手の届く存在

スカーレット

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本編

大輝編32話~小さな憤怒~

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憤怒と強欲。
どちらも俺には無縁の様に思えて、割と関係性が深い。
とは言え、俺の中の比率としては強欲>憤怒であって逆はないと思う。

怒りっぽい性格ではないことを自覚しているし、最後に怒ったのいつだっけ、というくらい思い出せない。
一方強欲に関しては、これは想像に容易い。
何人も女を囲っている現状で、この中の誰一人手放したくない、という思い。

これだけでも十分だと思う。
ただ、俺が憤るポイントというのはちゃんと存在する。
たとえば、自分を卑下する様なのが極端に大きい場合。

俺自身が、ではなくて誰かが、ということになるのだが、価値のない人間というのは存在しないと考える俺にとって、自分を卑下するというのはマイナス要因でしかなく、プラスに働くものではない。
残り二つの渦を消化するにあたって、この二つが発生する可能性はある程度予測しておきたかった。

「何か私、最近太ってきたかもしれない……」

朋美がふと俺の前で漏らす。
何で男の前でそんなこと言うんだろう。
全身身体検査でもしてほしいのだろうか。

「ちょっと大輝、何よその顔」
「え?俺変な顔してたか?」
「鼻の下伸びてる。何考えてたの?」
「え、いや……どの辺が太ったのかなって」
「何よそれ、毎日の様に見てて、気づかなかったの?」
「逆だ逆。毎日見てるから気づかないってこともあるんだよ。久しぶりに会って、何か太った?とか言うのよくあるだろ?」
「ああ……あるかも?でも、彼女の変化に気づかないのは致命的だと思う」

何となくこの一言にカチンときた俺は、朋美の腹を見つめる。
……そんなに変わった様に見えないんだけどな……。

「お、お腹だけとは限らないでしょ」
「よーし、そんなに言うなら腹出せ。何なら全部脱いでいいぞ」
「ば、バカじゃないの!?昼間から一体何言ってるのよ!!」
「時間なんか関係あるか。こっちこい」

朋美を連れて寝室へ。
入るなり、嫌がる朋美を……と言ってもあんまり抵抗しなかったのだが、素っ裸にする。

「あ、明るいからちょっと恥ずかしいんだけど……」
「ええいうるさい。手をどけろ、よく見えないだろ」
「そんなにじろじろ見ないでよ……」
「は?何言ってんだ今更。もう何度も、隅々まで見てんだから大丈夫だろ」
「バカ!変態!」
「変態で結構。ほれ、こっちこい」

ベッドに横たえ、肩から胸、腹と触っていく。
時折朋美がピクピクと反応するのが面白い。

「朋美、お前胸と尻がでかくなったんじゃないか?」
「え?」
「腹とか特に変わってないんだけど」
「う、嘘?本当に?」
「嘘ついてどうするんだよ。だって、ほらこの重量感」

そう言いながら俺は朋美の胸を下から持ち上げる。

「これなら挟めたりしそう。あと、この尻。前よりモチモチしてる」
「ど、どういう表現よ……」
「ちょっと挟んでみるか?」
「ほ、本当にやるの?」
「ちょっとだけ、ちょっとだけだから」

先っぽだけ、とか言う男の様に、俺はぽろんと相棒を呼び出す。

「口でぽろん、とか言うのやめてよね……」
「雰囲気出るかなって」
「そんな雰囲気ならいらないんだけど……」

朋美の胸を両手で寄せて、谷間を作る。
何だろう、普通にする時と違って摩擦が大きすぎて滑らないし、ちっとも良くない。
寧ろちょっと痛い気がする。
このまま擦ったら朋美の胸も火傷とかしそうな気がする。

「うん、ロマンはロマンだな。満足したよ」
「え、そんなのが男のロマンなの?」
「は?お前エロ動画とか見たこと無いのか?ああいうので……多分ローションとか使ってるんだろうけど、きゅっきゅって音がしてだな……」
「何よ、私たちがいるのに大輝、そんなの見てるの?」

しまった、地雷を踏んだか。
ついつい調子に乗って口が滑ってしまった。

「違うんだって、お前たちを満足させるために、男側を観察したり……」
「ホモに目覚めたりしないの、それ」
「目覚めるかよ。まぁ、たまにいい女だなこれ、とか思うことは……」
「くっだらな……」
「はぁ!?」

