中に誰しも抱えるものであって、寧ろ持ち合わせていない人間の方が珍しいと言える。
黒い渦は、この七つの大罪に連動しているものだ。 

このうちの色欲、傲慢、暴食についてはもう、消化してしまっている。
色欲については愛美さんを初めて抱いた時に。
傲慢は春海の死後、ケンカをふっかけて回るという黒歴史を展開していた時に。
暴食は和歌さんとの大食い勝負の時に。

それ以来影を潜めていた黒い渦が、最近になってまた暴れだすのを感じた。
色々と億劫になってしまったり、面倒だと感じることが多くなってきている。
また、目に見える渦が出現したりということもあった。

これに関しては俺自身が持つ女神の力で視覚化できない様にしてお茶を濁しているが、そろそろ限界だろう。
性質として、この渦は乗り越えるごとに、消化するごとに、次に現れるものの強さ、レベルが上がっていくものだ。
飲み込まれればおそらく俺は自我を失ってしまう。

特に今現出しているこの怠惰だけは、良くない。
怠惰というだけあっておそらく生きる気力までも奪い、俺は最悪自身で命を絶つ選択をするおそれすらある。

女神の力で取り除くことも考え、実際に試みたが無駄だった。
消えも増えもせず、何の変化もない。
干渉することそのものができない、呪いなどの類なのだろうか。

いずれにせよ、俺はここでこいつを乗り越えなければならない。
そうしなければ、みんなとの未来もここで閉ざされてしまう。
それだけは、絶対にさせない。

ロヴンさんを待つ、愛美さんの部屋で孤独に誓った。

「待たせたか、大輝……」
「いえ、大丈夫ですよ。ここは、メンバーの一人の部屋ですがよく知った場所でもありますから」

初めて会ったときとは違う、女性らしい装いで現れたロヴンさん。
短めの丈のスカートなどはきっと、朋美が俺の好みだと進言したに違いない。
天パっぽい短い髪にもよく合う、可愛らしいと思える格好だ。

「少し、近所を散策してみますか?」
「いいのか?羽は隠しているが、もし何かの拍子に出てしまったりしたら……」
「その時はその時ですよ。人間界は初めてですか?」
「覗き見る程度なら何度か。実際こうして降りるのは初めてだな」

なら、と俺はロヴンさんの手を引いて愛美さんの部屋を出る。
鍵をかけて、近所の店を回る。

「何か気になるものとか食べたいものがあれば、どうぞ」

ロヴンさんに言うと、彼女は色々なものを見て、どれもが珍しいという様子だった。
駅前に行き、クレープ屋が見えたので二人で行ってみる。

「甘い匂いがするな……向こうにはないものばかりだ……」
「あれはクレープという菓子ですね。果物とか入ってますよ。食べてみます?」
「果物か……いいな」
「好きですか?」
「こう見えて甘いものは好物なんだ。一緒に食べよう」

二人でクレープを買って、行儀は良くないが食べながら歩く。
俺が食べているのを見て、ロヴンさんもそれに倣う。
お約束というべきか、クリームが顔についている。

「顔についてますよ」
「そ、そうか……いや、実は人間の男はこういうドジっ子が好きだと聞いたのでな。ときめくか?」

朋美の入れ知恵か……。

「あーっと……そういうのは、相手に言っちゃったらあんまり意味ないですよ」
「そ、そうなのか……」

でもまぁ、ドジっ子なのには違いないかもしれない。
ともあれ俺の為にドジっ子を演じようとしてくれたのだろうと、俺は口でクリームを取ってあげた。

「!?な、こんなところで……」
「こういうの、嫌でした?」
「嫌なわけじゃないが……」

ロヴンさんが顔を赤くして慌てる。
ロヴンさんのお堅いと言われる部分はやはり鎧の様なもので、自分を保つ為のものなのだろう。
それが剥がれればこの通り、普通の女の子の様だ。

「こういうのが、デートというやつなのか。勉強になるな」
「まぁ、こういうことするだけがデートではないですが、一環ですね」

見聞を広めることでロヴンさんの仕事の幅も広げられるのであれば、これくらいいくらでも協力していいと思った。
事実ロヴンさんは、見るだけでなく周囲の人々を観察したりもしているし、変わったことをしている人がいれば、あの人は何をしているのか、と度々質問してきたりもした。

「そういえば今日は、どのくらいの時間こっちにいられるんです?」
「今日はとことん休むと決めたんだ。数年ぶりの休みだしな、謳歌したいと考えている」
「す、数年……?」
「ああ、人間は一週間に一度くらいは休むのだったか。神界では割と当たり前だぞ。ノルンも確か、大輝に会うまではかなりの年数仕事に明け暮れていたと聞いている」

働きものが多いのか、単にやることが少ないだけなのかはわからないが、人間ではまず無理だろう。
以前愛美さんが言っていた様に、休みは大事だ。
もちろん二つ名を与えられた神だから、原則として年中無休である必要はあるのかもしれないが。

