手の届く存在

スカーレット

文字の大きさ
61 / 144
本編

大輝編31話~嫉妬~

しおりを挟む
俺の中に巣食う黒い渦。
このうちの一つ、嫉妬。
今回はこの渦を鎮めなくてはならない。

事の発端は、愛美さんの一言だった。

「親が最近さ、うるさくなってきたんだよ。孫がどうとか」
「それって、結婚しろっていう話ですか?」
「そう。何か見合い写真とか送ってきてさ」

そう言って取り出してきたのは、一冊の立派な装丁の写真が入ったもの。
イケメン……と言えるかは微妙なところだが、立派なスーツに身を包んではにかむ一人の男性だった。

「正直好みじゃねぇんだよなぁ。まぁ、顔で選ぶわけないけどさ」
「愛美さん、結婚したいんですか?」
「いや、あたしは正直結婚とかどうでもいいんだよな。子どもはいずれほしいけど」

馬鹿馬鹿しい、と言いたげな顔でぽいっと写真が入った冊子をテーブルに投げる。
結婚。
俺の歳では当然まだできないし、仮に愛美さんが強制的に結婚、ということになったら俺では止める術はない。
いや、神の力を使ってどうにかできないこともないが、それは何だか違う気がする。

「結婚ですか……私たちの年齢になると、意識しててもおかしくない歳ではありますね」

和歌さんも写真を見て呟いた。
確かに二人ともいい年齢ではある。
今俺に付き合わせていることによって、二人の未来を奪ってしまっているのではないか。

そんな考えが俺の頭を支配する。
その一方で彼女たちが他の男と結婚する、というビジョンを想像してみる。

「あっぐ……」

急遽酷く頭が痛み、頭を抱えてしまう。
まさかこんなにも、強い衝動が襲ってくるとは想定外だった。

「おい、大輝?」
「どうした?」
「い、いえ……」

二人が心配して、俺を見る。
俺は大丈夫だと二人に言って、水を飲もうと席を立った。
普通に立ち上がれたはずなのに足から力が抜けて、膝から崩れ落ちた。

「どうしたんだ、本当に……」
「いえ、何か足から力が……もう大丈夫です」
「全然、そんな風に見えないぞ……顔色も悪い。少し休むか?」
「いえ、本当大丈夫ですから」

そう言って今度はちゃんと水を飲む。
少しだけ落ち着いた気がするが、油断はできない。
愛美さんが結婚するなんて一言も言ってないのにこれだ。

俺の独占欲の強さに吐き気がする。
そもそも愛美さんの人生は元々愛美さんのものであって、俺のものではない。
彼女には彼女の人生があって、それを謳歌する権利が彼女にはあるのだ。

それに対して、俺ごときが何を言えるのか。
そう思うはずなのに、心が納得していない。

「大輝、もしかして……ヤキモチか?」
「えっ?」
「愛美さんに、男の影、とか」
「いや……」
「おいおい大輝、そんな中二病みたいな真似してまであたしの気を引かなくても、大丈夫だから。さっきも言ったろ?結婚なんてどうでもいいって」
「ちゅ、中二病って……」
「ぐっ……鎮まれ……!とかやってたじゃん」
「いや、やってませんけど……」
「大輝は欲張りだからなぁ」

言葉とは裏腹に、優しげな視線を向ける愛美さん。
和歌さんも微笑みながら二人を見る。
こんなにも簡単に見透かされてしまうなんて、俺もまだまだ甘いということか。

「愛美さん、俺……」
「そんな大輝に、ちょっとお願いがあるんだ。聞いてくれるか?」


場所は愛美さんのマンション。
愛美さんは普段着だが、俺は何故かスーツを着せられている。

「馬子にも衣装っていうけど、まぁまぁ似合うんじゃないか?」
「そ、そうですか……」

愛美さんの母親が今日、愛美さんに会いに来るということでマンションに連れてこられた。
どうやら、俺を彼氏として紹介するつもりの様だ。

「あの、本当に俺ここにいていいんですか?」
「お前じゃなきゃダメだ。しゃんとしとけよな」

何だか落ち着かない。
頭痛はとりあえず薬を飲んで抑えているが、時間が迫るごとに気分は段々と落ち着かなくなってくる。
そんなことを考えている内、玄関のチャイムが鳴った。
桜子と明日香が初めてここに来た時のことを連想してしまって、ちょっとした恐怖が蘇る。