朋美の一言に、何故か胸の辺りと頭の中が熱くなる様な感覚を覚える。
女だから仕方ないのかもしれないが、男にはそういうことが必要な場合もある。
物凄く都合のいい言い訳に聞こえるかもしれない。
だが、プロにはプロの良さや凄さがあるんだということを力説する。

「じゃあ何?私がプロになって、全国の男の精液搾り取る様な女優とかになっちゃったら大輝は喜ぶんだ?」
「お前……」

更に俺の頭の中が熱くなる。
そんなことになることはない、と頭でわかっているのに、感情が追いつかなかった。

「そんなの、許すと思ってんのか……」
「え、ちょっと大輝……?」
「お前は、俺の物だ!!」

突如湧き上がる独占欲に、俺は抗う術もなく朋美に襲いかかる。
一瞬は驚きの表情を浮かべた朋美だったが、特に抵抗することもなくすんなりと俺を受け入れた様だ。
普段よりも少々乱暴な行為にも関わらず、朋美は段々と盛り上がってきている。

「朋美、このあとどうしてほしい?」
「えっ」
「ほら、ちゃんと口で言わないとおじさんわからないぞ?」
「えっと……」

そろそろかな、なんて思った矢先、俺の口は勝手に言葉を紡いだ。

「そ、その……入れて……」 
「何を?何処に?」
「ね、ねぇ言わないとダメ?」
「当たり前だろ」 
「…………」

羞恥に顔を赤く染めた朋美は普段よりも、何倍もそそられる。
だが、俺の口は更に言葉を紡いでいく。

「ほら、言ってみ」
「……お、おち……」
「お?」
「だ、だから……おちん……」
「ほら頑張れ!もう少しだ、熱くなれよ!」

何処かの元テニス選手みたいなことを口走っている。

「お……言えるかあああああ!!!」

朋美の羞恥心が限界突破したらしく、朋美は顔を真っ赤にして起き上がり、俺を組み敷いた。

「もう頭きた!絶対許さないから!!」

普段やらない様なことも、朋美からしてくる。
そんな朋美を見て、抱かれているとすぐに俺は達してしまうのを感じた。
 

「大輝、まだ一回目だからね」
「えっ?」
「火をつけておいて、まさか一回で終われるなんて思ってなんか……ないよね?」

いつの間にか立場が逆転して、俺は朋美の餌食になっていたのだった。


「だらしないわね……」
「そう言うなよ……女と違って男はそんな連発できないんだから……」
「まぁいいけど。体重が増えた原因もわかったし。大輝が散々揉んだからだってね」
「俺のせいか?……俺のせいかもしれない」
「あーあ、体中べっとべと……シャワーあびてこなきゃ」
「俺、もう少し休んでからにする……」

朋美がバスルームに消え、一人で放心する。
藪をつついたら、なんてもんじゃないな。
渦のせいか、変なこと沢山口走った気がする。

俺、普段あんな下ネタ口にしないからな……愛美さんじゃあるまいし。
けど、一歩間違ったら朋美はもっと凶暴化していたのかな、なんて思う。
渦にはそれくらいおっかない効果がある。
しかし朋美はそれを上回る何かを持っていた、ということか。

「大輝、そろそろ入っちゃったほうがいいよ。それとも、私に全身洗ってもらいたい?」

朋美がシャワーを終えて戻ってくる。
夕方前というまだ早い時間にも関わらず、バスタオル一枚でうろちょろしている。

「お前……さすがにJKがそのかっこでうろちょろすんのはどうかと思うぞ……」
「別に誰が見てるわけじゃないし。誰かいたらさすがにもう服着てるよ。それに、ほら」

バスタオルをめくって、下着は着けているアピールをする。
そういうの、割と好きって男多いよな。

「さて、渦一個消えたでしょ?」
「お前も知ってんのか」
「まぁね。次が最後?だとすると、ちょっと大変かもしれないね」
「そこまで知ってんだな。最後の一個なぁ……正直あんまきてほしくない。展開も何となく読めるし」
「そんな簡単に行くもんならいいけどね。でも、ちゃんとみんなで解決できるから大丈夫だよ。信じて」
「そりゃ心強い。大丈夫、きっと……うん」

俺もシャワーを浴び、一人で今後について考える。
俺一人じゃ確かに乗り越えられないかもしれない。
けど、乗り越えた先に何があるのか、俺はそれを見てみたい。

みんなでなら、それが見られる気がする。
だから、みんなよろしく。
一人で頭を流しながら、そんなことを思った。
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