「私は二つ名の通り、私の能力を求めて訪ねてくる者も多い。今までは事務的にこなすだけの仕事だったが、これからは少し、違った観点で仕事ができそうだ」
「そんな風にロヴンさんの役に立てるなら、俺も本望ですよ」

丁度いい時間になってきたので、このまま食事にしようと提案する。
レストランなどもいいのだが、ナイフやフォークの使い方がわからないと可哀想だと考え、食べやすいファーストフード店にする。

「大輝のおすすめはどれだ?どれも美味しそうだな」
「俺は辛いのがあんまり得意でないので、これにしますが……辛いのが好きならこっちも美味しいらしいですよ」

夏ということもあってホット系のメニューがお店の一押しなのだが、俺は辛いものがあまり好きではない。
睦月なんかはほうほう言いながら食べていたが、俺は二口くらいでギブアップした。

「辛いものか……いや、私も大輝と同じものがいい」
「いいんですか?遠慮しなくていいんですよ?」
「同じものがいいんだ」
「わかりました」

同じメニューを二つ注文して、トレーを持って二階の客席へ。
そういえば、朋美も向こうではファーストフード店でバイトしてたんだったか。
睦月は朋美の制服姿を見たらしいが……正直俺も少し見てみたい。

「大輝、今他の女のことを考えていなかったか?」

なかなかどうしてロヴンさんは鋭い。

「い、いえ……すみません、睦月と朋美のことを考えていました」
「正直なのはいいことだな。睦月というのはスルーズのこっちでの名前だったか」
「え、ええ。朋美はこっちの世界で、こういうお店で仕事してるんですよ」
「学生でも仕事ができるのか。自分で稼いでいるのは感心だな」
「俺も、一応仕事はしてますけどね。仕事の内容は全然違いますが」
「そうか、だからこんなにご馳走してくれているのだな。世話をかけてしまって、申し訳ない」
「そんなの、別にいいんですよ。気にしないでください」
「だが……」
「せっかくきてもらってるんですから、これくらいさせてください」
「そ、そうか……なら、私もあとでたっぷりお返しするからな」

そのお返しって、もしかして……。
いや今はそんなことを考えない様にしよう。

「人間界には、こんなに美味しいものがあるのか……私はあまり食べ物に執着しない方だが、こういうのはまた食べたいと思うな」
「こっちにきた時に、また食べたいと思ったらいつでもご馳走しますよ」
「いいのか?」
「毎日ってわけでもないだろうし、別に問題ないですよ」
「ありがとう。それなんだが……」
「それって?」
「私は、さっきも言った通りあまり時間の取れない仕事でな」

ああ、確かに忙しいという様なことは言っていたな。

「ノルンの様にオートで色々できる仕組みをまだ構築していないんだ。それができれば、多少まとまって休んだりもできるんだが……しばらくはそんなに頻繁に来ることは難しいかもしれないんだ」
「何だ、そんなことですか。仕事って大事だし、ロヴンさんは仕事を蔑ろにしたり出来る性分じゃないんじゃないですか?」
「それはそうなのだが……私は見捨てられたりしないかと少し心配でな……」
「やめてくださいよ、俺はそんなことで人を見捨てたりしないし、一生懸命やってることなんだから応援しますって」
「本当に大輝は優しい人間だな。そんな大輝に目をかけてもらえて、私は幸せに思うよ」
「お互いの理解がないとこういう関係って続かないですし、俺はロヴンさんももう大事に思っていますよ?」
「こ、こういう公共の場でそんな恥ずかしいこと、よく言えるな……」
「まぁ、事実ですし。それに今そんなに人いませんし」
「わ、私はその……慣れていなくてそういうことをあまり言ってやれないんだが……」
「構いませんって。そういうところも魅力の一つなんじゃないですか?」

しきりに照れているロヴンさんは、正直自分の縁を結べない名前負けした女神とは思えない魅力を持っていた。
こういうのを、俺と出会う前に発揮できていたら運命は大分違っていたんだろうなと思う。
そして、俺はそんなロヴンさんを見て、非常にムラっときてしまった。
こういうのは久しぶりだ。

「大輝、この後どうするんだ?そろそろ部屋に戻るか?」

空気の読める女なのか、はたまた同じ様にムラっときたのか。
どちらにせよ、向こうもそのつもりでこっちにきている。
俺だって今日はそのつもりでいたし、もう取り繕う必要もないだろう。