「きたな。ここで待ってろ」

愛美さんが玄関へ行き、母親を迎える。

「あら、可愛らしい彼氏さんね」

愛美さんの母親が俺を見て開口一番に放った言葉がこれだった。
嘘でも渋い彼氏ね、とか言ってくれたら俺も少し喜べるのに。

「あ、宇堂大輝と言います。この度は、遠路はるばる……」
「そんな堅い挨拶はしなくてもいいよ。愛美が世話になってます、母親の良子りょうこです」
「母さん、茶でも飲む?」

愛美さんが手早くお茶を用意し、それぞれの前に置いた。
俺は緊張の面持ちで母親を見つめる。
見た目は……目元とか愛美さんに似てる気がする。

声は年齢よりも若いと感じた。
気が強そうなところとか、愛美さんと似てるところかもしれない。
対する母親……良子さんは、俺を品定めしている様だった。
今日の今日で連れてこられてさすがに準備期間もなく、みすぼらしいなんて思われてるんじゃないだろうか。

「君、本当に男の子?」
「え?は、はぁ」
「女の子みたいな顔してるね……」
「よ、よく言われますけど……生まれた時から男です」

女にもなれます、なんてことは言わない。

「母さん、いきなり失礼だろ?大輝も困ってるじゃん」
「ああ、ごめんね。あまりにも可愛らしい子だから……で、何回ヤったの?」
「ぶは!!」

思いもかけない爆弾に、茶を噴出してしまう。
器官に入ってしまって、ひどくむせた。

「ああ、ごめんね、直接的な表現が過ぎたかな」
「何回って、そんなんいちいち数えてたらマニアックじゃね?」
「見かけによらないんだねぇ」
「まぁ、最近は少し減ってるけどね、回数」
「どうして?飽きられたの?」
「違う。大輝はそもそもあたし一人と付き合ってるんじゃねーし」
「え?」
「え?」

親よりもでっかい、特大の爆弾を落として平然としている愛美さん。
俺は全身から血の気が引いて、良子さんはフリーズして俺を見つめている。

「こいつ、こう見えてすげーんだぜ。あたしのほかにも七人、女いっから」
「七……人……」
「あ、あの」
「それをほぼ均等に相手して、一人はヤクザの親分の娘なんだけど、そいつにも認めさせたほどなんだから」
「愛美?」
「何だよ」
「それ、妄想とかじゃなくて本当の話なの?」

うち三人は神です、なんて言える雰囲気ではない。
まぁ言ったところで信じたりはしないんだろうけど。

「本当だよ。てか、寧ろあたしがその中に割り込んだみたいなもんだし」
「大輝くん、本当なの?」
「え、ええ……」

全身にびっしょりと汗をかきながら答える。
どういうつもりでこんなこと……。

「愛美、結婚できないって言ったのは、こういうことなんだね?」
「そうだよ。子どもはほしいけど、このヤリチン大魔王ならそんなん余裕だろ」

余裕じゃないし!
そもそもヤリチン大魔王じゃなくて、ヤリチン女神だもん!
なんて言えるはずもなく、俺は黙る。

「そんなに女囲って、世間に顔向けできるの?」
「世間なぁ……あたしとしては、考えがあるんだよ」
「へぇ、どんな?」

愛美さんは良子さんを見て、ドヤ顔をする。

「問題は、問題にしねぇ限り問題にならねぇ」

呆れた顔で良子さんが愛美さんを見る。

「余裕っていうのは?この子が実はすごい稼いでるとか?」
「いんや?今まだ学生だし、アルバイトはしてるけど」
「じゃあ、何で余裕なの?」
「大輝、見せてやれ」
「は?」

