手の届く存在

スカーレット

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本編

大輝編40話~大輝の本気~

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「そういやおめぇ、毎日の様に迎えにきてるけど将来の目途は立ったのか?」

いつもの様に朋美を長崎までワープして迎えに行ったとき、朋美の父親から声がかかった。

「まぁ、ある程度だけど。とは言っても今すぐどうこうとは考えてないよ」
「そうか。それはそうと、おめぇ何人も女囲ってんだって?中学の時とはえらい変わり様だな」

その話題きたか。
朋美が話していないわけがないとは思っていたが、せめて高校卒業までは引き伸ばせるだろうと思っていた。
少し見込みが甘かったことを後悔する。
怒っているというわけではない様だが、親としては複雑な部分もあるのだろう。

「朋美本人が納得してるから、とりあえずそのことそのものについてはガタガタ言うつもりはねぇがな。けど、朋美が納得してても俺はおめぇの成長をまだ見てねぇ。どうだ、ここは一つ俺にもそれを見せてくれねぇか?」

何かしらの条件を出されるかと思って身構えていたが、そういうことはなく、成長を見せろと父親は言った。
これはつまり……。

「女抱いてるところ見せろってことか?」
「バカか。んなもん見せたらおめぇ、何が何でも、どんな手使ってでも殺すからな」

そこで初めて父親は怒りの表情を見せた。
声を荒らげたりはしないが、雰囲気から多少の怒りを覚えているのが伝わってくる。
朋美は少し呆れた表情で俺を見ている。
ということは。

「またあんたと戦えってことか?」
「そういうこった。おめぇ、すげぇ力手に入れたらしいからなぁ」

何処の戦闘民族だよあんた。
つええ奴と戦えるんだったらワクワクすっぞ、とか言い出すんじゃないだろうな。
正直このおっさんが強いのはよくわかってる。
だが、女神の力を使って戦えなんて言われたら正直、加減とかわからないし最悪殺してしまわないかと心配になった。

「でも、俺の本気を出すんだとして……場所はどうするんだ?この世界でやるんだと、日本国内じゃまず無理じゃないか?」
「そうさなぁ……今日すぐとは言わねぇから、場所を見繕ってくれや。ちゃんとおめぇの成長が見られればそれでいいからよ」

そう言って父親は家の中に引っ込んで行った。

「大輝……お父さんに女抱いてるところ見せるとかバカじゃないの?」
「いや、悪かったよ。あれしか思いつかなかったんだ」
「まぁいいわ、私に案があるから。ちょっとマンションいきましょ」


睦月のマンションへワープして、事のあらましを話す。
睦月は思い出した様に、そういえば、と父親のことを思い出した様だった。

「神界とか使えたら、ある程度の戦闘にも耐えられるんだと思うんだけどね」
「だったら、神界使っていいか聞いてみようか?」

あっさりと睦月が提案してくれる。
特に懸念事項はないということなのか。

「え、マジで?でも朋美の親父って神界でお訊ね者になってたりしないのか?」
「どうだろ、そうなってたらさすがに討伐指令とか出てると思うけど。聞いてみないと始まらないし、ちょっと行って来るよ」

朋美に聞かれない様こっそりと耳打ちして、確認を取る。
実際に神界に連れて行くことになるのはいいとして、行ったら即拘束、なんてことになったら洒落じゃ済まないからな。
睦月がそういうのであればひとまずは心配ないのかもしれない。

早速睦月はベッドに横になって魂をはがす。
何度か見た光景ではあるが、こちらから見ると眠っている様にしか見えないから不思議だ。
三十分ほど待つと、睦月の体が起きて来てVサインをした。

「大丈夫だってさ。特に問題視されてる様子もなかったよ」
「そ、そうか。なら良かった」
「……?何が?」
「いや、こっちのことだ。時間はいつにしようか」

そういえば、以前父親と対決したのも年末だったな。
時間が許すのであれば、また年末でいいかも、と俺は思った。


そして迎えた年末。
俺たちは朋美の父親を連れて神界へ行くことになった。
今回、こちらのメンバーも全員俺たちの戦いが見たいと言い出したので、時間はかかったが全員を連れて転送することになる。

「さすがに女神化して負けることはないと思うけどね。けど、自分からああ言い出すってことは何かあるかもしれないから注意して」

睦月が元の姿で言う。
俺は軽く頷き、朋美の父親を見る。

「おい大輝、今回は前みたいに手を抜いたりできねぇ。ちゃんと一般人を守る様に伝えておけよ」
「わかってるよ、大丈夫」
「あとな、手を抜こうなんて考えるなよ?殺す気でこい」
「は?」
「わかったな?」

それだけ言って父親は俺から離れた。
神界の、今は神もあまり利用しない様な、俺たちの世界で言うグランドキャニオンに似た場所。
そこで俺たちの戦いが、始まろうとしていた。