「じゃあ、軽くおやつとか買って、部屋に戻りますか」

近くのコンビニでスイーツや飲み物を買って、部屋に戻る。
ロヴンさんはコンビニの品数の多さに驚いていた。

「来てあげたわよ~」

部屋に戻ると、何故かフレイヤがいた。

「え、何でフレイヤがここに……」

フレイヤはさも当然とばかりにここにいる。

「すまない、私が呼んだんだ」
「えっと、それはどういう……」
「ロヴンはね、大輝を悦ばせる方法が知りたいんだそうよ」

だからっていきなりフレイヤさんが同行するのは……ありなのか?
何か百戦錬磨っぽいし、上級者すぎやしないだろうか。

「不器用なりに考えた結果みたいだし?汲んであげてよ」
「そうですか、それなら……」

ふとロヴンさんを見ると、いきなり服を脱ごうとしている。

「え、いきなり脱ぐんですか」
「だ、ダメだったか?」
「ダメってことはないけど、やる気満々みたいねぇ」
「す、すまない。今また着るから……」
「いや、そのままでいいですよ」

俺はまた服を着ようとするロヴンさんを止める。

「やっぱり綺麗ですね。もったいないですよ」
「そんなこと……手入れらしい手入れもしていないし……」
「私から見ても綺麗だと思うわよ?今まで男が出来なかったのが不思議で仕方ないわ」

美の女神のお墨付きをもらえるほどであれば、かなりものではないかと思う。

「フレイヤはどうするんだ?」
「私も混ざるわよ、当然。大輝に興味あったから」

言うなりフレイヤは俺に口づけて、すぐに離れた。

「私の体液は色々な効果があるのよ。例えば勢力増強、とかね」

そう言われるのと同時に、俺の体に何か漲ってくるものを感じる。
さすがはエロの女神?だっけ。
そういう方面に特化しているんだなと痛感した。

「大輝、苦しそうじゃないか?」
「俺、特に呼吸とかは苦しくないですけど……」
「ロヴンが言ってるのは、多分ここのことよ」

フレイヤがズボンの上から俺の相棒をなでる。
自分でも気付かない内に、俺は臨戦態勢に入っていた様だった。

「ロヴン、よく見てなさいね。男を悦ばせるって、こうやるのよ」

フレイヤが俺に再び口づけて、服を脱がしにかかる。
俺もそれに応える様にフレイヤの服を脱がして行った。
ロヴンさんは顔を真っ赤にして、俺たちのやり取りを見ている。

フレイヤとの行為の最中、例の黒いものが俺の中で渦巻いたのを感じたが、思ったよりもダルくなったりはしない。
フレイヤの力のおかげだろうか。


「沢山出たわね。大輝、私癖になっちゃいそうよ」
「そ、そうか……光栄なことだな」

フレイヤとの一回目が終わって、フレイヤは最後に後始末をする。

「ここまでが、大体の一連の流れよ、ロヴン」
「……わ、私ももう、抱いてもらっていいのか?」

俺とフレイヤを見て、ロヴンさんも大分出来上がっている様だった。
脱がないでいた下着に、大きなシミが出来ているのが見えた。

「さ、ロヴンさんこっちへ」

俺はロヴンさんを手招きして、丁寧に抱いて行ったのだった。

激しく乱れ狂ったロヴンさんを満足させるのには骨が折れたが、どうにかして俺はロヴンさんを女にすることが出来たみたいだった。

「どう?もう倦怠感はない?」
「あ、そういえば……」
「わ、私は何と言う恥ずかしいことを……」

ひどく狼狽した様子のロヴンさんだったが、その彼女の変貌ぶりに突き動かされた部分は大きい。

「ロヴンさん、あの乱れた様子、すごく萌えました」
「い、言わないでくれ……恥ずかしくて死にそうだ……」
「いや、あんたも死ねないでしょうが……さっきのもあんたの一部なのよ、ロヴン。受け入れちゃいなさい」
「か、簡単に言うな!あんな……はしたない……」

裸のままではしたないも何もあったものではないと思うが、触れないでおく。

「ところでね、大輝」

フレイヤが腰をくねくねさせながら俺に近寄ってきた。
まさか……。

「私もまだ、満足してないの。お相手よろしくね」

ウィンクしながら、エロスの象徴は俺の相棒を咥え込み、フレイヤの唾液によって力を取り戻した相棒は元気に猛り始めた。

「ずるいぞ、フレイヤ……」
「はしたないんでしょう?少し休んでいなさいな」
「そうはいかない!大輝と子をして、縁結びの神の名が伊達でないところをだな……」

冗談だろ?
全身から血の気が引くのを感じた。
それでも相棒は元気なままだから、きっと違うところから血液が供給されているのかもしれない。

「「大輝、今夜は寝かさない」」

こうして俺の、眠れない……いや眠らせてもらえない夜が始まった。
そのあと俺は、ロヴンさんと交わったのを含めて通算で五十六回ほど、無理やり搾り取られることとなった。
赤玉が出ない様フレイヤも力を尽くしてくれた様だが、やっと眠れたのは朝日が昇ってしばらく経った、午前十時過ぎだった。
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