いきなりの無茶振りに、さすがに戸惑いを隠せない。
見せろ、って、何を?
まさか相棒を出せとか言うのだろうか。

「ああ、違う違う。お前の力をだよ」
「え?」

まさか、愛美さんの前で良子さんを抱け、というのだろうか。

「お前が考えてることはわかるけど、違うってことくらいはわかるよな?」
「え、ええ」

もしかして。

「あれですか?」
「そうだよ。ほら、早く」

女神になれと言っている。

「何を見せてくれるのかな?」

何故か良子さんはわくわくしている様だった。
覚悟を決めて、俺は意識を集中させる。
何度かやっていることではあるので、大分慣れてきたものではあった。
睦月の変身と違って、俺のは風ではなく熱が一瞬噴出す程度のもので、部屋のものが飛んだりということはなかった。

「え……え?大輝くん、やっぱり女の子だったの?」

そうくるとは思っていた。
わかってはいたが、否定できないのが悲しい。

「話すと長いんですが……」
「まぁ、事情はいいよ。とりあえず、簡単に言っとくと……」
「魔法少女?魔法少女なのね!?」
「は?」

思いもかけない返しに、俺と愛美さんが固まる。

「すごいよ!魔法少女はいるのね!!キュ○べぇはいないの!?ねぇ!!」

予想以上の食いつきだ。
ベクトルは全然別方向だが。

「落ち着けよ母さん……魔法少女に羽なんて生えてるか?」
「アルティメットま○かには羽が……」
「そうきたか……」

俺の姿を眺め、ほー、とかはー、とか言いながら羽を触ったりする良子さん。
羽をさわられると、何だかくすぐったい。

「キュ○べぇはいませんし、魔法少女ではないですが……こういうことができます」

あんまりやってはいけない気がするが、良子さんの目の前に金塊を一個生成する。
ごとん、と音がしてテーブルに落ちる。

「な……すごい手品ね」
「いや、手品ってわけじゃ……」

目の前の現実が信じられないと言った様子の良子さん。
そりゃそうだろう。
俺が良子さんならまず信じられない。

「これ、触ってみてもいいの?」
「もちろんどうぞ」

つついたり手で持ってくるくる回したりして、触感を確かめている様だ。
この人、魔法少女が好きなのか。
それなら。

「金塊を渡しちゃうわけにはいかないんですけど、こういうのなら……」

俺はキュ○べぇのぬいぐるみを生成する。

「きゃあああ!!すっごい!!可愛い!!」
「…………」

愛美さんがドン引きで良子さんを見る。
いい歳して何やってんだ、と顔に書いてある。

「そ、それあげますから」
「いいの?本当に!?」
「か、母さん……」

良子さんがぬいぐるみに夢中になっている間に、金塊を消し去る。
残しといたら何か問題になりそうだ。

結局、俺が何でもありの神みたいな存在であることを良子さんは認めた。
みたいというか、神なんだが良子さんはとりあえず信じてくれた様なのでそれでいいか、ということに。

「また、魔法見せてね!」

去り際にそんなことを言っていた。
何だか気に入られた様で、また来ると言い残し、良子さんは去って行った。

「さて、これでわかったか?あたしは結婚なんかするつもりはない。お前といられれば別に、形なんかどうだっていいんだよ」
「でも……俺、愛美さんの未来を奪ってしまってるんじゃないかって思うんですよ」
「奪ってるっていうなら、ちゃんと返してくれればそれでいいだろ。それとも、奪いっぱなしにするのか?」
「いや、そんなつもりは……」
「あたしの知ってる大輝は、そういうのちゃんとしてるやつだと思ってる。だから、あたしもお前を信じて、未来を『預けて』るんだ」

目の覚める様な思いだった。
預けてくれている。
そんな発想はなかった。

だが、愛美さんはそう考えていてくれた。
それなのに下らなく嫉妬を……嫉妬?