「そのままでも力は使えるのか?変身が必要なら待ってやるから早くしろ」

体ごと連れてきてもらっているので忘れていた。
慌てて意識を集中させて、女神化する。
前までよりも更に慣れたのか、時間は大分短縮できる様になった。

この姿でいられる時間はおよそ四時間。
しかし、戦闘で動き回って力を行使して、となるともう少し短くなるだろう。
あまり時間はかけられないと思った。

「すげぇな、本当……じゃあ、遠慮なく行くぜ!!」

朋美の父親が咆哮とともに突っ込んでくる。
俺は文字通り空に飛んでそれを回避して、光弾を撃ち出す。
三発、瞬時に撃ち出したがそれらはすぐに手で打ち払われた。

あれを生身で何とかしちゃうとか……去年の俺はあんなのに挑んだってことになるのか。
光弾を打ち払って、更に父親は突っ込んでくる。
父親が繰り出す拳を、俺も拳で受けた。
拳同士の衝突による衝撃波が、俺たちの周囲を駆け巡る。

「ちょ、ちょっと!?」

少し離れたところで悲鳴が上がる。
睦月やノルンさんと言った面々が障壁を張っているとは思うが、それでもやはり驚いてしまうのだろう。

「それが全力か?」
「いや、俺はスロースターターなんだ。もう少し待ってくれよな」

父親から離れて、武器を具現化する。
イメージは炎の剣。
想像していたものとは少し違うが、俺の右手に剣が生成された。

「そんなことまでできるのか、じゃあ俺も」

そう言って父親は両手を組んで何やら呟いた。
すると、左手に巨大な盾の様なものが顕現する。

「あんた、やっぱ普通の人間じゃないんだな」
「まぁな、ちょいと訳ありでよ。知ってんだろ?」

俺は手にした剣を振るい、父親は盾でそれを受け、流す。
剣に意識を集中させて炎の矢を飛ばす。
それらを弾いて、父親が肉薄してくる。

「それが全力なら、おめぇの負けだぜ」

盾で俺を殴ろうとしているのか、左手を振りかざしてくる。
俺は剣でそれを受け、羽を広げた。

「まだやったことないんだけど、食らってみるか?」

羽から無数の炎の塊が発生して、鋭さを持つ。
それらが一斉に父親に降り注いだ。

「うおおおおお!?」

いくつかは盾で防げた様だったが、残りをその身に受けて父親の体が少し焦げているのが見える。

「なんつーこと考えやがる……」
「漫画で読んでな。あと、俺の力は炎だけじゃないぜ?大元は太陽だからな」

そう言って大空へ飛び上がり、両手をかざす。
その手の先に、極大の炎の塊が発生した。

「いっけぇ!!」

少し熱いと感じたが、やはりある程度の耐性があるらしく俺自身にダメージはない。
直径五十メートルほどもある火球を、父親に投げつけた。

「おめぇ、俺がそんなの避けられないほどのウスノロだと思ってるのか?」
「いいや?だが、これならどうよ」

火球に向かって力を行使すると、巨大な火球が割れてこれまた無数の炎のたまになって父親を襲った。

「ぐおおおおお!?」

隙間なく打ち込まれる炎の弾。
半分ほどが父親に直撃し、もう半分近くは父親の体の回りに落下して、地面を削っている。
元々頭はつるつるに剃り上げているから問題ないのかもしれないが、口ひげが少し燃えてくるんとなっているのがおかしかった。

「く……やるじゃねぇか……割と限界近くなってきやがったぜ……」
「そうか、ならそろそろ終わりにしようぜ」

俺は地面に降り立って、父親の攻撃に備える。
父親はもはや防御を捨てた様だ。
背水の陣というやつか。

「行くぞ、これが最後の一撃になる」
「ああ、わかってる」

父親が渾身の力を込めて右ストレートを放つ。
俺は障壁を三重に展開して、それを受けた。

「ぐっ……があああああああ!!!」
「うっ……!!」

父親の拳が二枚の障壁を割って、残り一枚の前で沈黙した。
一枚だって生身の人間の力で割れる様なものではないはずなのに、やはり常軌を逸したおっさんだ。

「はぁ、負けた。そこまで成長してるなんてな」
「男子三日会わざれば刮目して見よ、って言うだろ?まぁ俺の努力なんてこの状態の継続程度のもんだったけど……」
「それでもおめぇは大した男だよ。咄嗟の判断力なんかも、去年とは大違いだ。朋美を、頼むからな」