「どうだ、もやもや、消えたか?」
「愛美さん、知ってたんですか?」
「睦月が前に、お前にある黒い渦の話してくれたんだよ。それで、見える様にしてくれた」
「そうでしたか……心配かけました」
「心配すんのなんか当たり前だよ。それより、あと二つの渦はどうするんだ?」
「それなんですけど……発生条件がわからないので、今はどうしようもないんですよね」
「そっか……なら、とりあえず戻っとく?」

こうして一つの問題を解決し、俺たちは睦月のマンションへ戻る。
残り二つ。
憤怒と強欲については、正直発生条件が不明だが心当たりがある。

今度こそ、俺一人で解決を。
そう心に決めて俺たちは睦月のマンションへ戻った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

あるフィギュアスケーターの性事情

蔵屋
恋愛
この小説はフィクションです。 しかし、そのようなことが現実にあったかもしれません。 何故ならどんな人間も、悪魔や邪神や悪神に憑依された偽善者なのですから。 この物語は浅岡結衣(16才)とそのコーチ(25才)の恋の物語。 そのコーチの名前は高木文哉(25才)という。 この物語はフィクションです。 実在の人物、団体等とは、一切関係がありません。

あの日、幼稚園児を助けたけど、歳の差があり過ぎてその子が俺の運命の人になるなんて気付くはずがない。

NOV
恋愛
俺の名前は鎌田亮二、18歳の普通の高校3年生だ。 中学1年の夏休みに俺は小さい頃から片思いをしている幼馴染や友人達と遊園地に遊びに来ていた。 しかし俺の目の前で大きなぬいぐるみを持った女の子が泣いていたので俺は迷子だと思いその子に声をかける。そして流れで俺は女の子の手を引きながら案内所まで連れて行く事になった。 助けた女の子の名前は『カナちゃん』といって、とても可愛らしい女の子だ。 無事に両親にカナちゃんを引き合わす事ができた俺は安心して友人達の所へ戻ろうとしたが、別れ間際にカナちゃんが俺の太ももに抱き着いてきた。そしてカナちゃんは大切なぬいぐるみを俺にくれたんだ。 だから俺もお返しに小学生の頃からリュックにつけている小さなペンギンのぬいぐるみを外してカナちゃんに手渡した。 この時、お互いの名前を忘れないようにぬいぐるみの呼び名を『カナちゃん』『りょうくん』と呼ぶ約束をして別れるのだった。 この時の俺はカナちゃんとはたまたま出会い、そしてたまたま助けただけで、もう二度とカナちゃんと会う事は無いだろうと思っていたんだ。だから当然、カナちゃんの事を運命の人だなんて思うはずもない。それにカナちゃんの初恋の相手が俺でずっと想ってくれていたなんて考えたことも無かった…… 7歳差の恋、共に大人へと成長していく二人に奇跡は起こるのか? NOVがおおくりする『タイムリープ&純愛作品第三弾(三部作完結編)』今ここに感動のラブストーリーが始まる。 ※この作品だけを読まれても普通に面白いです。 関連小説【初恋の先生と結婚する為に幼稚園児からやり直すことになった俺】     【幼馴染の彼に好きって伝える為、幼稚園児からやり直す私】

罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語

ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。 だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。 それで終わるはずだった――なのに。 ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。 さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。 そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。 由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。 一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。 そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。 罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。 ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。 そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。 これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

27歳女子が婚活してみたけど何か質問ある?

藍沢咲良
恋愛
一色唯(Ishiki Yui )、最近ちょっと苛々しがちの27歳。 結婚適齢期だなんて言葉、誰が作った?彼氏がいなきゃ寂しい女確定なの? もう、みんな、うるさい! 私は私。好きに生きさせてよね。 この世のしがらみというものは、20代後半女子であっても放っておいてはくれないものだ。 彼氏なんていなくても。結婚なんてしてなくても。楽しければいいじゃない。仕事が楽しくて趣味も充実してればそれで私の人生は満足だった。 私の人生に彩りをくれる、その人。 その人に、私はどうやら巡り合わないといけないらしい。 ⭐︎素敵な表紙は仲良しの漫画家さんに描いて頂きました。著作権保護の為、無断転載はご遠慮ください。 ⭐︎この作品はエブリスタでも投稿しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

処理中です...