父親はその場に座って、ため息をついた。
俺は父親に手を差し伸べる。
しっかりとその手が握られて、俺たちは笑い合った。

だがこれで終わりなら、どんなに良かっただろうか。

「大輝、次私!!私も戦いたい!!」

何とスルーズが剣を手にこちらに走ってくるではないか。
え、こいつと戦うの?
俺勝てるのか?
生きて帰れる気がしない。

「行くよー!!」

問答無用でスルーズが剣を振り、斬撃が衝撃波となって大地を切り裂いた。

「うお!?」

朋美の父親は慌てて岩陰に退避する。
仕方ない、こうなったら、と羽を広げて先ほどの炎の弾を無数にスルーズへ向けて発射した。

「こんなの、当たるわけないでしょ?」

スルーズは剣の一振りでそれらを軽くいなし、またも肉薄してくる。
とんでもない速さだ。
父親が肩慣らし程度に思えてくるほどの実力の違い。

無数の斬撃を、炎の剣を出して受ける。
斬撃の合間で光弾を撃ち出したりと、器用な攻撃を仕掛けてくる。

「こんなのは、どう?」

少し離れたと思ったら、空に飛び上がってスルーズが手に光の槍を具現化した。
これ、もしかして……。

「ニーベルン・ヴァレ……」
「させるか!!」

特大の光弾を飛ばして、光の槍を相殺する。

「ふーん、強くなってきてるね、大輝」
「そりゃどうも……けど、勝てる気全くしねぇんだけど」
「何で本気でやらないの?」
「は?これでも俺もう……」
「いや、まだまだそんなもんじゃないって」

スルーズが再度肉薄してくる。
これはいよいよもってヤバイかもしれない。
そう思ったときだった。

(太陽の気を纏いなさい。そうすれば私たち太陽の神は何者にも負けることはありません)

頭の中に声が響く。

「か、母さん!?」

太陽の気って……どうやって?
考えながらスルーズの攻撃を命からがら回避する。
そうだ。
できるかはわからないけど、試す価値はあるかもしれない。

「くっそ!」

俺は飛び上がって、先ほど父親にぶつけた特大の火球をひねり出した。
そして。

「うおおおおおお!!」

かなり熱いが、自らその火球の中に飛び込む。
吸収するイメージだ、イメージしろ!!
懸命にイメージをして、その体に火球を取り込んでいく。

「おお……」

スルーズが地面で俺を見上げて見とれていた。
何とか吸収できた様だが、あふれ出るそのオーラが何とも凄まじくて、抑制できない。
体の中を、外を、超高熱の何かが駆け巡っているのを感じる。

そのまま剣を再び具現化する。
超巨大な剣が、その手に握られる。

「そう、それだよ大輝。いいね!!」

スルーズが俺めがけて飛んでくる。
俺はスルーズめがけて、その剣を思い切り振り下ろす。

「くらえええええええ!!!!」

スルーズの剣が砕けて、その身に俺の刃を受けているのが見えた。
そして……ナ○パやフリ○ザの最期の様にその姿がひしゃげて見えて、スルーズの姿が掻き消えた。
地面も数百メートルほどにわたって大きく切り裂かれている。

「な、何だ?これが、俺の力なのか?」

というか、スルーズはどうした?
まさか俺の一撃で?

「凄まじい力だったな……」

父親が岩陰から出てきて、呟く。
やばいな、もしかしてスルーズが消滅したんだとすると……。

「あの一撃で霧散した様に見えたけどな。ちょっと確認してみるか」

父親が何やら呟くと、その手に水晶玉が握られる。
割と大き目のもののはずだが、父親の手が更にでかいのでテニスボールくらいの大きさに見える。

「ああ、消滅してんな。早いとこオーディンのとこ行った方がいいかもしれねぇ」

それを聞いて俺は、即座にオーディン様の下へ飛んだ。


「見ておったよ、凄かったの、大輝」
「あ、いえ……それよりスルーズは……?」
「ああ、大丈夫。もうロヴンが修復しておるよ。今度わしともやってみるか?」
「いやそんな、恐れ多い……」

俺はその足でロヴンさんのところへ飛んだ。

「おお、大輝……あれほどの力を持っていたのか」
「そ、そうなんですけど……ちょっとやりすぎちゃって」
「スルーズならほら、そこに」

指差した方を見ると、スルーズ手を振っていた。
彼女のひしゃげた姿とか、もう見たくない。

「凄かったねぇ。あんな力を持ってるとは思わなかったよ」
「いや、それ割と俺のセリフ……でも、ちゃんと修復できて良かった。一瞬本気で殺しちゃったかと思って血の気が引いたわ」
「神だもん、死なないよ。睦月の体のままだったらやばかったけどね。いやぁ、でもちょっと興奮した」
「あれで興奮するとかお前おかしいから。まぁ、正直俺も調子に乗った感は否めないけどな」

それから朋美の父親を迎えに行って、オーディン様に事の顛末を報告する。
俺の成長に期待している、なんて言っていたが、これ以上強くなって何すりゃいいのか、という疑問しか湧いてこない。

「大輝、お前になら任せられるってわかってよかったよ。本当に頼むからな。まぁ、高校のうちはこっちの学校で頑張ってもらうけどよ、朋美にはな」
「それでいいよ。ほとんど毎日会ってる様なものだもん。でも大輝、私にあの力振るったりしないよね?」
「DVなんてレベルじゃねーぞそれ……」

お前じゃあるまいし、俺は基本女に暴力は振るわないんだ。
さっきのスルーズのは……うん、ノーカンだよな。
あいつ、戦乙女だし。
何よりあいつから挑んできたんだし。

少しして俺たちは人間界に帰り、無事年越しを終えた。
来年はこんな物騒な年越しじゃなくて、普通に蕎麦でも食って紅白でも見て過ごしたいものだ。
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